INTERVIEW
日本郵船、キャリア採用スタート

27歳で、保険会社から「日本郵船」へ。陸と船の一丸で海上輸送を支えていく、その誇りを胸に──。

掲載日:2025/10/01更新日:2025/10/01

2026年春の入社に向けたキャリア採用を開始した日本郵船。同募集にあたり、現在、燃料炭ソリューショングループで陸上職事務系として働く今永 拓真さん(29歳/2023年入社)を取材した。もともと大手保険会社で営業、そして商品企画として働いていた彼は、なぜ日本郵船への転職を決めたのか。そこには「陸と船の一丸で海上輸送を支えると共に、脱炭素推進に貢献していきたい」という志があった──。

「船や積荷が動くダイナミズム」に惹かれて

大手保険会社から日本郵船に転職した今永さん。まずは、応募に至った背景から伺うことができた。

前職では、法人向けの保険営業や商品企画に携わっており、仕事としては非常にやりがいを感じていました。一方で、保険は無形サービスであり、それ故のもどかしさも感じていました。極端に言ってしまえば「保険料」という数字で完結する世界。20代後半というタイミングも重なり、手触り感と躍動感が得られる仕事に携わってみたい。そういった思いが強くなり、転職を意識するようになりました。

その際に目を向けたのが「海運業」でした。もともと興味のあった領域なのですが、まさに「現場」が主役となる世界。船や積荷が物理的に存在しますし、自ら手配した船が港に着き、多くの人々の手によって積荷が届けられていく。世界中の港で荷役作業が日々行なわれていく。そういったダイナミックな光景を目の当たりにできる仕事に、強い魅力を感じました。

特に日本郵船は「サステナビリティ経営」や「脱炭素」を重要課題として掲げているリーディングカンパニーでもあります。その責任を果たし、誇りを胸に抱きながら働いていきたい。もともと自然が好きなこともあり、気候変動などの社会課題の解決に、仕事で貢献していきたい。先の「現場の手触り感」と、この「社会貢献」両方が実現できる、まさに理想的な環境だと感じ、日本郵船への入社を決めました。

AMBI_nyk_001

日本郵船の第一印象について「正直なところ、歴史ある会社のため、応募前は伝統を重んじるお堅い社風をイメージしていたのですが、面接でお会いした方々は、みなさんとても柔らかな雰囲気で、良い意味でギャップを感じました」と今永さんは語る。「入社後は、新しい人材を受け入れる懐の深さを実感しています。その背景には、3~4年ごとにジョブローテーションがある事で、日常的に人の動きがある組織文化であることも関係しているのかなと思います。常に新しいメンバーを迎える体制が自然と整っているため、キャリア入社の私もスムーズに溶け込むことができました」

「日本郵船」ブランドを担う責任と誇り

こうして2023年3月に入社した今永さん。現在の担当業務と「やりがい」について話を聞くことができた。

現在「燃料炭ソリューショングループ」に所属をしています。組織としては、顧客である国内電力会社向けに、燃料用の石炭を海外から日本へ輸送することをミッションとしています。その中でも私は陸上職事務系として、顧客との折衝を担当しています。また、石炭に代わる新燃料の検討推進、そして貨物を安全に届けるための運航管理(オペレーション)といった業務も担っています。

特にやりがいを感じるのは、やはり港で現場に触れたときですね。船長や乗組員さんと直接言葉を交わすこともあり、「陸と船が一丸となり、貨物を運んでいく実感」があります。たとえば、いかに安全対策を現場で進めていくか、普段はメール・電話で連携を取るのですが、船長が「君が伝えてくれた通り、しっかりと対策が進められている」とお話ししてくれたことも。実際、船内を案内しながら解説をいただくこともできました。お互い何万キロと離れて仕事をしていても、チームとして価値提供をしていく。そう肌で感じることができ、胸が熱くなったことを今でも覚えています。

