INTERVIEW
ラピュタロボティクス

累計106億円調達。ロボット制御プラットフォーム「ラピュタロボティクス」が目指す、人が創造的に働く未来

累計調達額約106億円、ラピュタロボティクスが事業拡大のアクセルを踏む。彼らが提供しているのが、倉庫での商品ピッキング(オーダーを受けた商品を倉庫の棚から取る)アシストロボットをはじめ、多様な機器やロボットを柔軟に制御・連携させるソフトウェアプラットフォームだ。「3K(きつい・汚い・危険な)作業を自動化し、人間が創造的に働ける選択肢を増やしたい」こう語ってくれたのが、代表取締役 CEO モーハナラージャ・ガジャンさん。彼らがロボティクス・プラットフォーム開発によって描く未来とは――。

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累計調達額100億円以上、チューリッヒ工科大学発のベンチャー企業

「ロボットを便利で身近に/Making robotics attainable and useful for anyone」

このビジョンを掲げ、事業拡大フェーズを迎えているラピュタロボティクス。

「きつい・汚い・危険な作業をロボットによって自動化し、人がもっとクリエイティブな仕事をしていく。そういった選択肢を増やしたい」

こう語ってくれたのが、代表取締役 CEO ガジャンさん。もともと、アインシュタインを輩出したことで知られるチューリッヒ工科大学にて「ロボット向けインターネット」技術を研究。そこからスピンオフする形で生まれたのが、ラピュタロボティクスだ。

申請特許数は67件。累計調達額は約106億円。従業員数は160名規模へ。そして2022年、事業拡大と採用強化のアクセルを踏む。彼らが「次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム開発」によって描く未来とは――。

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代表取締役CEO モーハナラージャ ガジャン
ロボット向けインターネットの先駆けとなった、EU出資の大規模プロジェクト「RoboEarth」にて、Rapyutaを構想・開発。2013年にCubliプロジェクトを主導し、YouTubeで1000万回以上の再生回数を記録(下記参照)。2014年スイス連邦工科大学チューリッヒ校にて博士号を取得、東京工業大学にて学士・修士号(工学)を取得、久留米高等工業専門学校卒。日本語ペラペラ。

メーカー・機種を超えた「ロボット同士のコラボレーション」を

はじめにガジャンさんに伺えたのが、ラピュタロボティクスのソリューションについて。彼らが提供している「クラウドロボティクス・プラットフォーム*」とは一体どういったものか。

*rapyuta.io…複数台のロボット及び複数種類のロボットを賢く協調制御することを得意とする、ロボティクスプラットフォーム。世界でも最先端の制御技術及び人工知能技術が活用されている。

「ロボットにはいろんな種類があり、行える作業も違います。ただ、それらを制御するために共通するソフトウェア基盤がないと、個別単体の作業しか効率化できない。それだとせっかくの有用なロボットも実際の現場では、非効率になってしまうことがあります。私たちはそれらを制御し、カスタマイズして柔軟性の高いさまざまなシステムが作れるようなプラットフォームを提供しています。これまで主流だったハードウェアフォーカスではなく、ソフトウェアフォーカスのロボット会社としてポジションを築いています」

いわば、メーカー・機種に関わらず「ロボット同士のコラボレーションを可能にする基盤」と考えればわかりやすいだろう。その導入メリットについてこう解説する。

「まずロボット同士を柔軟に組み合わせられるソフトウェアプラットフォームがあれば、各ロボット開発者が、ソリューションを形にするまでの時間、コストが大幅に短縮できます。また、それらを現場の人たちが簡単に設計したり、データをもとに分析、オペレーションが組めるようになります。ここが最大の特徴だと思います」

なぜ、様々な機器・ロボットの制御が可能なのか。そこにはアカデミア発の強みがある。

「もともと「ロボット向けインターネット」をつくる、チューリッヒ工科大学での「RoboEarth」というプロジェクトから生まれた会社でもあります。いろいろなロボットを繋ぐと、どんな世界が生まれるのか。例えば、ロボットは、スマートフォン等と比べてもそもそもの種類が多く、規格や仕様も様々。メーカー各社が作ったハードウェアとソフトウェアの相性もあります。そのような差異をある程度抽象化*するために中間レイヤーを作り、どのロボットでもソフトウェアが走るようにしていくことが求められます。さらにそれぞれのロボットを同じ目的に向けて作業させるために、協調させることは技術的に非常に高度なチャレンジです。ここは長年コアメンバー中心に研究をやってきたからこそ実現できる部分だと思います」

