倩才でなくおいい『Team Geek』蚳者・角 åŸå…žãšè€ƒãˆã‚‹ã€ãƒãƒŒãƒ ã«è²¢çŒ®ã™ã‚‹ã‚šãƒ³ã‚žãƒ‹ã‚¢ã®æ°—配り力

「チヌム開発を進めるために、゚ンゞニアはどう振る舞えばいいのか」に迫る、名著『Team Geek』。その勘どころを、蚳者である角 åŸå…žã•んず読み解きたす。

倩才でなくおいい『Team Geek』蚳者・角 åŸå…žãšè€ƒãˆã‚‹ã€ãƒãƒŒãƒ ã«è²¢çŒ®ã™ã‚‹ã‚šãƒ³ã‚žãƒ‹ã‚¢ã®æ°—配り力

数倚くの開発者から支持を受け、読み継がれおきた名著。そこには読み継がれる理由がありたす。 名著には、内容・ボリュヌムずもに充実した曞籍が倚く、抂芁に目を通しただけで本を読んだ぀もりになっおいたり、腰を据えお読む時間がなく「積ん読」しおしたいがち。「゚ンゞニアが絶察読むべき曞籍●遞」ずいった蚘事をブックマヌクするだけで読んだ぀もりになっおいないでしょうか。 ポむントを抌さえ぀぀内容を深掘りし、名著の根底に流れる゚ッセンスを開発に掻かしたしょう。

゚ンゞニア向け名著を読み解いおいく圓䌁画。第4回に取り䞊げるのは『Team Geek—Googleのギヌクたちはいかにしおチヌムを䜜るのか』。Googleの゚ンゞニア2名によっお曞かれた「チヌム開発を進めるうえで、゚ンゞニアはどう振る舞えばいいのか」にフォヌカスした䞀冊です。

著Brian W. Fitzpatrick、Ben Collins-Sussman 蚳角 埁兞 刊オラむリヌ・ゞャパン 初出2013幎7月

今回は同曞を翻蚳した角 埁兞さんにお話をうかがい、この本の芋どころや若手゚ンゞニアが掻かせる゚ッセンスを探っおいきたす。聞き手はアプリ゚ンゞニアの池田です。

角 埁兞かど・たさのり 1 @kdmsnr 写真・右
ワむクル株匏䌚瀟代衚取締圹。東京工業倧孊 環境・瀟䌚理工孊院 特任講垫。アゞャむル開発やリヌンスタヌトアップに関する曞籍の翻蚳を数倚く手がけ、それらの手法を䌁業に導入するコンサルティングに埓事。翻蚳曞に『リヌダブルコヌド』『Running Lean』『゚クストリヌムプログラミング』『メタプログラミングRuby』などがある。
池田 惇いけだ・じゅん 2 @jun_ikd 写真・巊
スマヌトフォンアプリ゚ンゞニア。iOS・Androidのアプリ開発を行いながらPMや開発チヌムリヌダヌを経隓。゚ンゞニアずしお技術を孊び続け、プロダクトマネゞメントや人材育成でも掻躍したい。アゞャむル開発ずオヌプン゜ヌス゜フトりェアの掻甚を奜む。

『Team Geek』は、技術だけじゃなく人間やチヌムに気を配る倧切さを説く

池田 僕がこの本を初めお読んだのは2013幎の10月で、本が出おから3ヶ月埌くらいでした。掻躍しおいるマネヌゞャヌが、この本をすごく良いず蚀っおいお。その頃、僕はただ゚ンゞニア3幎目で「ふむふむ、こうやっおいけばいいんだな」ず読んで思った蚘憶がありたす。

角 本の「日本語版たえがき」を曞いおくれた及川卓也@takorattaさんや、Kaizen Platformさん、アプレッ゜瀟長の小野和俊@lalha2さんが、ブログずかいろんなずころで觊れおくれお、発売しおから少しず぀認知床が高たっおいったのかなず感じおいたす。

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特に、Qiitaを運営しおいるむンクリメンツさんがこの本のキヌワヌドであるHRTハヌトを瀟内のガむドラむンに入れおくれお、それがバズったのもありたすね。そのあず及川さんがむンクリメンツに入瀟した珟圚は同瀟から独立ので、より泚目床が高たったず思いたす。

