INTERVIEW
熊谷俊人千葉県知事 特別インタビュー

千葉県が「副業人材」を4ポジションで初公募。求めるのは、千葉県の未来を共に切り開く「民間の力」

掲載日:2022/12/12更新日:2023/01/10
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東京の隣にありながら、豊かな緑と海に囲まれた千葉県。約630万人が暮らす同県は、商業、工業、農業、漁業…あらゆる産業が盛んであり、それぞれ生産額や産出額等では全国一桁台を誇る。成田空港という国際線基幹空港を有し、日本における経済発展の核、国際的な戦略拠点と言える。こういった千葉県において初となる副業人材の公募プロジェクトが始動した。公募に至った背景、入庁者に期待される役割とは。熊谷俊人千葉県知事の特別インタビューをお届けする。

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「民間の力」は、千葉県の未来を切り開く一歩に

はじめに、今回の公募プロジェクトの実施背景について熊谷知事に伺うことができた。民間からの人材登用、副業人材の公募は千葉県として初の取り組み。その狙いとは――。

県民にとっても、県職員にとっても、非常に大きな価値のある取り組みであり、千葉県を変える一歩となる。そう確信し、今回の公募を行うことになりました。

まず、コロナ禍によって大きく時代が変化しており、多くの企業で副業が認められるようになりましたよね。テレワークも普及してきています。民間企業で働く優秀な方々の活躍のフィールドも広がっており、行政の仕事にも非常に手を挙げやすい環境が整ってきたと言えます。こういった観点から、今後の千葉県に関する業務に多様な形で関わっていただく新たな選択肢になればと考えています。

特に募集している領域は、民間企業でのノウハウを活かし、ご活躍いただけるポジションだと考えています。千葉県としてもより力を入れていこう、変わっていこうとしている領域ですので、試行錯誤している部署が多く、職員の挑戦意欲も高いのが特徴です。オンラインでの業務をベースにしつつ、都内在住の方であれば、すぐ隣の県ですので、領域によってはぜひ現場を見ながら交流いただければと思います。

2009年から2020年まで千葉市長を歴任した熊谷知事。市長時代には、民間と連携し「レッドブル・エアレース」誘致等、新たな挑戦も行い、市の意識改革にインパクトを残した。今回の公募も新たな取り組みであり、そういった改革につながっていく施策の一つと言えそうだ。

公募による民間人材の登用は、「千葉県は面白い自治体だぞ」といった独自性、挑戦心を広く知っていただける機会になると考えています。同時に、千葉県庁という組織全体の多様性にもつながっていくでしょう。今までの県庁職員のバックボーンとは全く違う副業人材の方々が入ることで、ダイバーシティの観点からも大きな変化が起きていくはずです。新たな考え方、見方に触れ、いい化学反応がお互いに得られることを期待しています。

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熊谷俊人 千葉県知事 1978年生まれ。浦安市・神戸市などで少年時代を過ごす。2001年3月、早稲田大学政治経済学部卒業後、2001年4月にNTTコミュニケーションズ株式会社入社。2007年4月に千葉市議会議員選挙に立候補し当選。2009年6月、千葉市長選挙に立候補し当選。当時、31歳は全国最年少市長となり、政令指定都市では歴代最年少市長となった。2021年3月千葉県知事選挙に立候補、得票数140万9496票で初当選(歴代最多得票数を更新)を果たし、現職に至る。

「首都への良好なアクセス」と「豊かな自然」両方が得られる日本屈指の立ち位置を活かして

続いて伺えたのが、千葉県庁の一員として働くやりがいについて。知事自身が民間出身のバックグラウンドを持ち、「行政で働くおもしろさを民間企業で働く多くの人に知ってもらいたい」と語る。

私自身、民間企業出身ですが、公共に仕事で携わるやりがいを日々実感しています。行政の仕事に参画することは、民間の方々にとっても大きなメリットがあるはずです。公共のために働くことが、いかに魅力的か、あまり伝わりきっていないのではないかと考えています。

千葉県に限らず、多くの自治体では、まさに今が変革期。民間企業で培ってきた知見、新鮮な考えを活かす機会が豊富にあります。当然、既存の行政とは違うネットワークを持っていらっしゃると思うので、行政だけではできない連携、コラボレーションを実現させていただきたいですし、それらが求められている環境です。民間ならではの発想で、新しいアイデアや事例を生み出していただければと考えています。

さらに多くある自治体のなかでも、千葉県に働く魅力も非常に大きいと言えます。千葉県は日本の縮図のような県と言って差し支えありません。商業、工業、そして第一次産業である農業、漁業が盛んであり、それぞれ生産額や産出額等では全国一桁台。東京都の隣に位置しており、非常に利便性が高いエリアです。同時に自然豊かなエリアも数多く存在しており、考え方によっては東京都の隣に小さな北海道があるようなもの。高度な都市機能と豊かな自然、その両方のメリットが得られる、日本屈指の立ち位置にあります。

さらに「成田空港」という国際線基幹空港、日本における経済発展の核となる国際的な戦略拠点を持つのは千葉県だけです。日本最大級の玄関口を抱え、日本の首都に対する良好なアクセス、そして世界へのアクセスに最も近い利点があります。これらを複合的に活かす取り組みが可能であり、日本のみならず、海外を含めた世界的にも応用可能な先進事例を生み出していけるはずです。

