国内トップレベルの教育・研究機関として、長年にわたり日本の学術研究をけん引してきた名古屋大学。理系分野に強みを持ち、これまでにノーベル賞受賞者も6名輩出。名古屋大学の研究成果は、物理・化学・工学・生命科学など多岐にわたり、社会や技術を支える基盤となっている。一方で課題となっているのが、研究を支える資金の継続的な確保。国からの運営費交付金は年々減少しており、研究力の維持・向上を支えるための財政環境は厳しさを増している状況だ。
そこで名古屋大学が目指しているのが、「自ら稼ぐ力」を備えた研究大学への転換。大学自らが安定した財源を確保することで、国際競争力の高い研究体制を構築する狙いだ。また財政基盤の強化は、政府が創設した10兆円規模の「大学ファンド」による多額の資金援助を受けられる「国際卓越研究大学」への選定要件にも含まれる重要な要素。支援対象への選定はさらなる財政基盤・研究体制の盤石化に直結するため、選定のためにも一層「稼ぐ力」の強化が急務となっている。そこで今回、歳入増大を担うファンドレイジング部門の責任者を民間から初公募することになった。
今回募集するのは、名古屋大学で初のポジションとなる「シニアファンドレイザー」。現在2名が所属するファンドレイジング部門の責任者として、寄附促進など歳入拡大のための戦略立案や仕組みづくり、組織マネジメントなどを担うことが期待されている。ファンドレイジング部門は中長期的には90名ほどの規模に拡大させていくことも見据えられており、その礎を築く中核ポジションとなる。未来を変える研究を、財政面から支える。名古屋大学を、「自ら稼げる大学」にする──志ある方からの応募が期待される。