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Increments぀いお - Increments株匏䌚瀟

池田 自分がマネヌゞャヌを経隓したあずで今回読み返しおみるず、改めおいろんな気づきがあるなず感じたした。たずは若手゚ンゞニアに向けお、この本をどのように読めばいいのか、ずいうずころからうかがいたいです。

角 技術が奜きで゚ンゞニアになった人は、やっぱり技術力を高めたいっおいう意欲も匷いし、流れの速いIT業界の䞭でキャッチアップするために䞀生懞呜やっおいるず思いたす。この本はそんな人たちに向けお、技術だけじゃなくお人間ずかチヌムずかに、ちょっずでもいいから気を配っおほしいずいう内容なんですよね。

 がくたちが匷調したいのは、孀高のプログラミング職人はいないずいうこずだ。たずえいたずしおも、1人で超人的な偉業を達成できるわけではない。䞖界を倉えるような功瞟は、むンスピレヌションの閃きずチヌムの努力の結果である。

『Team Geek』p.13より

ずいっおも若い人はSNSネむティブの䞖代なので、人ずのコミュニケヌションにはすでに慣れおいる気もしおいたす。逆に僕みたいな40歳前埌の人の方が、コミュニケヌションに察する苊手意識は匷いかもしれない笑。

ただ、SNSずかLINEでの短いやりずりずは違っお、仕事のプロゞェクトではうたくいかないこずもたくさん出おくるでしょうから、そういうずきのヒントにしおもらえればず思いたす。

独自の開発珟堎に、若手がどう適合しおいくかを知る

池田 孊生だず自分ず近い考え方を持った人どうしで集たったりしたすが、䌚瀟に入るず幎霢やバックグラりンド、考え方も違う人たちが䞀緒に働くわけですからね。

角 䌚瀟での働き方は、必ずしもオヌプン゜ヌス文化ずフィットするわけではありたせん。䜿いたいラむブラリやOSSが自由に䜿えなかったり、瀟内独特のコミュニケヌション方法に悩んだりするこずもあるでしょう。『Team Geek』を通じお、チヌムコミュニケヌションの方法や考え方を孊ぶ、ずいうのも良さそうです。

池田 倧きい䌚瀟に䜕も知らない状態でいきなり入っお、そこの「開発珟堎が普通」ずいうように思っおしたうず、ひず぀の䟡倀芳しか知れず、䞀般的な感芚ずズレるずいう怖さがありたすね。

角 倧きい䌚瀟は瀟内開発ルヌルを持っおいるこずも少なくありたせん。自分の䌚瀟独自の環境に埓っおしたうず、オヌプン゜ヌスの掻動ず䌚瀟の掻動に霟霬そごがあっお苊しんでしたうでしょう。先日聞いた話ですが、䌚瀟のGitHubにプルリクを送るのに䞊叞に申請曞を提出する䌚瀟もあるみたいですよ。

池田 それはすごいですね笑。

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角 「勀務䞭に曞いたコヌドは資産なので䌚瀟に著䜜暩があり、それをプルリクするずいうこずは、倖郚に公開するずいうこずなので䞊長のサむンがいる」ずいうこずらしいです。そういうのずオヌプン゜ヌスの文化っお、圓然ですけど党く合わないので぀らいですよね。

池田 なるほど。私はリヌダヌを目指す人のステップアップにも圹立぀かなず思ったのですが、どうでしょうか。

角 埌半はそうですね。゚ンゞニアからマネヌゞャヌやリヌダヌになるずいうず、人間力ずかスキルが党方䜍的に䞊がっおいくむメヌゞがあるず思うんですが、この本は「そうじゃなくおいいよ」っお蚀っおるんですよね。党おのこずに気を配っお、プロゞェクトを成功させるために党力で立ち向かう、みたいなこずがたぶん幻想で笑。

倩才やパヌフェクトな人はいないずいう前提に立っお、自分が高められないずころはチヌムで補完すればいいんだよっおいうずころも、若手に読んでほしい点ですね。

HRTっお、党員ができるもの

池田 チヌムで働くずきの䞉本柱ずしお玹介されおいるのがHRT、謙虚Humility、尊敬Respect、信頌Trustです。

コラボレヌションの涅槃に到達するには、゜ヌシャルスキルの「䞉本柱」を身に぀ける必芁がある。この䞉本柱は、人間関係を円滑にするだけでなく、健党な察話ずコミュニケヌションの基盀ずなるものだ。


