INTERVIEW
経済産業省|2024年度 社会人経験者採用

経済産業省で挑む、国際プロジェクト。前例がないことにも挑戦を――経産省職員に聞く働きがい

掲載日:2024/11/11更新日:2024/11/11
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経済産業省(以下、経産省)での社会人経験者採用にあたり、2023年9月に同省に入省し、通商政策局 アジア大洋州課 係長として働く宮本 絢さんを取材した。じつは前職、徳島県の県庁職員として働いていたという宮本さん。彼女が経産省で見つけたのは、国際プロジェクトでのさまざまな挑戦機会だった――。

「企業の力」を支えていく、国家公務員に

前職、徳島県庁の職員として勤務していた宮本さん。なぜ、経産省への転職を決めたのか。その背景・理由を聞くことができた。

前職の徳島県庁では、まさに経産省のカウンターパートになる商工関係の課で勤務していたこともあり、改めて近しい領域に携わりたいと考えていました。商工政策や企業経営に関連する仕事が好きだったこともありますが、特に県庁勤務時代に地域を動かすのは「企業の力」だと感じていたからです。

前職では国際関連の業務を担うことも多かったのですが、たとえば、留学先から帰国した日本人学生から「外国語を学んだものの、地方だと活かせる場所がほとんどない」という声をもらったことがありました。そのような中、地元の企業がベトナムに支社を出す話があり、ベトナムに関心がある学生がプロジェクトに参画できることになりました。このように「優秀な人材」と「人材を求める企業」が出会える仕組みがあれば、人材活躍の可能性が広がり、地域発展にもつながっていくはず。そういった仕組みづくりを担えるのが、自治体ですし、さらに自治体の取組を広げて日本全国に影響を与えていけるのは「国の仕事」だと考えました。

また、一時期、徳島県庁から消費者庁に出向していたこともあり、それまで無縁だと思っていた「国家公務員」として働くイメージも持つことができました。ちょうどパートナーの転職もあり、東京都内で暮らすことが決まり、「それであれば」とあらためて国家公務員を志すことに。そのなかでも、経験を活かすことができ、やっていきたいことと重なるのは経産省しかない。そう考え、入省を決めました。

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県庁職員時代には国際業務、輸出支援、インバウンド業務なども多く担当したという宮本さん。「入庁初年度から5~6回は海外出張を経験しました。また、徳島県では年に1回、海外の専門家を招いた消費者行政の国際フォーラムを開催しているのですが、その担当としても働くことができましたね。もともと大学の専攻が国際関係ですし、海外出張も好きだったので県庁での仕事も非常に楽しく、充実していました。」

着任3ヶ月で国際プロジェクトにも参加へ

2023年9月に経産省に入省し、現在も通商政策局 アジア大洋州課 係長として働く宮本さん。その業務概要・やりがいについて聞いた。

私が所属している通商政策局 アジア大洋州課は、ASEANと大洋州(豪州・ニュージーランド等)を所管している部署です。省内外、日本の外務省や大使館だけではなく、先方政府・大使館、現地企業、現地へ進出したい企業などをつなぐ役割を担っています。その中でも私が担当しているのはラオス・カンボジア・ミャンマーの3か国です。個人的には、省内の取組を「国・地域」という横軸で見ていく、非常にユニークな部署だと感じています。

特に印象に残っているプロジェクトとしては、2024年9月の日ASEAN経済大臣会合の機会に実施した、水素コーヒー焙煎事業「グリーン・ハイドロジェン・バレー・プロジェクト(Green Hydrogen Valley Project)*」に関するLOI(意向表明書)調印式ですね。

この「水素コーヒー焙煎事業」が広く知られることで、ラオスとしては「グリーン電力を用いた電気分解によって水素を生産していく」という国際的なアピールになりますし、日本企業としても地域市場の成長力を生かした経済連携強化、技術の海外展開などのメリットがあります。新聞などでも紹介され、何よりいつも通勤中に聞いているポッドキャスト番組でもその話題が出て、すごく驚きましたし、うれしかったです。私自身、吉田政務官やラオスのマライトーン大臣にこの調印式に立ち会ってもらえるよう、事前に事業者と綿密に調整し、さまざまな準備をしてから当日を迎えたため、非常に感慨深く、忘れられないプロジェクトとなりました。

