掲載日:2025/04/15更新日:2025/04/15
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シリーズA累計で132億円を調達したスタートアップ「LayerX」。一点突破のスタートアップが多いなか、主力事業であるAI-SaaS「バクラク」を軸に急成長し、AI・LLM事業、Fintech事業を複数同時展開。それぞれの分野で革新的なソリューションを提供し、投資家たちから注目を集める。今回は、「バクラク」事業のインサイドセールスとして働く八木果鈴葉さん(28)にお話を伺った。
LayerXについて
「すべての経済活動をデジタル化する」というミッションのもと、バクラク(AI-SaaS)、AI・LLM、Fintech事業を展開するスタートアップ。単一のサービスにとどまらず、関連する複数のサービスを統合的に提供する「コンパウンドスタートアップ」という戦略を採用している点が、投資家からも「成長可能性が高い企業」として注目される理由の1つとなっている。
バクラク事業:
請求書処理、経費精算、稟議申請、法人カードなどの支出管理を一元化するサービス「バクラク」を提供。これにより、企業の業務効率化と法令対応の両立を実現していく。
AI・LLM事業:
大規模言語モデル(LLM)を活用し、企業や行政内のデータ活用や業務効率化を支援。具体的には、文書処理の自動化や業務フローの最適化を実現する生成AIプラットフォーム「Ai Workforce」を提供。
Fintech事業:
デジタル技術を駆使して資産運用の課題を解決し、経済活動への資金還流を促進する。例えば、不動産セキュリティ・トークンの公募や発行に関する協業を行なう。
大手からスタートアップへ。選考で惹かれた社内カルチャー
前職は大手カード会社で働いていた八木さん。その転職動機とは?
前職で4年ほど働くなかでは、事業開発、マーケティング、法人営業など、いろいろな経験をつむことができやりがいはありました。一方で、どちらかといえば、何を言うかよりも誰が言うかを重視されるカルチャーでもありました。もっと自分の意見をフラットに伝えていけるような環境で働いてみたいという思いもあり、転職を考えるようになりました。
なぜ、LayerXだったのか。
そもそも、スタートアップには少人数で優秀な人が集まってるイメージがあり、そうした環境で「どこまで自分の力が通用するのか試してみたい」という好奇心がありました。
なかでも、LayerXはAIプラットフォームを自社開発していたことも、惹かれた理由の1つでしたね。というのも、今後もっと活用されていくと言われるなかで、私自身は前職ではほとんどAIにふれたことがありませんでした。だからこそ、LayerXのような会社に身を置けば、修行できるのではないかな、と。
さらに、選考で話を聞いていくと、LayerXには考え方・カルチャー(以下、「羅針盤」と記載)が浸透していると感じられたことも志望度が高まった点だったかもしれません。私としては、理念などの言葉って企業のHPなどには載ってはいるものの、それを覚えている人は少ないのではないかと思っていたのですが、LayerXの場合は、社員のみなさんが、自身のことばで、カルチャーについて説明してくれたんです。選考中、メンバー、マネージャー、経営層含めて複数名にお会いしたのですが、どの人も一貫して熱く語ってくれた。「こんな会社があるんだ」と衝撃を受けました。
同時に、この会社であれば、日頃から「羅針盤」をもとにフィードバックなどもしているんだろうな。どんどん組織が拡大して人数が増えたとしても、ブレることなくみんなで同じ方向を向いて進めるんだろうな、と想像ができたんです。もしかすると、人によっては“理念”などに抵抗がある人もいるかもしれませんが、私の場合はむしろ指針となるものがあるほうが、働きやすそうだなと。特に私は、仕事内容よりも「どんな人と一緒に働くか」をとても重視しているタイプなので、「こんな人たちと、同じ方向を向いて働いていてみたい」と思い、入社を決めました。
八木果鈴葉
2019年、新卒でクレディセゾンに入社。提携カードの新規会員獲得や利用促進などの事業企画、Webマーケティング、QRコード決済のシステム管理に従事。その後、法人営業部にて個人/法人/代理店営業、審査、事業部の数値管理に携わる。2024年1月より現職。インサイドセールスとして 従業員10~999名の企業を対象に、SaaSおよび法人カードの商談機会創出を担当。ユニットリーダーとして、メンバーのオンボーディング~メンバーの達成マネジメントを支援するほか、 プロジェクトリーダーとして、社外の比較媒体から商談数の最大化を担う。
バクラクは、請求処理、経費精算、法人カードなど、企業の支出管理を効率化するクラウドサービス。2025年4月時点で、シリーズ累計導入社数は15,000社を突破。サービス継続率は99%以上。
電話1本の「質」を担保するために、AIを使い倒す
まずは仕事内容について伺った。
現在、企業の支出管理を効率化するクラウド型サービス「バクラク」のインサイドセールスを担当しています。「バクラク」には、請求処理、経費精算、法人カードなどのプロダクトがあるのですが、それらを全てご案内しています。お客様の業務に入り込み、タッチポイントを探し出して提案していく。いわゆる“業務コンサル”のようなイメージに近いかもしれません。
一般的に、SaaS企業では事業・プロダクトによって担当が分かれているケースが多いですが、バクラクは全部1人が案内するため、窓口が分散せず企業の状況をまるっと把握することができます。SaaSのなかでは後発サービスであるLayerXならではの戦略であり、強みにもなっています。
いかに成果を生み出していくか。そこには、大切なポイントがあるという。