謙虚Humility
 䞖界の䞭心は君ではない。君は党知党胜ではないし、絶察に正しいわけでもない。垞に自分を改善しおいこう。
尊敬Respect
 䞀緒に働く人のこずを心から思いやろう。盞手を1人の人間ずしお扱い、その胜力や功瞟を高く評䟡しよう。
信頌Trust
 自分以倖の人は有胜であり、正しいこずをするず信じよう。そうすれば、仕事を任せるこずができる。

 この3぀を合わせお「HRT」ず呌びたい。読み方は「ハヌト」だ。痛みを軜枛するものだから、苊痛の「hurt」ではなく、心の「heart」である。がくたちの䞻匵は、この䞉本柱で成り立っおいる。

 あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頌の欠劂によるものだ。

『Team Geek』p.15より

本の䞭では、HRTはテクニックずしお誰でも身に぀けられるから、そう振る舞おうず曞いおありたす。でも僕はどうしおも、もずもずの性栌もあるし党員が党員そう簡単にはできないのでは  ず疑問に感じおしたうずころがあっお。

角 この本を読んでいただいた感想の䞭に「合理的だ」ずいうのがあったんです。

本曞で述べられおいるのは、自分がどう思おうが関係なく、むンタヌフェむスずしおHRTをやりたしょう、ずいうこずなんですよね。HRTはスキルのひず぀。たずえ苊手だずしおも、盞手のこずを信頌できないずしおも、できないなんお蚀っおる堎合じゃない笑。そのステップは本には曞かれおいないのですが、仕事なんだから瀟䌚人ずしお身に぀けるしかない、ずいうのが答えでしょうか。

HRTをやらずに成功するこずもあるでしょうが、それはごく䞀郚の倩才に限った話だず思いたす。倩才じゃない凡人は、チヌムでうたくやるためにHRTをしないず孀独になっおいくし、孀独になるず死んでしたう。だからHRTを頑匵るしかない。

 この原則は本圓に重芁なので、本曞はこれを䞭心に構成しおいる。
 たずは、君がHRTを受け入れお、内面化するずころから始たる。぀たり、コミュニケヌションの䞭心にHRTを眮くずいうこずだ。

『Team Geek』p.16より

池田 自分は苊手かも、ず思うよりも「圓然身に぀けるべきスキルなんだ、やるしかない」ず思ったほうが楜ずいうこずですね。どう思うかは自由で、「振る舞いだけ気を぀ける」ず割り切れば苊しむこずもなさそうです。

角 はい。もし盞手を信頌できなかったずしおも、それをそのたた口に出しお蚀う必芁はないですよね。心の䞭で思うのは自由だけど、仕事ずしおは割り切っおHRTやりたしょうっおいうこずだず思いたす。このHRTが、この本の8割を占めるくらいのキヌワヌドなんですよね。

倩才以倖は䜕でもオヌプンに。うたくやるコツは

池田 1章では、倩才以倖は䜕でもオヌプンにしよう、隠したらダメになるよずいう話も出おきたすが、私が自然にオヌプンにできるようになっおきたのは5幎目くらいでした。それたでは自分のスキルに自信がなくお、芋せるのが恥ずかしいずいうのがあっお。自分に自信がなくおも隠さない、ずいうふうにうたく考え方を切り替える方法やコツがあればお聞きしたいです。

隣の人に盞談するこずから始めよう

角 いきなりグロヌバルに公開しちゃうのっお、結構心理的なハヌドルが高いんですよね。䞖の䞭には、人のアラを芋぀けおはケチを぀ける人っおやっぱりいるので。

なので、最初は仲間内から始めるのがいいず思いたす。䌚瀟だったらチヌムや郚眲レベルで公開しおフィヌドバックをもらっお、ずいう経隓を積んで、最終的にGitHubに公開するくらいのむメヌゞ。苊手な人は、小さく、小さく、スタヌトする。

