中小企業の経営者に向け、事業承継支援を行なう辻英道さん。もともと大手証券会社でリテール営業として働いていたバリバリの証券マンだ。「年収は8割ほどに。それでもやりたい仕事がありました」彼が選んだのは、山田コンサルティンググループへの転職。事業承継を通じ、多くの人々の役に立つ仕事をする ―― 彼の転職の物語に迫る。
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今、中小企業における後継者問題が深刻だ。
この先10年間で、実に245万人の経営者が事業承継の時期を迎える。さらに、その半数以上は後継者未定という状況だ。
この状態が続けば、中小企業の廃業が相次ぎ、2025年ごろまでには約650万人の雇用、さらには約22兆円のGDPが失われる可能性があるという(*1)。
いかに中小企業の事業承継をスムーズに進めるか――ここは日本社会全体として取り組んでいくべき課題と言ってもいいだろう。
こうした中、重要な役割を担っていくのが、会計・税務・法律にまたがる高い専門性を持つ、コンサルタントたちだ。
今回取材した、「山田コンサルティンググループ」で事業承継コンサルタント・マネージャーとして活躍する辻英道さんもその一人。
仕事の醍醐味をこう語る。
「事業の承継は、経営者ご本人はもちろん、そのご家族や親族の方々の人生にも深く関わっていくものです。だからこそ、人間関係なども含め最適解を提供していく必要がある。単に商品を提案するだけの仕事ではないからこそ、自分の介在価値を感じられるんです」
(*1)経済産業省発表資料
http://www.shikoku.meti.go.jp/soshiki/skh_b5/1_sesaku/171020/shiryou.pdf
山田コンサルティンググループ
会計・税務・法律・事業のプロフェッショナルを有する総合型コンサルティング・ファーム。国内での事業再生、M&A、事業承継を軸に、成長戦略、人事・組織戦略、医療分野など、総合ファームでありながら高い専門性を持つ。提供するサービスはマーケティング・リサーチ、不動産、法務、教育研修など、経営コンサルティングなど様々。あらゆる経営課題解決のため、現場主義を貫いた経営支援を行なう。
辻 英道 / 一橋大学経済学部卒業後、大手証券会社に入社。リテール営業に従事する。より多くの人の役に立つ仕事として、山田コンサルティンググループの事業承継コンサルタントへ転職。同社、歴代最短でマネージャーへ昇格を果たした。
もともと、大手証券会社でリテール営業として働いていた辻さん。誰もが知る有名企業、相応の報酬を手にしていたといっていい。
なぜ、転職を決意したのか。
「10年近く証券マンとして働く中で、“自分が提案するサービスは本当にお客様のためになっているか”と疑問を感じる場面も増えていきました。正直、ノルマという数字を追うことが目的になってしまうこともあった。この先、定年まで働くと考えるとおよそ30年。人生を通して、数字だけを追いかけていくのは、あまりにも悲しいと思いました」
転職を決意した背景について、辻さんはこう語る。
「転職時、軸として掲げたのが人の役に立てる実感を得られる仕事。その中でも、事業承継には凄く可能性を感じていた。前職時代、山田グループの税理士法人と一緒に仕事をする機会があり、事業承継の提案に感動して。それが大きな転機だったといっていいと思います」
そこに見たのは、「経営者の真のパートナー」として提案やアドバイスをする姿だった。
「いわゆる証券の営業マンだった私では聞いてもらえないような話を経営者としていて。お客様は事業承継について真剣に耳を傾けていました。それほどまでに困っているし、コンサルタントが頼られている。専門知識が求められている様子も伝わってきました」
当時のことをこう振り返る。
「正直悔しかったです」
それから約1年後、辻さんは山田コンサルティンググループの門を叩く。志望したのは「事業承継コンサルタント」だ。
「正直にお話すると、給与だけでみれば当時は約8割に。それでもやりたいと思える仕事でした。誰かに心から求められる仕事、人の役に立つ仕事をしたい。山田コンサルティンググループに転職する。迷いはありませんでした」
入社して4年。当時の選択は間違っていなかったという。辻さんの表情には、大きな充実感が伺えた。
「自分が頑張れば頑張るほど人のためになれる。ずっとこの実感がほしかったんだと感じています」
「携われば携わるほど奥が深い。毎回お客様が抱えている課題もさまざまです。例えば、経営者が育ててきた事業をスムーズに承継いただくにはどうしたらよいか。さらに事業は承継したら終わりでもありません。新たな税法なども表面上は理解できたとしても、使い方を間違えれば、あとあと非常に面倒なことになってしまう。経営者のご家族や親族にも影響すること。数年、数十年というお付き合いになることもある。だからこそ、長い目で見たフォローが必要なのです」
誰かの役に立ちたい。その実感を重視したい。こういった理由で転職を考える方もいるだろう。ただ、事業承継におけるコンサルタントとして活躍していくためには重要なポイントもある。
「いかに知識を自ら学べるか。はじめの3ヶ月は勉強漬けでした」
証券や金融の知識はある程度持っていた辻さんだが、学ぶことが多かったという。
「たとえば、相続税法や法人税法、さらに民法や会社法などの知識も必要でした。ちょっとしたミスが経営に大きなダメージを与えてしまう。絶対に間違えることが許されないので大きなプレッシャーも感じます」
言い換えれば、「責任」を任され、「知見」を得ていける。それだけのキャリアが築けるともいえる。
「じつは勉強することは苦ではありませんでした。それは、知識がダイレクトにお客様のために役立てることができるとわかっていたから。そこにしっかりと対価をいただくわけですし、勉強をすることは当たり前のことであるとも考えています」
顧客に見せる資料一つとっても「本当に情報は十分か」「専門用語を極力使わず理解しやすいものにできているのか」を考え抜くーーそう力強く語ってくれた辻さん。ここ最近では、後進育成に励んでいるそう。とことん顧客に寄り添い、役に立つために仕事をしていく。その真摯に仕事と向き合う姿勢、考え方は後進にも伝わっていくだろう。