掲載日:2025/11/04更新日:2025/11/04
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2025年7月、三菱商事グループの3社が統合して誕生した「エムシーディースリー株式会社(以下MCD3)※」。各社のAIモデル、デジタルプロダクト、事業デザインの強みを結集させることで、社会が直面する「急速な労働人口の減少」「生産性向上」の課題に挑む。組織拡大に向けた採用強化に際し、同社で建設業界向けのクラウドサービスの導入支援を行なう藤原宏充さん(2023年入社)にお話を伺った。彼のストーリーから、MCD3でこそ実現できる提供価値、得られる経験についてみていこう。
エムシーディースリー株式会社…建設業界向けに20年以上にわたりクラウドサービスを提供し、そのビジネスインパクトの大きさから“隠れユニコーン”とも評されたMCデータプラス社、AIやデータサイエンスに専門性を持つエムシーデジタル社、ビジネスモデル構築やサービスデザインを得意とするインダストリー・ワン社。これらの3社で磨き上げてきた強みを結集させ、AIデジタル技術を活用した事業構造からサービス提供まで一気通貫で提供できる体制に。
膨大なデータが持つ可能性に、心を掴まれた
2023年にMCD3の前身となる企業に入社した藤原さん。その入社の経緯とは?
正直なところ、アンビでスカウトメールを受け取るまで社名は認識していませんでした。ただ、調べてみると、建設業界では20年以上に渡ってサービスを提供しており、現在では277万人以上の作業員の方の情報(※)が蓄積されているなど、まさに“業界のスタンダード”とも呼べるようなクラウドサービスを提供している会社だと知りました。
※2024年時点で作業員の方にあたる建設技能者数は303万人とされている。(総務省「労働力調査」より)
採用では前職の業界は一切問われないのですが、私自身は偶然にも前職も建設業界に関わっていたため、そのサービス名は何度も耳にしていました。だからこそ「あのサービスの運営会社はこの会社だったのか」という発見と、「これほど影響力のあるサービスを、当時まだ80名ほどの組織で動かしているのか」という事実に、大きな驚きと興味を惹かれました。
そして、当社サービスに蓄積されている膨大なデータの中には建設会社にとって非常に重要となるデータも数多く含まれています。それらのデータを活用すれば、これまで誰も解決できなかった課題にアプローチできるかもしれない。まだ手つかずだった課題の解決に、自分も貢献できるかもしれない。そう考えたとき、純粋に「これは面白そうだ」と感じました。
また、当時はちょうど、前職で培ったカスタマーサクセスとしての経験が他社でどれだけ通用するのか試したいと思っていたタイミングでした。この会社なら挑戦できると感じ、入社を決意しました。
藤原宏充
2015年、新卒で地方銀行に入行。2020年に建設系スタートアップ企業に入社。カスタマーサクセス、マーケティングに従事。2023年3月にMCD3の前身企業であるMCデータプラスに入社。現在、建設クラウド事業本部 ビジネス推進部 カスタマーサクセスグループにて、グループマネージャーとして導入コンサルティングを牽引する。
建設業界全体にインパクトを
藤原さんから見た、MCD3での仕事のやりがいとは。
業界全体にインパクトを与えられる、その大きな意義を実感できる点が、一番のやりがいだと思います。
私は大手ゼネコンのお客様を担当していますが、ある支社にサービスを導入いただくだけで、その影響は計り知れません。というのも、建設業界は、一つの工事に多くの会社が関わる構造になっています。そのため、業界のトップに立つゼネコンが私たちのサービスを活用すれば、ゼネコン、いわゆる元請会社社員のみに留まらず、実際に工事を進める協力会社の方々の業務効率化など、ひいては業界全体の働き方を大きく変える可能性を秘めているんです。
また、直近の3社合併により、クラウドサービス、AI、コンサルティングという異なる専門性を持つ組織が一つになったことで、すでに大きなシナジーが生まれています。