玠晎らしいアむデアを隠しおおいお、それが完成するたで誰にも話さないずいうのは、リスクの高い倧きな賭けだ。早い段階で蚭蚈ミスをしやすくなるし、車茪の再発明をする可胜性があるし、誰かず協力するメリットが倱われる。
䞭略氎に飛び蟌む前に、぀た先を氎に぀けるのはそのためだ。自分が正しいこずに取り組んでいるのか、それがうたくできおいるのか、すでに完成しおいないかを確認する必芁がある。早い段階で倱敗する可胜性は高い。しかし、その段階でフィヌドバックを求めれば、それだけリスクは䞋がる。怜蚌を重芖した「早い段階で、高速に、䜕床も倱敗せよ」の粟神を忘れないようにしよう。

『Team Geek』p.9より

池田 できないず思っおいる人ほど小さいうちに芋せられず、ひずりで抱え蟌んでしたうような気もしたす。

角 最初は隣の垭の人に芋おもらうこずから始めお、埐々に増やしおいくしかないですよね。どれだけ早い段階で公開できるかずいうのはすごく重芁だず思いたす。みんな倩才ではないので、倩才以倖はみんなで回しおいかないず無理、だからオヌプンにする、ずいうこずを早く身に぀けないずいけない。

マネヌゞャヌはメンバヌの困り事を盎接聞いおいい

池田 早く身に぀けるには人数を枛らすなど、できるだけ公開のハヌドルを䞋げるずいうのが倧事なんでしょうか。

角 そうですね。チヌムメンバヌにずっお居心地のいい環境を、リヌダヌやマネヌゞャヌがデザむンしおおく必芁もあるず思いたす。隣に話しかけるにも蚱可がいるんだったら、話しかけられないですもんね笑。

たしか『Clean Coder』に曞かれおいたず思うのですが、「ヘッドフォンを぀けるな」ずいう話があっお。ヘッドフォンを぀けるず集䞭できる反面、話しかけにくいからダメだず。このように隣の人が話しかけやすいようなルヌルを䜜るのも、ひず぀の案かもしれたせん。

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池田 若手の人ほどそういった现かい振る舞いが気になるでしょうし、少し倉わるだけで、安心しお話しかけたりオヌプンにできるようになったりするのかなず感じたす。

角 あずは、圓事者だずメンバヌやチヌムの状況を客芳芖できないので、誰かがチヌムの倖郚から調敎しおいかないずいけないですね。若手でも隣のチヌムの指摘はできるず思うので、チヌム同士で「〇〇さんが話しにくそうにしおいる」ず䌝えあうのも、ありかもしれたせん。基本的にはリヌダヌがいなくおも、自埋的に回るのが最高。そのチヌムをどうやっお䜜るかは、責任を持぀人の腕の芋せどころだず思いたす。

池田 ただ、初めおチヌムを持぀人間にはかなり難しい技術に感じたす。リヌダヌやマネヌゞャヌには、メンバヌの技術面も非技術面も客芳的に芋お、チヌムに足りない郚分を刀断できる力が必芁ずいうこずでしょうか。

角 チヌムに足りない郚分を芋極め、足りない郚分を補完する、いわば適材適所を考えるずいうこずですよね。本の䞭でも觊れられおいたすが、チヌムが必芁だず思っおいるこずは普通にメンバヌに聞けばいいんです。「今、䜕に困っおる」ずかね。

 チヌムの幞せを远い求めるには、1察1のミヌティングのあずに「䜕か必芁なものはある」ず質問するずいいだろう。䞭略チヌムメンバヌが生産的で幞せになるために必芁なものを簡単に把握できる。

『Team Geek』p.87より

池田 「察知する」ずかじゃなくお、普通に聞けばいいずいうのは、すごく明解ですね。

角 根拠がないのに䞋手に掚枬しおも倖れちゃいたすし、的倖れなこずをしおいるず、呚囲から「䜕やっおんの」みたいに思われちゃいたす。『Team Geek』はアゞャむルやスクラムずいう蚀葉を䜿わずに、チヌムを䜜りたしょうっおいう本なんですよね。型やスタむルにはめるこずなく、普通に改善しおいくずいうスタンスで曞かれおいるので、すごく参考になるず思いたす。

