近年、パンのサブスクサービスや冷凍パン、またカフェ・スイーツ専門店と融合したベーカリーなど新たなサービス・業態が誕生している。そこで今回は「パン・ベーカリー」業界でユニークな事業を手掛ける企業に注目。求人とあわせて見ていこう。
2011年、日本の一般家庭におけるパンの消費額がコメを上回った（*1）。以降、支出金額ベースでその差は年々拡大しているというデータも（*2）。そういった中、パン・ベーカリー関連の新サービスが次々と誕生している。たとえば、全国のベーカリーから家庭にパンが届くサブスクサービスや、営業時間内に売り切れなかったパンを預かって販売する「夜のパン屋さん」なども(*3)。
こういったサービスが生まれる背景には、パン・ベーカリー業界の課題もあると言えそうだ。生地の仕込みや発酵など、製造に多くの工程・時間を要するパン・ベーカリー業界では、人手不足や長時間労働が課題に。食品ロスも重要な課題となっている。そういった中、パン・ベーカリー業界の各社はどんな取り組みをしているのか。求人と合わせて見ていこう。
全国のパン屋さんから冷凍パンが届く定期お届け便「パンスク」や、法人企業向けの福利厚生サービス「パンフォーユーオフィス」などを展開。独自のパン冷凍技術とDXによって、「地域のパン屋さん」が抱える課題の解決に取り組んできたスタートアップだ。全国の消費者とベーカリーをつなぐプラットフォームサービスの提供を通じ、パンの販路拡大やフードロスの削減、パン製造工程の効率化などに貢献する。累計調達額は約10億円。現在、新規事業開発担当や、アライアンス営業の募集を行なっている。
ミシュラン5つ星や外資系ホテルをはじめ、全国3500以上のホテルやレストランで採用されるパン「STYLE BREAD」を展開。「STYLE BREAD」は同社独自に開発した高品質な冷凍パン。焼成後に急速冷凍することで、焼きたての新鮮な状態のまま保存を可能にし、廃棄ロス削減にもつなげていく。2023年7月にはシンガポールに子会社「STYLE BREAD ASIA PACIFIC」を設立し、今後アジアを中心に海外進出を仕掛ける。
「パンで日本を豊かに」をコンセプトに、ベーカリーカフェ「R Baker」等の業態でフランチャイズ本部と直営運営を行なう。「R Baker」では米農家と連携し、国産米粉を使用した米粉パンを提供。また大きな特徴と言えるのが、ベーカリーにカフェ・スイーツ等の専門店要素を融合した複合業態だ。それぞれ専門店として成立するレベルに磨き上げた複合業態とすることで、月商2000万円以上、年商2.5億円以上という高い売上を実現可能とするビジネスモデルとなっている(*4)。フランチャイズ事業の展開を通じて、地産地消・雇用創出・地域コミュニティーの創出などを行ない「よりよい地方社会の実現」を目指す。
日本全国に約1000店舗を出店する「コメダ珈琲店」をはじめ、「BAKERY ADEMOK」などを展開。多くの新業態開発から運営まで一貫して手掛け、年間80店舗ペースで新規開店を進めている。今後はさらに海外を含め出店エリアを拡大へ。そういった同社では、ブランド開発担当を募集中。業態企画から商品開発、ブランド開発、オープニング業務などに幅広く携わるポジションだ。
ベーカリー「Heart Bread ANTIQUE」をはじめ、なめらかプリンで有名な「Pastel」などを全国で展開。SNSでも話題となった、ねこ形食パン「ねこねこ食パン」や「マジカルチョコリング」といったヒット商品を持つ。そういった同社では、パンやスイーツの提案営業を募集中。入社後は食品商社やお菓子メーカーなどに対して、自社商品の提案を行なうという。
（*1）家計の食料品支出、パンが初めてコメを逆転｜日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDC02001_T00C12A5EE8000/
（*2）家庭における1世帯当たりの米、パン、めん類の購入量の推移｜農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/attach/pdf/230731-22.pdf
(*3)夜のパン屋さん｜https://yorupan.jp/
(*4) R Baker｜https://r-baker.com/franchise/rbaker.html