*日系企業など9社がラオス南部チャムパサック県で行う水素コーヒー焙煎(ばいせん)事業。同事業はパクセー・ジャパン経済特区にて電気からグリーン水素を生産し、その水素を使用してコーヒーの焙煎を行う事業を指す。2026年7月までに稼働する見通しとなっている。
(参考)https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/09/270e242fad606ee8.html

こういった国際的なプロジェクトをはじめ、総理や大臣の外遊や視察、会談などチームで協力しながら進行し、実現させていくのですが、ここは大きなやりがいになっています。じつは着任した2023年は「日本ASEAN友好交流50周年」という記念の年でもあって。着任からたった3か月でASEAN各国の首脳が東京に集まる大きなイベントがあり、そこに右も左も分からないまま関わることに。とにかく必死な毎日でしたが、上長や同僚にさまざまなことを教えてもらいながら、乗り切ることができ、それも非常に貴重な経験となりました。

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2024年10月に行なわれた『ASEAN首脳会議(サミット)』メイン会場のモニター前にて(画像中央が宮本さん)。「2024年は私が担当しているラオスがASEAN議長国でもあり、9月の日ASEAN経済大臣会合、10月のAZEC首脳会合と続けて出張し、現地で会合の支援も行いました。」と宮本さん。

「前例のないこと」にも果敢に挑戦を

続いて聞けたのが、ミスマッチをしないためにも事前に知っておくべき「厳しさ」について。

経産省は、どんどん新しいことを打ち出し、取組を行うことが「良し」とされる組織であるように私自身は感じています。世界情勢や経済状況などが目まぐるしく変化していくなか、当然、前例のないことにも挑戦していかなければなりません。もちろん過去に似たケースがあれば、それを参照したり、当時の担当者に話を聞いたりすることもできますが、情報収集は大切です。あとはそれをどう最適化し、応用していけるか。答えのない新しい取組を形にしていけるか。そういったことが楽しめる方にとっては非常に刺激的でおもしろいと思います。私も着任3か月で非常に重要な国際プロジェクトに参加させてもらいましたが、そういったことも少なくありません。まずは入ってみて、現場で走りつつ、吸収していく。そういった力が求められる環境なので、やはり「待ちの姿勢」では物事は進んでいきません。一方で、自らアイデアを出し、主体的に進めていけば、それが受け入れられる土壌があります。私自身、ラオス訪問は初でしたが、自分なりに調査や準備を行い、最適なプランを模索していきました。もちろん想定外のことが起こるかもしれないので、あらゆる事態を想定し、回避策、代案を持っておく。そういった柔軟な発想、アイデア、機転などいわゆる「引き出し」は経験者に期待されている部分でもあるのだと思います。

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「所属している通商政策局 アジア大洋州課でいえば、何らかの海外経験を持つ職員が多いのが特徴だと思います。あまり海外経験がない方も、条件があえば、留学制度を活用できますし、海外出向も希望できます。経験者採用者も多く、企業からの出向者も多いので、いろんなバックグラウンドを持つ人がいるのも特徴です。経産省は経験者採用者・出向者の声も大事にしてもらえる文化があり、意見を言いやすいと感じています。」

常に仕事を楽しんでいく。そんな自分でいたい

そして最後に聞けたのが、宮本さんにとっての「仕事」とは――。

私自身、仕事は「楽しんでこそ価値があるもの」だと思っている部分はあると思います。もちろん仕事ですので、楽しいことばかりではなく、大変なこともあります。特にイベント開催などに携わることが多く、想定外の問題も必ずといっていいほど起こるもの。ただ、だからこそ、そういった困難をチームで力を合わせて乗り越えた時はやはり楽しいですし、達成感がありますよね。また、経産省には、経験者採用者はもちろん、企業や地方公共団体からの出向者も多く、多様なバックグラウンドを持つ人たちが集まっています。その多様さを受け入れていく「懐の深さ」も経産省の良いところ。私自身の仕事においても、さまざまな課との接点が増えています。これからもさまざまな仕事を経験し、知見を広げていきたい。そういった中でも経験者採用者として経産省になかった考えや発想、自分なりのアイデア・経験を付加価値としてつけて業務に還元し、これからも楽しみながら働いていけたらと思います。

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