パフォヌマンスの䜎い人にどう察応する

池田 自分がマネヌゞャヌをやっおいたずきに䞀番難しいなず思ったのが、3章に曞かれおいる「パフォヌマンスの䜎い人に早めに察凊する」のずころです。䜕かを任せおもうたくいかないし、差はどんどん広がっちゃうし、もうどうしたらいいんだろうみたいな感じでした。

角 パフォヌマンスの䜎い人には、技術的に卓越しおいるマネヌゞャヌが䞀緒に䌎走しおあげる必芁があるず思いたす。たずえば「技術力のない、環境を敎えるだけ」みたいなスクラムマスタヌが察凊しおも、この問題は解決が難しいでしょう。

アゞャむル開発が流行っおくるず、技術力はさおおき人間力の高い人ずか、コヌチングやファシリテヌションのスキルばかり目立っおしたいがちです。ですが、チヌムをマネゞメントする立堎にいたずしおも、技術スキルがれロでいいずいうわけじゃないんですよね。

たずえば、足を痛めた人がリハビリをしお、再びチヌムず䞀緒に走り出すこずを想像しおほしい。そのずきには䞀時的なマむクロマネゞメントが必芁になるはずだ。ただし、HRT特に「尊敬」がある前提だ。期限たずえば23か月を蚭定しお、達成しおもらいたい目暙を決めよう。最初の目暙は小さくしお、少しず぀倧きくできるずいい。小さな成功を䜕床も経隓するためだ。その゚ンゞニアには毎週䌚っお進捗を確認する。
䞭略パフォヌマンスの䜎い人に盎接働きかけるこずで、必芁か぀重芁な倉化の觊媒ずなるのである。

『Team Geek』p.72より

角 個人的に、この本のすごくいいなず思っおいるずころは4章「有害な人に察凊する」があるこず。普通はなかなかここたで蚀わないですからね笑。4章にあるような察凊方法や、最終手段をオプションずしお持った䞊で、付き合う気があるのならずっず付き合っおいかないずいけないですね。

4.4 有害な人を远い出す
 瀌儀がなっおなかったり、瀟亀的ではなかったりするだけで、その人を远い出すようなこずをしおはいけない。䞭略がくたちはPatrickを远い出すようなこずはしなかった。圌の振る舞いを远い出そうずしたのである。奜たしくない振る舞いは受け入れられない。䜕床も譊告しおも振る舞いが改善されなかったら、そのずきは正匏に远い出すこずを怜蚎しおもいいだろう。

『Team Geek』p.108より

みんな倩才じゃない。耇数の評䟡軞を持っお、局地的でも評䟡する

池田 自分がリヌダヌずしおチヌムメンバヌず䌎走できればいいんですけど、䌎走できる状況でなかったり、そもそも自分に䌎走する胜力がなかったり、ず感じたこずもありたす。こうした「リヌダヌやマネヌゞャヌに向いおいないのでは」ずいう悩みは、結構倚くの方が共有しおいるように思いたすが、どう解消するべきでしょうか

角 難しい問題ですが、ひずりで悩たずに、チヌムに盞談しながらマネゞメントするのが䞀番いい方法だず思いたす。

それから倧前提ずしお、人はだれでも成長できるし、成長したいず思っおいるず、認識すべきです。教えたら䌞びるはずだし、本人も䌞びたいず思っおいるずいう前提があれば、プロゞェクトの䞭で成長しおいくこずは十分に可胜です。

池田 半幎、1幎仕事をしおも党然掻躍できない人が、ちょっず違う業務をするずいった些现なきっかけで急に掻躍をしだす、みたいなこずもありたすよね。

角 プロゞェクトの開始前埌を比范しお、その人のスキルが少しでも䌞びたら成功だずいっおいい。超人ず比べるのではなく、本人が䌞びおいれば、それでいいんですよ。

池田 やっぱり呚りず比べるずいうのはアンチパタヌンですね。僕も、Twitterで流れおくる䞖の䞭のむケおそうな゚ンゞニアず自分を比べおしたっお䞍安になるずか、いただにありたす。

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角 ゜ヌシャル䞊ですごい人を芋かけるずビビりたすよね。わかる笑。でも、『Team Geek』が蚀っおいるのは、みんな倩才じゃない、だったら局地戊で勝ずうずいうこずなんです。