インサイドセールスは、お客様との最初の1本のお電話が勝負です。もしも「調べてあとで折り返します」という対応をしてしまえば、お客様は他社サービスに流れてしまう。機会損失につながります。とはいえ、お客様とお電話をするなかでは、すぐにパッとは答えが浮かばないようなご質問をいただくことも。そこで、重要になるのが「AIの活用」です。
お客様とお電話をつなぎながら、社内の専用AIツールで、「バクラクの機能詳細は?」「競合サービスとの機能差分は?」「バクラクの無料プランと有料プランの違いは?」のように質問を投げて回答を得る。AIがすぐに答えと参照元記事・マニュアルを出してくれるので、それらを見ながらリアルタイムでお客様に回答しています。後回しにせず、その場で回答し魅力付けをする。このスピード感を大事にすることも、電話1本の質を担保することにつながると考えています。
結果として、自分の対応によって商品の良さを理解してもらえて案件化できると、嬉しいですね。自分が良いと思っている製品を、お客様も「いいな」と思って購入してくれる。そこには1つの矛盾もない。すごく誠実な仕事ができているなと感じます。特に私の場合、前職時代は商材特性もあり、これまでの関係性でご利用いただいているというケースも珍しくはなかったので、商品の良さに納得した上で導入いただけることの喜びがことさら大きいのかもしれません。
ほかにも、八木さんのAIの活用法を教えてくれた。「社内のAIツールは、お電話の一連の内容はAIが文字おこし・要約してくれるので、そのメモをもとに、またAIを活用して足りない情報などを指摘してもらいながら、その場でフィールドセールスへの引継ぎ資料もつくっています。後回しにせず、その場でどんどん解決していく。このサイクルに慣れてくると、実際、売上数字にもつながっていきました。その他、無料AIツール「Perplexity AI」も、会社の電話番号、商談準備での調べものなどによく使っています。写真も出てくるのが便利で気に入っているのと、自分でHPに飛んで調べるより断然早いですね。Googleの「Gemini」もメール添削や、返信フォーマットを出してくれるので、助かっています。もちろん、AIは完璧ではないので細かなニュアンスが伝わらないことがあったり、ときに必要な情報まで文字を削られてしまったりすることはありますが、いったん怖がらずに使ってみるようにしています。プライベートでもAIはよく使っていますね。私はわりとめんどくさがりな性格なので、もはやAIなしではやっていけません(笑)」
八木さんの転職前後の働きがいの変化をグラフにしたもの。LayerXの好きな風土についても補足してくれた。「フラットに意見を言い合えるところがいいなと思います。ほとんどの社員が中途入社のためか、先輩・後輩という垣根はほとんど感じません。また、営業部と開発チームとの風通しもとても良いところも推しポイントです。私もインサイドセールスとしてお客様からバクラクにはまだない機能やプロダクトの要望をいただくと、開発チームにエスカレーションするのでよく関わっているのですが、みなさんとても接しやすい方々ばかり。私は特に年齢も近い方が多いので飲みにいくこともあって。先日は「営業のみんながお客さんに売ってくれるから、俺たちも作った意味があるんだよ、ありがとう」といった言葉をもらってジーンとしてしまいました。互いがリスペクトを持って働ける組織って良いですよね」
AI活用で生まれた時間で、もっと新しい挑戦を
LayerXで働く魅力について、こう話をしてくれた。
LayerXの良いところは、AI時代にあったスキルをつけていけることはもちろん、AI活用により捻出した時間で、自分がやりたいことにどんどん挑戦できる点だと思います。特に、今は組織が急拡大していて、ポスト・役割につくチャンスは豊富。手をあげれば、どんどん任せてもらえる環境があると思います。
私で言えば、まずはメンバーとして成果を出していくことが大前提ではありますが、その先には「メンバーの育成・オンボーディング」に関わってみたいです。成果を出せると楽しくなるし、やりたいこともどんどん見つかっていく。それは私自身も経験していることなので、新しく入ったメンバーにも、そういった成果を出せるような土台作りをして迎え入れられる体制をつくりたい。そして、伴走していければと思っています。
ちなみに、もう1つ中長期で実現したいのが、お客様の煩雑な業務を、LayerXのサービスで完全自動化していくこと。私自身、前職時代に営業をしていたとき、営業事務に追われて営業に専念できなかった経験があります。LayerXで働くなかでは、当時と比べたらAIによって効率化は進みましたが、それでもまだ負担を感じる部分はあります。きっとお客様もそういったペインを感じていらっしゃると思うので、LayerXで働く一人として貢献していきたい。そして、そういったサービスができた暁には、古巣にも提案して恩返しできたらいいなと思っています。
最後に、仕事への向き合い方について。
仕事への向き合い方についてですが、小学校から続けてきたスポーツの影響で、『与えられた役割を全うし、最大限の成果を追求する』ことが私の行動規範になっています。私にとって目標達成に向けて主体的に取り組むことこそが、最も自然で心地よい状態なんです。何かを変えたいと思った時、周囲に変化を求めるのではなく、まずは自分自身と向き合い、できることに徹底的に取り組む。その結果として周囲に良い影響を与えられたら、こんなに嬉しいことはありません。自らの成長を通じて、チームや組織に貢献していきたいと考えています。
ちなみに、私個人の意見ですが、LayerXはまだまだ女性の割合が比較的少ないため、どんどん来て欲しいし、一緒に盛り上げていければと思っています。そのためにも、私自身が、新メンバーに「こんな風に働いている人がいるんだ、いいな」と思ってもらえるような存在でありたい。そうなれるように、これからも頑張っていきたいです。