たとえば、私たちが持つ膨大な一次データと、AIと掛け合わせれば、まだ誰も解決できていない業界の課題に挑む新しいサービスがつくれるかもしれません。実際、AI活用に興味を持つお客様は多く、先日もAIの専門家に商談へ同席してもらいました。他にも、これまでリソース不足で停滞しがちだった案件が、課題整理の段階からコンサルの専門家が加わることで、着実に前進し始めています。
互いの強みを活かすことで、活躍の幅も広がっていくはず。非常に大きな可能性を感じています。
藤原さんの転職前後での働きがいの変化を示すグラフ。成長実感ややりがいの高まりについて、大手ゼネコンへのサービス導入支援の事例をもとに伺えた。「導入支援の型はあるのですが、ときにそれだけでは太刀打ちできないケースもあるので、かなり現場に深く入り込んだ提案をしていきます。あるゼネコンのプロジェクトでは1ヶ月間ほぼ毎日お客様先に通い、あらゆる職種の方にヒアリングし、どこを当社のサービスで効率化できるか洗い出していきました。飲みに行けるくらいの関係性を築きつつ、誰にどう伝えれば物事が円滑に進むのかといったことも把握していきました。もはやクライアントの一員のような目線で業務フローを構築し、導入後の運用体制まで提案をした結果、非常にお褒めの言葉をいただけた時は嬉しかったですね。大手企業への提案は、関係者も多くなる分、立ち回りのスキルなども格段に高まったと実感しています」
導入コンサルタントとして活躍するうえで大切だと思う資質については「謙虚さが大事」と藤原さん。「お客様の業務を変革していくといっても、いきなり提案するようなことはしないようにしています。現場のことに関しては、圧倒的にお客様のほうが詳しいですし、長い歴史の中で様々な方の想いなどがあって今の形になっているはずなんですよね。だから、まずはとにかく傾聴し受け止めます。ある程度、関係性が築けてきて信用いただけるようになったタイミングで、『こうしてみるのはどうですか?』と提案をしていく。必ずしも、正論や合理的な提案が通用するわけではない。人間力も鍛えられる環境だなと思っています」
現場で汗をかく人の力になりたい
そして、今後の目標について。
まずは、導入コンサルタントとして目の前のお客様にしっかりと向き合っていく。そして将来的には、サービスのコンセプトから実際にお客様に活用いただくまで全てに責任を持ち、事業を牽引する「サービスオーナー」というポジションに挑戦したいです。
実は、私の実家は田舎で小さな建設会社を営んでおり、物心ついた頃から「自分で事業をつくる人になりたい」という思いがありました。そのため、いつか家業を継ぐ可能性も視野に入れながら、キャリアを選択してきました。
新卒では、「中小企業を資金面から支援したい」と考え地方銀行へ。その後は、事業が大きくなる過程を当事者として経験するため、当時20名規模の建設系スタートアップに飛び込みました。そして3社目の現在は、大企業の基盤を持つ環境です。ここでしか得られない、大きな組織でプロダクトを動かす経験を積んでいます。
まだ将来の具体的なことは決まっていませんが、いざという時がきたときのために、必要な力を磨くための修行をしている感覚に近いかもしれません。
最後に、藤原さんの仕事にかける想いについて伺った。
これは私個人の感情ですが、建設業を営む両親に育てられたからこそ、両親の仕事が続いてほしいと心から願っています。自らの意志で事業を畳むのならまだしも、「人手不足」が理由で廃業せざるを得なくなるとしたら、あまりにも悲しいなと。
それを解決する手段は大きく2つ。人を集めるか、既存業務を少ない人数で回せるようにするか、です。前職では、工事会社と現場技能者のマッチングを通して前者に挑んだので、今は後者、つまり「生産性の向上」というアプローチで貢献したい。まずは両親の仕事のために。そして、同じ課題を抱える建設業界全体のために。その思いで、日々取り組んでいます。
そもそも建設業は、私たちの生活に欠かせないインフラを支える大切な仕事です。この業界が立ち行かなければ、今の便利な暮らしは成り立ちません。だからこそ、現場で汗を流して社会を支える人たちの力になりたい。
現場の方々は一見すると、職人気質で少し近寄りがたく見えるかもしれません。でも実際に話してみると、本当に温かい人ばかりなんです。そういった人々に触れるたび、「この人たちがより良く働ける世の中にしたい」と強く思うんです。その想いを胸に、これからも自分の仕事と向き合っていきます。