「フロント゚ンドのこのラむブラリのこずに぀いおは詳しい」っお範囲を狭めるずか、瀟内でかわいがられおいる、ずか。どんなに狭くおもいいので、評䟡軞をたくさん持぀ずいいんじゃないでしょうか。

池田 自戒の意味もあるんですけど、゚ンゞニアだず、「新しい技術をよく知っおいお䜿いこなせるこず」みたいなのが評䟡軞になりがちです。その軞だけで自己評䟡しおしたうのは、『Team Geek』でいう「局地戊で勝぀」考え方ずは真逆なので、よくないなず反省する面もありたすね。

角 みんな倩才じゃないよっお1章に曞いおあっお、さらりず読み飛ばしがちなんですがそこが超重芁。倩才ず比べるず萎えちゃうので。

珟実的に考えおみよう。君は倩才じゃない。 䞭略でも、仮に君が倩才だったずしおも、それだけでは䞍十分なんだ。倩才だっおミスをする。優れたアむデアやプログラミングスキルがあっおも、開発した゜フトりェアが必ずしも成功するずは限らない。今埌のキャリアがうたくいくかどうかは、同僚たちずうたく協力できるかにかかっおいる。

『Team Geek』p.7より

池田 他のいろんな本だず、スキルアップや将来のためにOSSにコントリビュヌトしようずか、ブログは毎日曞こうずかありたすよね。だからその解釈にはすごく救われる感じがしたした。

角 倩才じゃなくおもいいんだっおいうのは、翻蚳しおいる最䞭に自分にもすごく刺さった蚀葉です。著者たちもSubversion䜜っおいるくらいの゚ンゞニアだから、決しお凡人じゃないんですけど、「倩才ではない倚くの人たち」のために曞いおいるずいう感じはしたした。「凡人でもチヌムで勝぀には」みたいなサブタむトルにしたらよかったかも笑。

個人の幞せずチヌムの幞せをどう重ねおいくかが、リヌダヌやマネヌゞャヌの腕の芋せ所

池田 リヌダヌずしお「チヌムの幞せを蚈枬する」「オフィスの倖にあるチヌムの幞せにも泚意を向ける」ずいう内容がありたした。ちょうど最近子䟛が産たれたこずもあっお、゚ンゞニアのワヌクラむフバランスも気になっおいたす。

角 チヌムっお人間が集たっおいるので、圓たり前のこずですが人間䞀人ひずりに目を向けないずダメだずいうこずですよね。個人の幞せずチヌムの幞せっお、100%重ならないんですけど、どうやっお重ねおいくかがリヌダヌずかマネヌゞャヌの圹割になる。

近幎、メンバヌ䞀人ひずりに目を向ける重芁性が認識され、「1on1」ずいう蚀葉も登堎しおいたすが、翻蚳圓時*1はそんなにメゞャヌな蚀葉ではなかった気がしおいたす。ですから「1察1のミヌティング」ずいうように蚳しおいたすけど、これが重芁であるこずに倉わりはないですね。

たた別のリヌダヌは、チヌムメンバヌず1察1で面接するずきに、最初は技術的な話をしお打ち解けおから、仕事に必芁なこずに぀いお話しおいた。堎があたたたったら、珟圚の仕事に満足しおいるのか、次に䜕をしたいかに぀いお話すようにしおいた。

『Team Geek』p.87より

今は倚様性をどう確保するかずいうこずを考えなきゃいけない時代になっおいるず思いたす。女性を入れればいい、幎霢がばらければいいなどの属性の話だけではなく、家庭事情ずか、どうやっお生きおいきたいかずいう心情を含めた倚様性の話。みんながハッピヌになるためにはどうすればいいかっおいうのを、考え続けないずいけないですよね。

池田 僕も今埌、より倚様性が倧事にされるようになっおいくのかなず感じおいお。゚ンゞニアは遅くたで働いおいお、ひずり暮らしで、若くお、みたいなステレオタむプがあるず思うんですが、幎霢を重ねるず結婚したり子䟛ができたりするし、今埌いろんな人が増えおくるのかなず思っおいたす。

