ベンチャー2社の立ち上げメンバーを経て、株式会社カカクコム(以下:カカクコム)に2017年に入社した中村さん(31)。現在は、月間で約6,400万人*が利用する『価格.com』の広告営業/チームリーダーとして活躍する。学生時代のインターンから、ネットビジネスの世界でのキャリアを歩んできた中村さん。なぜ、30代目前のタイミングでカカクコムへの入社を決めたのか。決め手となったのは「膨大なトラフィックデータや独自コンテンツを活用した企画の自由度の高さと幅の広さ」だった。(*2021年6月時点)
『価格.com』『食べログ』『求人ボックス』『キナリノ』など、各サービスで国内屈指のアクセス規模となっているカカクコム(東証一部)。
インターネット黎明期に創業。「ユーザー本位の価値あるサービスを創出しつづける」を掲げ、「こんなサービスがあったら便利だろう」という素朴なアイデアから「なくてはならない」Webサービスを創出してきた、業界のリーディングカンパニーだ。
コロナ禍の影響を受けつつも、2021年3月期の売上高は約510億円、営業利益で約182億円を計上。2022年3月期は増収増益を見込む。
巣ごもり需要・オンラインショッピングの広まりを受け、とくに好調なのが月間で約6,400万人が利用する『価格.com』。今回お話を伺ったのは、『価格.com』の広告営業/チームリーダーとして働く中村さん(31)。
学生時代からネットビジネスの世界でキャリアを築いてきた中村さん。ベンチャー2社の創業・立ち上げに参画した経歴を持つ。なぜ、当時27歳というタイミングでカカクコムへの入社を決めたのか。彼の転職ストーリーを追った。
中村さん(31)
もともとの「インターネット好き」が高じ、学生時代からWeb系ベンチャーでキャリアを歩んできた中村さん。30代を目前とする27歳で入社を決めたのがカカクコムだった。
そこには「大規模サイトに携わってみたい」という思いがあった。
「まず前提としてインターネットやネットビジネスがもともと好きで。これからも携わっていく上で経験の幅を広げたい、といった思いがありました。その観点で見たとき、『価格.com』をはじめ、カカクコムが持つサービスは、膨大なトラフィックデータや独自コンテンツを活用した企画の幅広さがある。社内外を巻き込んで、より大きな予算を動かせるのではないかと考えました」
ベンチャー2社では開発ディレクション、CS、マーケティング、セールスなど「何でもやる」を経験してきた。なぜ「営業職」としてカカクコムに入社したのか。
「とくに楽しさを感じたのが、顧客と接点を持ち、課題を解決していく企画の提案でした。営業は数字にも直結しますし、大きい数字、予算が扱える。ビジネスを大きく左右できるのが営業だと思いました」
正直、どういった職種で働いていくか、迷った部分もあったという。そんな時、尊敬する人物からの後押しがあった。
「尊敬しているプログラマの叔父がいるのですが、相談したところ、“ 参考になるかわからないが、迷った時、私自身は選択肢が増えるほうを選んでいる ”と。この言葉がすごく参考になりました。営業であれば、取れる選択の幅が広いですよね。顧客の課題に応じ、マーケティング、企画と、幅広くカタチにしていける。会社やプロジェクトを大きく動かしていける。そう思い、改めて営業として働くことに決めました」
規模の大きな組織で働くことについて「それぞれの領域にプロフェッショナルがおり、役割分担できるのも大規模サイトならでは」と中村さん。「自分の強みを活かし、そこに集中して働けるのも良いところだと思います。私であればお客様と話すことが好きで、大きい予算を動かしたい。それに伴うサイトの開発、運用面は信頼する仲間に頼ることができます」
こうしてカカクコムに入社した中村さん。ナショナルクライアントをメインに『価格.com』の広告営業を担当してきた。その仕事のやりがいとは。
「媒体資料・広告メニューはベースにありますが、顧客の課題、戦略に応じて、かなり自由度が高い企画提案ができます。ここはかなり大きなやりがいだと思います」
その「高い自由度の企画」は、代理店やプラットフォーム側では、なかなかカタチにしづらい部分でもあるという。
「『価格.com』でいえば、たとえば、芸能人をアサインしたタイアップ広告を企画してもいいですし、Google、Instagram、Facebook、SmartNewsなどデジタル広告と組み合わせて提案してもいい。クライアントの商品をPRした先も、どこで購入してもらってもいい。自社ECで販売したい企業様もいれば、Amazon、楽天、Yahoo!などで販売したい企業様もいる。ユーザーアンケートからオフラインの購入につながっているケースもあります。戦略に応じた提案に落とし込んでいくことができます」
いわば、テレビCM・YouTubeなどの「認知」と、いたるところにある「購入」の中継地点を担うのが『価格.com』、他に類を見ないポジションを築いている。
ベースとなる媒体資料・広告メニュー。ナショナルクライアントをメインとする「タイアップ広告」の価格は250万円~。広告メニューを組み合わせることで、1000万円以上の受注となることも。「売上につながる企画であれば、自由度が高く、社内外を巻き込んで実現していけます」と中村さん。
こうして蓄積されるユーザーデータも強みのひとつに。エンドユーザーの興味関心、購買までのストーリーから広告商品の企画を組み立ていける。
「たとえば、どのメーカーの商品と比較検討されているか。どういった商品に興味がある人が自社の商品を見てくれているか、そういったデータも活用いただけます。たとえば『価格.com』内で「掃除機」を閲覧したユーザーに、Google、Instagram、Facebook、SmartNewsなどのデジタル広告を配信することも。ユニークな例として「住宅購入・リフォームに関連した火災保険を見たユーザー」に、「エアコンの新商品をPRする」といったことも可能です」
こうして『価格.com』を活用したマーケティングに、主要メーカーがしのぎを削っていく。他社の取り組み、事例を伝えていけるのもユニークなポイントだ。
「他社だとこんな取り組みをしていますよ、とお客様に直接お伝えできます。何よりもアポイントがいただきやすく、「企画」に注力ができます。ベンチャー時代に営業ですごく苦労したので、その強さは身にしみて感じていますね(笑)」
「何かを買う」と常にセットで使われる『価格.com』。
あらゆる業界の主要プレイヤーが顧客となる。
ただ、当然、これまで全てが全てうまくいったわけではない。大規模サイト、ナショナルクライアントを担当するなかでぶつかってきた壁もある。
「大企業への提案は、それまでほとんど経験がありませんでした。ステークホルダーも多く、交渉が思うように進まないこともあって、企画、費用対効果、広告の価値に対し、シビアな評価をいただくこともあります。そういったなかで期待以上の成果を出さなければならないプレッシャーは当然あります。ただ、それだけ高いレベルの仕事が求められ、世の中に対して与えるインパクトも大きい。そこに挑戦しつづけられるのは、まさに求めていた環境だと思います」
そして最後に伺えたのが、中村さん自身の仕事観について。
「私が大切だと思うのは、「飽きずに楽しく仕事がしつづけられるか」というところ。『価格.com』でいえば、本当に飽きることがないですね。どんどん新商品が世の中に出てきて、提案先も増えていて。既存のお客様にしても、市場がすごいスピードで変わっているので毎回提案内容も違います。そこに合わせて私自身の視点や意識も変えていける。まだまだ、そういった「楽しさ」を追求していければいいなと思っています」