INTERVIEW
TakeMe│代表取締役社長

Microsoft、Alibaba、Tencent、LinkedIn出身者が集結。「食」で仕掛ける新インバウンドビジネス

掲載日:2020/02/27更新日:2023/04/07

いま、訪日観光客の心をつかんで離さないインバウンドサービスがある。日本国内のレストラン紹介から予約、決済まで完結できる『日本美食』、世界中の決済方法をまとめるQR決済サービス『TakeMe Pay』など。提供するのが『TakeMe』だ。「言語、通貨、情報という訪日観光客の障壁を取り除く」代表の董 路(ドン・ルー)さんの志を追った。

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TakeMeについて
訪日外国人向けのインバウンドサービスを提供する。たとえば、レストランの紹介から予約、決済までを完結できる『日本美食』の運営。また、世界中の決済方法をまとめるQR決済サービス『TakeMe Pay』などの開発も。東京・大阪以外に、北京、ジャカルタ、台北にオフィスを構える(2020年2月現在)。

言語、通貨、情報…訪日観光客の「障壁」を取り除く

訪日観光客、外国人たちがこぞって利用するサービスがある。

そのひとつが『日本美食』。飲食店の紹介サービスだ。

たとえば、隠れた寿司の名店。日本酒蔵元が経営するレストラン、商店街の片隅にある赤ちょうちん居酒屋…知る人ぞ知る「食」のスポットが満載。

メニュー概要や店の歴史、店主や客との交流…知れば知るほど深みにハマる外国人も少なくない。

高級店だけが日本の食文化ではありません。ガイドブックに載らないような店での体験との出会い。ミシュランの味を知る人からも「人生で最高の食事だ」という言葉が飛び出すんですよね

こう語ってくれたのが、同サービスを提供する『TakeMe』代表の董 路(ドン・ルー※以下、ドン)さん。

さらに同社では、QR決済ゲートウェイサービス『TakeMe Pay』の提供を開始。煩雑だった国内外のスマホ決済端末を一つのQRコードにまとめた。

「食」その体験・コンテンツを武器に、埋もれた観光資源を掘り起こす。外国人が熱狂するジャパニーズカルチャーを世界へ。新たなインバウンドビジネスの可能性を追った。

董路さんの画像

董 路 (ドン ルー)│代表取締役社長
中国・北京出身。20歳の頃留学で来日。卒業後はゴールドマン・サックス証券に入社。その後、スタンフォード大学でMBAを取得した後、中国へ帰国。外資系コンサルや、VCなどを経て、2社のベンチャーを立ち上げた後、活動拠点を日本へ移した。2015年、日本美食株式会社(2020年TakeMe株式会社へ社名変更)を設立。

日本美食の画像

日本美食
「本当に魅力ある日本のレストラン」だけを観光客に紹介。レストランの紹介から予約、オンラインでの決済までの機能を世界中のOTAに提供。バイリンガルによるコンシェルジュサービスを設置し、電話とチャットでコンシェルジェによる予約受付が可能。予約時に決済できるため店側は「ノーショー」によるリスクも避けられるメリットも。

日本人が知らない「クレイジーな日本」のポテンシャル

ここ数年好調に推移をしてきた訪日観光。いわゆるインバウンドビジネスだが、2020年に入り、先行きが不透明な状況もある。

そういったなかでも『TakeMe』代表、ドンさんは強気だ。

「日本にはまだまだ観光におけるポテンシャルがあります。とくにカルチャーという意味で、非常に豊かな国です。普段生活している日本人が見落とす「日常」も訪日客にとっては貴重なアクティビティとなる。世界的な情勢として不安定な部分はあるが、訪日観光が減ることはないと考えています。むしろ濃い体験を重ねることで、コアなファンのリピートも見込めるはずです」

たとえば、ドラッグストアやコンビニで日本製商品の買い物をしたり、美容院でカットをしたり。また、築地や商店街での食べ歩き、屋外店舗での飲酒なども「最高にクレイジーな日本での体験」になり得るという。

董路さんの手

目指すは世界100ヶ国、1000種類の決済連携

ただ、これまで訪日外国人の大きな障壁になっていたのが「決済」だ。

中国ではすでにスマホ決済が主流で、お財布を持ち歩く習慣がない人も多い。欧米はカード文化で、いちいち両替をして現金を持ち歩くことがストレスになっているんです。日本としても機会損失。そういった訪日観光客のストレスを取り除いていく

2020年8月以降も見据える『TakeMe』。現在、アジアから欧米圏まで、世界中の旅行メディア、フィンテックカンパニーとの提携を加速させている。

世界一のスマホ決済プラットフォームを構築し、2020年7月までに世界100ヶ国、1000種類の決済手段の追加を計画する。

「決済を含め、一度でも最高の体験をしてもらえれば、さらに日本という国への興味が広がっていくはず。最終的には、よりコアな日本のファンを作れると思っています」

TakeMe Pay(スマホ決済ゲートウェイ)
"世界中の決済を、ひとつに。" 。QRコードのスキャンで決済可能。「Apple Pay」「Google Pay」「Alipay」をはじめ、クレジットカードにも対応し、2020年2月現在20種類以上の決済方法が使用可能だ。(2020年3月には、さらに70種類以上の決済方法が使用可能になる)。

Microsoft、Alibaba、Tencent、LinkedIn出身者たちが集結

世界4ヵ国に拠点を構える『TakeMe』は、グローバルスタートアップとしての躍進にも期待がされている。

在籍する社員の全員がバイリンガル、トリリンガルだ。

複数の国の間で生きているからこそ、考えられることがあると思うんです。日本で生まれ育った人の発想では考えられないこと、中国にずっといるだけでは気づかないこと、アメリカの中だけでは見えない世界が見えてくる。"この先日本はこうなっていくんじゃないか"という予言をして、戦略を立てながらサービスを作れるという強みがある

また、世界各国から優秀なメンバーたちが集結している。

Microsoft、Alibaba、Tencent、LinkedIn出身者も。世界の最前線で経験をつんだ上、様々なバックグラウンドを持つ人たちがいる、強力なチームです」

董路さんの横顔

「ユニバーサルなサービス」で勝負する

最後に伺えたのが、これからの事業展開について。

「ユニバーサルがキーワードです。誰にとっても優しい。こういったサービスをやり続けていきたいんですね。外国人はもちろん、お年寄り、子どももそう。国境や性別、世代などに関わらず「困っている誰か」を助けたい。シンプルに考えて、わかりやすく使えて便利で、しかもお得なら絶対みんな使う。これはインターネットの世界の常識です。こういったサービスができれば、現金社会の日本も変えていけると信じています」

とくにキャッシュレス決済のさらなる普及に可能性を感じているという。

「現金社会と言われてきた日本も、ETCやSuicaが根付いている。これらは立派なキャッシュレスです。今後はさらに早いスピードで変わっていくでしょう。中国や世界の流れを見ていれば、日本も遠くない未来100%スマホ決済になるはずです」

「食」を切り口に日本のカルチャーを世界へ。ドンさんは野心を燃やす。

「自分が一番世の中に貢献できる方法を考え続けていく。テクノロジーと、ボーダレスというTakeMeの強みを武器に、世の中をもっと自由にしていきたいですね」

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