ギフトECサイト『TANP』を運営するGracia社は、2020年、スタートアップのなかで注目株となりそうだ。2019年8月にはシリーズBラウンドで5億円を調達。売上の年次成長率は約4倍という数字を叩き出した。2020年1月にはiOSアプリをリリース。わずか3名だったメンバーは2年で約80名へ。ここから組織構築・採用のアクセルを全力で踏むーー。
ギフトECサイト『TANP』を運営するスタートアップ『Gracia』。
彼らが目指すのは「ギフト体験に特化したプラットフォーマー」だ。業界トップの揺るぎないポジションを狙う。
挑んでいるのは、「ギフトEC」という市場そのものを創出していくチャレンジ。サービスの特徴、彼らの強みについて、より詳しく見ていこう。
ユーザー獲得を加速させている『TANP』だが、支持されるには理由がある。
大きくは「スマホで完結するギフト体験」を生み出し、アップデートをしたことだ。
ギフトを選定するためのコンシェルジュサービスをはじめ、ラッピング、名入れ、メッセージカード、生花の同梱などの豊富なオプションの選択まで、全てをスマホ1台で完結できる。
これまで、ギフトの名入れなどに対応する国内ECサイトはほとんどなく、リアル店舗で注文しても数日はかかるといった状況だった。Gracia ではそれを「最短翌日」にはお客様の手元に届けることができる独自のロジスティクスを構築している。
たとえば、明日の記念日に間に合わせたい、できれば大切な人の名前を入れた特別なギフトにしたいなど、「ギフトで想いを届けたい」と願うあらゆる人に寄り添う。
2019年より特に顕著なのが、プロモーションの強化だ。20代から支持されるユーチューバーやライターなどのインフルエンサーによるプロモーションを皮切りに、2020年1月14日からはTVCM(*)を投下。ネット世代から年配層まで、幅広い世代へのリーチを狙う。
2020年1月現在、マーチャンダイザー(MD)、営業、リピートマーケター、人事、カスタマーサクセス、UI・UXデザイナー、Webエンジニア、SEOマネージャーなどの募集があった。
今回は、なかでも採用を注力しているという、「マーチャンダイザー(MD)」「営業」「リピートマーケター」について見ていく。
■マーチャンダイザー(MD)
EC業界やギフト市場の動向、顧客の売買状況などを分析し、注力箇所にあたりをつけて商品を仕入れる。現状月500商品ペースで公開しているが、今後さらにスピードを高めていきたいという。
■営業
マーケターと連携しつつ新たなメーカーに対してアプローチをしていく。COOの中内氏によれば、サイト内に多くの有名ブランドがある状態にすることで、他の人気ブランドも安心して参入してもらえることもあるという。
■リピートマーケター
既存ユーザーの平均利用回数を増やすことがミッションだ。顧客のロイヤリティを高めるために、ユーザーの行動分析やユーザーインタビューを行なう。
元々はメンバーの多くが20代前半の若いチームであったが、2019年より中途採用を進めており20代後半から30代、40代のメンバーの参画も増えている。全従業員で80名程度が在籍する。
いずれの職種も、まだまだ発展途上。組織の立ち上げ、リーダーなどのポジションに就くチャンスも多いはずだ。また、ギフトを扱うサービスの特性上、サイトの機能面だけでなく「かわいい」「キレイ」といったブランドとしての世界観も大切になる。そういう意味で、CXの知見も得られそうだ。
現在働いている中途入社者の前職は、ホテル業界、百貨店、化粧品メーカーなど、様々。一見、バックグラウンドもバラバラな彼ら彼女らだが、「主体的かつロジカルに考え、プロとしてやりぬく」という点は共通しているという。
Graciaには、ギフトECという市場をイチからつくる面白さがあるだろう。スタートアップで挑戦してみたい、その中でも特にECに興味があるという方にとっては、エキサイティングな環境と言えるのではないだろうか。