REPORT
名古屋市|民間人材公募プロジェクト

名古屋市を進化させよ。PR戦略、水素モビリティ事業促進、まちづくりの3分野で「民間人材」同時初公募へ

掲載日:2023/10/19更新日:2023/12/11

リニア中央新幹線(品川 - 名古屋間)開業、アジア競技大会・アジアパラ競技大会(2026年開催)などを控え、その進化と変革に期待が集まる名古屋市。さらに市全体で水素エネルギー活用を促進するなど脱炭素社会の実現に向けた都市づくりも注目される。同時に全国自治体と同様に高齢者人口の増加、若年層の減少といった課題にも直面する。いかに「進化」「変革」を加速し、名古屋市をアップデートしていくか。「PR」「水素モビリティ」「都市開発」の3分野でプロジェクト推進の要となる民間人材の同時公募を初めて実施する*。3職種とも初募集のポジション。各ポジションの募集背景、求める人物像について見ていこう。
*行政職の部長級職員の民間公募を行うのは名古屋市として初の試みです。

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求めるのは、共に「名古屋市」を進化させていく民間人材

日本三大都市の一つである名古屋市。愛知県の県庁所在地であり、中部・東海地方の中枢を担う。さらに、リニア中央新幹線(品川 - 名古屋間)開業、アジア競技大会・アジアパラ競技大会(2026年開催)などを控え、2030年代に向けた新たな進化・変革に注目が集まっている。

そして、世界的にも注目をされているのが、2050 年までのカーボンニュートラル実現を目指す「脱炭素化」の推進だ。たとえば、2022年に国から脱炭素先行地域に選定された「みなとアクルス」の開発事業は、商業施設・集合施設等多様な都市機能を集約するまちづくりにおいて、再生可能エネルギー及び水素等の最新技術を活用した省エネルギー機器等の導入やAI制御等によるエネルギー調整システムにより、2030年までに民生部門の電気・熱由来のCO2排出実質ゼロ化を実現する。

「名古屋市総合計画2023」では、未来へのビジョン、少子化や高齢化といった課題に対する具体的な取り組み、方針も示す。いかに今後の日本、そして世界で存在感を示していけるか。都市として持続的に成長・活性化が図れるか。行政・経済・文化…中部地方・東海地方の中枢「名古屋市」をアップデートしていくため、初となる民間出身者の大規模公募を実施へ。各ポジションの募集背景、求める人物像について見ていこう。

(1)PR戦略の企画・推進

■募集背景
PR戦略の企画・推進(市長室・課長級)

生活情報、イベント情報等の発信などを担う名古屋市の広報。さらに観光客誘致、企業誘致を目的としたPR・広報活動にも力を入れており、「攻め」も重視していくとする。

期待されるのは、市内外、年齢層、属性の異なる市民・ユーザーに合わせた発信。さらに、これまで各事業を所管する部署の判断、現場裁量にて広報活動を行ってきたものを、名古屋市全体での戦略的(計画的)な広報・ブランディングへのシフトが課題となっている。いかに統一感を持った、次世代の「名古屋市」ブランドを確立・認知させていけるか。広報全体のコーディネート役として、コンセプト立案から広報活動・PR戦略の策定、実行までが期待される。

■期待する役割
・名古屋市の広報・情報発信全般に関するPR戦略の策定
・統一感のあるブランディング戦略の推進
・名古屋市各局区室の広報力向上に向けた支援
・各メディアとのメディアリレーション構築

■担当者からのメッセージ
「行政にはない、広報・PR、ブランディングに関する専門的な知識や経験、能力を発揮いただければと考えております。ぜひ、名古屋市の施策、事業など幅広くPRし、ブランドイメージ向上につなげてほしい。全国の方々から注目され続ける名古屋市となるよう共に努力していきましょう。また、人口230万人規模の都市のブランディングを興して、かじ取りをする役は大きな醍醐味があると共にキャリアのプラスになるはずです」(市長室広報課長/山本 勲)

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(2)モビリティ分野等における水素利活用促進

■募集背景
モビリティ分野等における水素利活用促進(環境局・課長級(経済局・課長級を兼務)

名古屋市地球温暖化対策実行計画2030(仮称)が令和5年度末に策定予定されており、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーの普及拡大、省エネルギー化の促進などを積極的に進めようとしている名古屋市。

そのなかでも「水素モビリティ」に関して、先進的な都市を目指し、関係部門と連携。水素の利活用の促進に向けた取り組みが進められている。たとえば、公用車として、燃料電池自動車を市役所や16区役所に計20台を導入。市バスとして、燃料電池バスを1台導入し、運行開始している。