当然、世界的な潮流を意識したカーボンニュートラルやSDGs等の取り組みも実行していきますが、千葉県ならではの特徴を活かさない手はありません。例えば、農業や漁業とデジタルの融合、先駆的なテクノロジー産業での仕事と大自然を生かしたライフスタイル等、尖った両極端にあるものが一つに味わえる県の魅力を作り上げていきたい。千葉県でしか味わえない働き方や生き方を、全国に提示をしたいと考えています。それらを具体化していくために、総合計画を策定し、今まさに各分野で新たな取り組みを推し進めている段階にあります。土台や環境が整ってきた非常に良いタイミング。千葉県であれば、約620万人と非常に大きな影響を与えることができますし、長い仕事人生においてもかけがえのないキャリアや経験につながるはずです。

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今回、多様な領域での公募となるが、そのうちの一つ「DX推進」も重要課題の一つだ。熊谷知事は、千葉市長時代にCIO(Chief Information Officer)を兼務し、ICT活用を推進。千葉県でも同様にデジタル化を推し進めていくという。「千葉県でも2021年から2022年にかけてDX推進、デジタル化に向けて本格的に進めていくための準備と体制が整った段階にあります。時代の潮流を掴み、県庁内部だけでなく、県内全体のDX推進を仕掛け始めたところですので、今が加わっていただくベストなタイミングだと考えています。デジタル庁の発足、デジタル田園都市国家構想、そしてマイナンバーカード普及と、国としてもまさにデジタル化を推進しているところです。行政と住民の関係性、そして私たちの社会をデジタルで大きく変える事例を作ることができるはずです。千葉県はもとより、日本に刺激を与えるような挑戦を志していきます」

後悔を残さない人生を。「街の鼓動」を聞きながら生きていく

そして取材終盤に伺えたのは、熊谷知事自身の仕事観について。人生の選択、仕事において重視してきたものとは。

私が思うのは、やはり人生は一度きりということですよね。ですので、いつでも死ぬ時から逆算し、人生を考えるようにしています。どのような人生を送ることで満足ができるか。どうありたいか。そういったことを追求するなか、思い残すことのない状態でこの世を後にしたい。「あの仕事をやってみたかった」「こうしておけばよかった」という後悔を抱いたまま亡くなってしまうのは、非常にもったいないことだと思います。私にとってはまさに公共に携わる仕事が、後悔のないように生きる選択でした。逆算思考のなかで、改めて「公共に携わりたい」という思いが強くなり、20代で民間企業を辞め、この世界に入ったのですが、この選択は正しかったと確信しています。

もちろん、民間企業には民間企業の良さが多くあります。ただ、あくまでも個人の経験談ですが「この仕事は、人類にとって果たしてどれだけの意味があるのだろうか」と疑問を感じる場面も当時はありました。

その点、公共に関わる仕事の良さは「社会が確実に前進している」「誰かのためになることをしている」という手応えがあることです。自分が住んでいる街と共に歩んでいける。市長時代によく「街の鼓動を聞きながら生きることができますよ」と言っていたのですが、土地に根を生やし、 生きている実感が得られます。ですので、行政で働く経験は何事にも変え難い「生きがい」ですし、人生のなかで大変有意義だと思っています。

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「仕事とは、やりたいと思う気持ちを行動に起こし、多くの方々を巻き込んでいくこと」と語ってくれた熊谷知事。「粘り強く諦めずコミュニケーションを取り、折衝する。その結果、チームとして大きなアウトプットを生み出していけることは仕事の面白みですよね。今回の副業人材の方々についても、今までと違う方々と交流することで、世界を広げることにつながるはずです。行政にとっても、県民にとっても価値のあることですし、入庁いただく方にとっても確実に仕事と創造力の幅が広がると思います」

そして最後に伺えたのが、熊谷知事が仕事に向き合う上での「原動力」について。そこには、阪神淡路大震災による被災の原体験があるという。

私の人生において最も大きかった出来事として「阪神淡路大震災」があります。そこで初めて水道、電気等が全く使えない状況を経験しました。私たちの生活は日々メンテナンスしてくださっている方々のおかげで成り立っている。そういった当たり前のことを震災で体験しました。街が火の海になり、そして修復されていく。その過程を目の当たりにしたことで、改めて自分が住んでいる街や社会が、誰かによって作られてきたものであり、かけがえのないものだと実感したのです。次は自分が重要な社会基盤を作っていく側で働きたい。その強い思いが原動力となっています。

そして、私たちが今やっていることは 50年後、100年後の歴史になっていきます。たとえ挑戦が成功しなかったとしても、歴史的教訓として必ず次の世代にバトンとしてつながっていく。そういった意味でも、 現役世代として果たすべき役割だと捉え、日々仕事をしています。歴史の1ページを自分たちで作り、つなげていくことは大きなやりがいですし、ぜひその仲間に加わっていただきたいですね。当然、今回のプロジェクトは前例のない取り組みですので、私たち自身も頑張らないといけない。しっかり体制を築き、コミュニケーションをとらなければ、その意味は果たせない。私たちも惜しみなく努力をしていきます。

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