営業/セールスとして働くからには、いかに大きな数字がつくれるか。自身に裁量が委ねられるか。ここは大きなポイントだ。小川大輔さん(34)が大手商社で結果を残しつつ、次なるフィールドとして『DELL』を選んだのも、まさに同じ理由だった。誇れる自社ブランドの製品を扱いたい。洗練された営業手法で、より大きなスケールで数字をつくりたい。小川さんの『DELL』での挑戦の物語に迫った―。
「大学院を卒業しました。大卒の同年代に比べて、社会人としてのスタートが遅かったんです。だからこそ、どうしたら早く成長できるか。ずっと考えていました」
もともと、東京工業大学大学院に進学し、学生時代には生命理工学の研究に没頭していた小川大輔さん(34)。彼が選んだのは研究者ではなく、就職するという道だった。
「不思議と社会人として働くことへの迷いはありませんでした。もともと人とコミュニケーションを取ることも好きで。周りからは反対の声もありましたが、生きる道は自分で決めていく。そういったシンプルな考え方で切り替えることができました」
ただ、同時に彼が抱いたのは、焦りにも近い感覚だった。
「出遅れた分、大卒で社会人になった人たちとのギャップは早くに埋めたい。そこで考えた企業選びの絶対条件は、いかに短期間で営業力をつけられる環境があるかでした」
そして選んだ就職先は、オフィス関連商品を取り扱う国内大手商社だった。
「その会社は”3年続けば、確実に営業スキルが身につく”と噂される会社でした。あえて言えば決して甘くない環境。実際、入社してみてかなり鍛えられましたね」
彼が経験したのは泥臭く、一社一社をあたり、粘って提案をしていく営業。メインの営業スタイルは飛び込みだ。こうして彼は営業としての基礎体力を身につけていったという。
「ニーズがほとんどないエリアや企業への提案がメイン。きっかけさえつかめない時期がしばらくは続きました。ただ、そのなかで工夫したのが、自分が取り扱っている商品にこだわることなく、幅広い視点で困っていること・課題はないかをヒアリングしていくこと。日々、多くのお客様との会話を重ねていくうちに、同じような課題に対して、悩んでいる企業が多数いることに気づいたんです。業界を横で見たときに、どういった課題意識をもっているかということを考え、課題解決のコミュニケーションができる境地に行きついていった。そして、数字をつくるために知恵を絞り尽くす。こういった環境だからこそ、思考が鍛えられるとてもいい経験ができたと思っています」
同時に、小川さんが入社当初から決めていたのは「その会社では3年間」ということだった。
「営業としてどんどんレベルアップしたい。なので、3年間で営業としての基本を身につけて、転職しようと決めていました。だからこそ、3年以内に結果を残したかった。負けて辞めることだけは絶対に嫌ですからね」
そして小川さんは有言実行を果たす。トップクラスの営業成績を叩き出し、次なるステージを目指すことになった。
小川さんが次なる舞台に選んだのが『DELL』だった。きっかけは『DELL』における営業の仕組み、そのスケールを知り合いから耳にしたことだった。
「『DELL』において興味を持ったのがインサイドセールス(内勤営業)の仕組みでした。オフィスにいながらにして、クライアントの課題解決を、的確に、最短ルートで行なっていく。洗練されたやり方だと感じましたね。前職と比較したときの何十倍も効率的にお客様にアプローチすることができ、より大きな営業数字に貢献できる。短期間で成長できる環境に加え、そのスケールの大きさにも魅力を感じました」
ただ「モノ」を売るだけじゃない、課題解決型の営業としての醍醐味があると語る。
「中堅企業(従業員100名以上1000名未満)のお客様をご支援する広域営業統括本部に所属していますが、お客様の業態によって、社内環境であったり、PCや設備の使い方などはさまざま。システムや機器の問題とどう向き合っていくか。今、何が組織的な課題なのか。ニーズを探っていき、本当に必要とされる製品を提案していける。自分たちの製品、ブランドに誇りを持って提案していけるのもいいところだと思います」
ときには、顧客要望を社内の製品企画部門へとフィードバックしていくこともあるそうだ。
「ブランドを世に広めていく感覚もありますね。こうすればもっと良くなるんじゃないかと自社にフィードバックを行うこともあります。同時に『DELL』の人間として商品についてあらゆる質問に答えていく。その緊張感や責任感がある。だからこそやり甲斐のある仕事だと思います」
そう語ってくれた彼の表情は、充実感に満ちていた。
そして入社から3年半。小川さんは所属する広域営業統括本部の営業マネージャーに抜擢された。年齢にかかわらず、実力さえあれば、新たな挑戦ができる。それが『DELL』だと小川さんは語る。
実際、『DELL』において彼がマネージャーに推薦されたとき、社内では誰一人として反対の声が上がらなかったという。それは「営業数字」という結果が示していたからだ。
彼が出せた結果を広くメンバーへと展開していく。より大きなミッションへと挑戦する機会が訪れたのは、自然なことだった。
「営業マネージャーの話をいただいたとき、ぜひチャレンジしたいと思ったんです。というのも、じつは一人のプレイヤーとしては物足りなさを感じていた時期でもあって。誤解を恐れずにいえば、自分なりのメソッド、「勝つ法則」はわかってきた。このやり方を多くのメンバーに展開できれば、チームとしてより大きなミッションが達成できるのではないか。そう思うとわくわくしたんです」
より高い全社視点で「営業」という役割を捉えていく。それが彼の持ち味でもある。
「営業一人にできることは限られていますよね。もっとスケールの大きな仕事をしていきたい。そう考えるならば、全員が簡単に売れる仕組みをつくったほうがいい。それこそがマネージャーの仕事ですし、そっちの方がおもしろいですよね」
もちろんプレイヤーだったときのように全てが上手くいっているわけではないと、現状についても赤裸々に語ってくれた。ただ、いま向き合っている壁さえも、小川さんは楽しんでいるように見えた。
「マネジメントのむずかしさは、日々感じており、向き合っているところではあります。自分ができたことでも、なぜメンバーだとできないのか。言語化し、一般化をしなければならない。ただ、やり方が徐々に浸透してきて、とても楽しみなチームになっていると思います。採用も強化しており、今年の6月から活動を始め、40人ほど採用して大きな組織になってきました(2017年11月 現在)。自らチームをつくっていける。これだけの裁量を与えられて仕事ができるのは、本当に楽しいですね」
営業として高い視点を持ち、向上心を発揮しながら仕事に取り組んでいく。壁にぶつかりながらも前へと進んでいく。小川さんの仕事におけるモチベーションの源泉はどこにあるのだろう。
「とにかく変化を求めるのが好きなんですよね。刺激を求めたいタイプ。だからこそ、常に高みを求めていきたいんです。目標を立て、それが達成できたら、じゃあ次は何やろうかと考える。マネージャーの仕事もやったことがなかったから挑戦したかった。正直、それ以外のモチベーションはあまりないかもしれません」
どこかさっぱりと語ってくれた小川さん。ただ、その真剣なまなざしの奥には「やり抜く」という確固たる意思が宿っていた。
「”できない”ということ自体が好きじゃないです。どうにかしてやり遂げたい。やれるはずだと信じている。今、マネージャーとして挑戦させてもらっている仕事もそうなんですよね。たとえば、だれもやれなかった属人的な仕事にしても、仕組み化できればそれだけで大きなインパクトとして跳ね返ってくる。ここを必ず達成したいんです」
より大きなインパクトを社内に、そして世の中へと与えていく。彼の挑戦は今、始まったばかりだ。