いかにステークホルダーと連携し、燃料電池自動車や水素ステーションを普及させていけるか。水素モビリティに先進的な都市の実現に必要な施策を企画し、事業化できるか。燃料電池自動車や水素ステーションなどの業界の動向等に精通した人材を求めていく。

■期待する役割
・名古屋市の地域特性に応じた水素モビリティ推進施策の企画立案と事業化
・産業界と連携した水素の需要創出・利活用促進
・輸送機器メーカー、エネルギー供給事業者、各種団体、本市関係部署等との連携・調整
・商用燃料電池自動車(トラック、バス、タクシー等)普及に向けた調査・分析
・名古屋市における水素ステーションの適正配置、将来的な需要予測に関する調査・分析

※民間企業等の部長職以上との折衝も想定。課長級職員の募集を行う※配属は、環境局環境企画部脱炭素社会推進課を予定(当課は課長級2名、係長級4名、係員級(担当者)12名が在籍)

■担当者からのメッセージ
「同ポジションは、3年間の任期付き職員としての採用を予定しています。地球規模の課題、脱炭素社会の実現に貢献できることは大きなやり甲斐となるはずです。また、自治体での事業推進の経験、全体の奉仕者である行政職員の視点を身につけられ、将来的にも行政と関わる仕事を行う際に役立つと考えています。ぜひキャリアアップにつなげていただければと思います」(環境局 脱炭素社会推進課長/森 匡司)

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(3)ウォーカブルなまちづくりの推進

■募集背景
居心地が良く歩きたくなるウォーカブルなまちづくりの推進(住宅都市局・部長級)

名古屋市では「居心地よく歩きたくなるまちづくり」をテーマに、新たなまちづくりの取り組みをスタートしている。住宅都市局に置かれていた「都市景観室」を「ウォーカブル・景観推進室」に改め、「ウォーカブル推進係」を設けてウォーカブル施策を強く推進している。現在、全国の多くの都市で取り組まれている「ウォーカブル推進都市」化だが、名古屋市では今年度「(仮称)ウォーカブル戦略」の策定を予定。その推進のための統括的役割を担う部長級職員を今回民間から公募する。特に国内外の先進事例に対する知見や現場での成果・実務の経験を求めているという。

■期待する役割
・官民連携による既存ストックを新たな魅力や価値を生み出す地域資源活用、回遊性向上
・賑わいの場の創出(令和4年から「沿道・界隈活性化の取り組み」を実施)
・エリアリノベーションの促進。有効活用できていない既存建物の低層部等を官民の多様な主体が連携しながら地域の賑わいやコミュニティ活性化に資するようリノベーション。これをエリア内の連鎖につなげていくことでエリア価値の向上を目指す。
・誰にも使われない空地状態の公開空地等の利活用。都心の一等地にあり、誰もが自由に通行・利用できるようにしなければならない公開空地。発想を転換し、賑わいづくりに資する使い方ができるように規制を緩和。「nagoまちスペース」と呼んで活用を促進する取り組みを拡げている。
・地域が主体的に行うまちづくりの推進。地域活動団体等を支援し、持続的かつ発展的なエリアマネジメントを促進。加えて戦略的にウォーカブルな取り組みを進めるための骨太の方針「(仮称)名古屋ウォーカブル戦略」を策定中。

■担当者からのメッセージ
「居心地よく歩きたくなるウォーカブルなまちの実現にむけて、関係者との調整・交渉・折衝から企画、設計、工事に至るまでの幅広い場面で、困難な状況を協力して乗り越えていくことで、思い描く新たな「まち」の姿を共に生み出せると良いと思っています。また、名古屋の各所でご自身の仕事の成果が見え、やりがいを感じていただけるはずです。市民にとって、来街者にとって「いいまちだな」と思ってもらえる醍醐味が感じられると思います。私たち地方公務員ではなかなか殻が破りきれず、考え及ばないようなところに対し、専門的な知見や都市開発のご経験をもとに、豊かな発想で取り組みをリードいただきたいです。今回は部長級職員の募集となりますので、事務作業の多くは部下が担うことになりますが、まずは現在進めている施策における背景、意義、官民の役割等、実務内容について理解を深めていただければと思います。その上での企画立案、内外組織を横断的に調整する場面で統括的役割に期待しています」(ウォーカブル・景観推進室室長/野田 浩)

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