「安全への配慮」についてお話しさせていただきましたが、実は入出港をサポートしてくださる各地の船舶代理店の方々からも信頼いただいている部分でもあります。「日本郵船のロゴマークがついた船は、安心感が違う。運航管理が徹底されており、船長の意識も非常に高く不安なく作業ができる」と実際にお声をいただき、とても嬉しかったですね。船は24時間動き続けているため、トラブルが発生した際は昼夜を問わず対応しなければならず大変な側面もあるのですが、この言葉によって、日々の地道な努力が大きな意義を持っているのだと改めて感じることができました。同時に、自分の仕事が日本郵船の信頼とブランドを支えているのだという誇りを感じた瞬間でもありました。

また、入社動機にもつながりますが、気候変動などの社会課題の解決につながる仕事にも携わることができています。たとえば、石炭に代わる燃料として「ブラックペレット」の導入推進にも関わっています。ブラックペレットとは、木材などを原料とする木質ペレットを炭化させたバイオマス燃料で、石炭よりも環境負荷の低い燃料になります。将来的には、温室効果ガスを排出しない次世代燃料への完全移行が理想ですが、それらが普及するにはまだ時間もコストもかかります。そのため、ブラックペレットは、次世代燃料へ移行するまでのブリッジとなる重要な燃料の1つと位置づけられています。まずは既存の石炭に、ブラックペレットを一定割合で混ぜて燃焼させ、石炭の使用料を段階的に減らしていく。そういった形で活用が想定され、脱炭素に微力ながら関われている点も大きな醍醐味となっています。

AMBI_nyk_002

仕事の厳しさとなりうる点について、「国際情勢の影響を直接受けることによるトラブルへの柔軟な対応力」を挙げてくれた。「例えば、パナマ運河の渇水問題では、迂回によるコスト増・遅延か、追加料金を支払っての通航かの判断に迫られました。その費用負担も含め、顧客や国内外のパートナーなど多くの利害関係者との調整に奔走。限られた時間の中で最善策を導き出し、無事船を通航させることができましたが、常にデッドラインとの戦いでした。人によっては、体力的・精神的に大変だと感じる場面もあるかもしれません。逆に言えば、このような複雑な調整や不測の事態を乗り越える過程を“刺激的”と感じられる人に向いている仕事だと思います」

「脱炭素」に関わり、社会に貢献したい

そして、今後の目標について。

まずは、目の前の仕事に全力を尽くしたいです。特に今、石炭輸送に関わるうえでは、これまで以上に「柔軟性」が問われていると感じます。「脱炭素」の流れを受け、石炭火力発電は、常に稼働して電力供給の基盤を担う「ベースロード電源」から、電力需要に応じて稼働を調整する「ミドル電源」へと役割を変えつつあります。これにより、石炭の必要量の予測が非常に難しくなってきています。

石炭需要が減る傾向にある一方で、再生可能エネルギーの供給はまだ不安定です。顧客は石炭火力発電の不確実性と向き合いながら、日々の電力需要を支えるために燃料調達に取り組まれています。石炭輸送を担う船会社として、安全・安定な輸送力を維持しつつ、柔軟性へのニーズに応える方法を模索することで、顧客に寄り添ってエネルギーインフラを支える一助となりたいです。

そして、将来的には、もともと関心の強い「脱炭素」や「サステナビリティ」などの新しい事業領域に挑戦し、社会に貢献していきたいです。

私は仕事を、「自己実現と社会貢献を両立させるための手段」と捉えています。昔から、自分のためだけだと、すぐに諦められてしまうのですが、「誰かのため」や「社会のため」のように自分の外にモチベーションがあると力を発揮できるタイプなんですよね。

特に、私の強い原動力となっているのは、「大好きな自然を後世にも残したい」という思いです。日本郵船では「海、地球、人への恩返し」という理念を掲げていますが、私がしたいことも、まさにこの「自然への恩返し」に他なりません。この大きな目標を実現するためにも、日々の業務を通じて自分のできることを増やし、1つひとつの課題をクリアしながら成長していきたいですね。

AMBI_nyk_005
この記事が掲載されている特集はこちら
最近ご覧になった求人に基づいたおすすめの求人
若手ハイキャリアのスカウト転職