企業・商品に抱くイメージを決定づける「ブランド」。企業の価値向上や競合との差別化にとっても重要な要素といえる。そして経営視点からブランド戦略を考え、実行していくのがここ最近注目されている「ブランドマネージャー」という仕事。どういった役割を担うのか。キャリアステップと共に見ていこう。
ブランドイメージは、消費行動を左右する重要な要素と言われている。たとえば、異なるメーカーの「同じ性能」「同じ価格」の商品が目の前にあった時。より知名度が高く、高性能だと評判のブランドのほうが選びたくなるはずだ。
こういった、ブランドの戦略を担っていくのが「ブランドマネージャー」という仕事。ブランドの世界観を醸成し、かつ消費者がブランドに抱くイメージをプラスにするための一貫性ある戦略を考え、実施していく。
ポイントとなるのが、経営視点から俯瞰し、成長戦略を練っていくということ。また、チームを指揮してマーケティング活動を行なっていく。経営層とのやりとり、社内外さまざまな関係各所との連携が欠かせない。欧米企業より発足した役職であり、近年では日本でも大手上場企業などをはじめ、明確なポジションとして設けるケースが出てきている。
企業のマーケティング戦略において注目が集まっているブランドマネージャー。傾向としては、多岐にわたるマーケティング領域を担った上で任されることが多いポジション。そのため年収ゾーンでみても「600万円~1000万円程度」と全体的に高いのが特徴だ。
業務内容としては、市場調査や競合分析、ブランドのコンセプト立案、プロモーション施策の立案などが主となる。他部署や代理店との連携も必要となるため、ディレクション能力も期待される。
また、外資系企業における求人募集も多い。海外出張や駐在を通じて、海外企業・スタッフとの調整・折衝を求められることも少なくない。求人には「日常的な英会話スキル」と記載されているケースも多いが、業務において英語を活用して場合には、その詳細を記載の上で選考に臨むことで、選択肢はより広がってくるはずだ。
ブランドマネージャー募集において、企業側は経験者を求めてるケースが多い。ただ、重要なのは「職種名」ではなく、本質的に「何ができるか」ということ。職種経験不問で募集している求人もある。
たとえば、「市場調査」「競合分析」「商品企画」「マーケティングキャンペーンの企画・コンセプトの立案」「プロモーションプランの策定・実行」「新規販路拡大に向けた営業戦略立案」などの業務を経験したことがあれば、そこで培ってきた能力はアピールポイントになるはずだ。
いずれにしても企業ごとに任される領域や仕事は微妙に異なってくる。重要なのは、自身がどのように業績貢献ができるか。まずは応募前の「興味あり」によって「合格可能性」を受け取り、面談を通じて自身が発揮できる価値を棚卸ししてみることをおすすめしたい。