角 珟時点では、IT業界の働き方やチヌムのあり方が、他の業界のモデルケヌスになっおいるず思いたす。「AppleやGoogleがこんな働き方を採甚した」ずいうず、みんなその方法を採り入れるずか。そういう意味では、IT業界はただワヌクスタむルの曎新がなされおいる、ずいう気はしたす。

䌚瀟以倖のコミュニティでオヌナヌになろう

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池田 ゚ンゞニア䞭心じゃない䌚瀟だったり、䞋請けだったり、いろんな環境で働いおいる゚ンゞニアがいたすよね。今のチヌムや環境が぀らいなず思っおいるずきに、ラむトに環境を倉えちゃっおいいのか、この本に曞いおあるような自身の情報公開やHRTずいったこずを十分に実践しないず逃げになっちゃうのか、どう思われたすか

角 すごく難しい問題ですね笑。チヌムや䌚瀟がうれしくなるこずず、自分がうれしくなるこずの共通項をどれだけ倧きくできるかずいう話だず思うんですよね。共通項がれロなのであれば逃げちゃえばいいず思うし、これから広げおいけるず芚悟を決めたら、広げる方向に動くのもいいず思いたす。

本圓に自分の人生をかける䟡倀のあるチヌムや䌚瀟なのかっおいうのは、簡単にはわからないんですよね。䟡倀があるず自分が思えばやればいい。別に定幎たで勀めあげるこずが重芁な瀟䌚ではないですしね。本のなかに「正しいこずをしお、解雇されるのを埅ずう」ずいう話が出おくるんですけど、䟋えば「宝くじで6億円が圓たっおもその仕事をやるか」ず考えおみるずいいのではないでしょうか。「6億円あるならやらない」ず思うこずは、やらなくおいいんじゃないかな笑。

もうひず぀、䌚瀟ずいうコミュニティだけに所属するず、どうしおも閉じた䞖界になりがちので、オヌプン゜ヌスのコミュニティでも勉匷䌚でも䜕でもいいので、䌚瀟以倖の軞を耇数持っおおくず、䞖界が広がっおいいのかなず思いたす。

特に、プロゞェクトのコミッタヌになったり、コミュニティの䞻催者になったりするず、マネゞメントする偎ずメンバヌ偎の䞡方の気持ちがわかるようになるから、ちょっず倧倉なこずがあっおも「わかるわかる、しょうがないよね」ず、おおらかに過ごせるようになる気がしたす。

池田 自分も以前、䌚瀟以倖の軞が党くなくお、䌚瀟のチヌムが党おみたいになっおいたした。「䌚瀟で倱敗しちゃったら人生が終わっおしたう」ずいう匷迫芳念があっお、今思うず぀らかったですね。私自身、異動や瀟倖での蚘事執筆など、別のコミュニティを知っおから自分が掻躍できる機䌚が増えたず実感しおいたす。

角 ゜フトりェアだけじゃなくお、同人誌を䜜ったりずかもいいず思いたす。「技術曞兞」のような堎もありたすからね。本を䜜るっお、すごく゜フトりェア開発ず䌌おいるずころがあるんです。私もRe:VIEWずいう出版システムの開発に携わっおいお、これたでの翻蚳曞は『Team Geek』も含めお、だいたいこのシステムを䜿っお曞いおいたす。あずは、コミケずかメヌカヌフェアずかに、自分が䜜ったプロダクトを出すのもいいでしょう。

池田 䞖に出しおフィヌドバックがもらえるし、その意芋をふたえお孊んだり、たた䞖に出そうずいうモチベヌションも䞊がったり、ずいうルヌプができおすごくよさそうですね。

最埌に、若手゚ンゞニアに向けおメッセヌゞがあればお願いしたす。

角 新しい時代を䜜っおいくのは若い人たちなので、幎䞊の人に臆さず、自分たちが正しいず思うこずをやっおいっおほしいです。ただ、ひずりではできないこずも出おくるず思うので、チヌムでパフォヌマンスを出すスキルを早いうちから身に぀けおおくずいいず思いたす。『Team Geek』を読んで、HRTを身に぀けお、幞せな゚ンゞニアラむフを送っおください。

【今こそ読み解きたい名著】バックナンバヌ

取材薄井千春ZINE執筆工藀有里ZINE


  1. 日本語版の初版は2013幎7月発行↩

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