*抽象化 = 制御対象とするハードウェアの差異を吸収して、制御しやすくするプログラム。

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「現状、まだまだロボットによる自動化は普及していない現状があります」とガジャンさん。その理由としては柔軟性の欠如と高いコストが挙げられる。「人は何百万年と進化してきて、さまざまな作業ができる柔軟性があります。そこを置き換えるためには、ロボットも柔軟性を持たないと自動化は難しい。これまでロボットにおけるアプローチは、機械的な要素が多く、ソフトウェアに比べて柔軟性に欠けるものでした。さらにコストが掛かるので大手を中心に、お金とオペレーションするノウハウがない限りはロボットが使えない状態でした。これはパソコンが生まれたばかりの黎明期に似ていて。そこからソフトウェアを使うことで柔軟性と値段を下げ、ハードウェアが普及していきました。ロボットでも同じことが起こっていくと考えています」

自社開発した「ピッキングアシストロボット」提供の狙い

そしてもう1つ、彼らは自社独自に開発したピッキングアシストロボット(倉庫における商品ピックアップ作業のアシストロボット)の提供も行っている。その狙いとは。

「スタートアップが、いきなりプラットフォームだけを販売してもすぐには使ってもらえません。解決する課題もユーザーにより大きく遠いますし、プラットフォームは「提供する人」と「使う人」の両側のセグメントが充実しないと成り立ちません。そこでまずは自分たちでもピッキングアシストロボットを開発し「使う人」を増やすためのアプローチを取っています」

こうしたロボット導入にあたり、倉庫が抱える課題のヒアリング、解決のための提案、運用支援などのコンサルティングも求められる。

「現在は倉庫物流に向けた最適化を進めているフェーズにあります。また、倉庫物流に限らず、工場のお客様、建設のお客様との実証実験も動き始めているところ。最近は、プロフェッショナルサービスロボットというテーマでも注目いただいています」

現状、ピッキングアシストロボット導入とソリューションにおける売上が大半を占めているという。既に100台以上が実際の倉庫で実稼働しており、2022年には1000台近く販売していきたいと語る。

「決まれば、1つの倉庫に基本的に数十台規模での導入いただけるのが特徴だと思います。さらに新しい分野でもあるので、お客様も情報を求めていることが多い。共通しているのは、どこも人手不足であるということ。5年先、10年先というスパンで、どんどん大変になっていく未来が見えているわけです。今やっておかないといけない危機感もあり、多くの方に求められているソリューションだと感じています」

プラットフォーマーを目指しつつ、自社製品を開発し、導入を進めていく。他社のロボットメーカーなどから反発はないのだろうか。

「反発はほとんどなく、これは私の意見ですが、むしろプラットフォーム導入につながれば各社のロボット導入が増えることに繋がり、お客様が増えていくという期待のほうが大きいように思います。例えば、製造業界でもロボット使用率はわずか3%程度。いわゆるブルーオーシャンなので今まさに市場が生まれているところ。お客様の問題点を解決するためにやれることがたくさんあり、ソリューションがバッティングすることがほとんどありません。ただ、最終的にプラットフォーマーを目指す以上、いずれ同じソリューションが市場に出てきた時、できるだけフェアな関係、中立な立場でのプラットフォームのあり方を模索することはとても大切だと考えています」

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ラピュタロボティクスが提供するピッキングアシストロボット『ラピュタPA-AMR』。AIの自動ガイドによる生産性の向上、易しい操作性による作業者の負担軽減、スムーズな走行による歩行距離の削減、稼働データ可視化によるオペレーション課題の把握などで、ピッキング現場の多様な課題を解決する。「たとえば、ピッキング作業の人員を半分にしたいのか、人員はそのままの人数を残し、出荷量を2倍にしたいのか。ここによってソリューションは変わってきます。お客様のニーズに寄り添い、どういったアウトカムを提供できるか。そこにフォーカスすることが重要だと考えています」とガジャンさん。

人間に、もっとクリエイティブな仕事を

そして取材後半に伺えたのが、彼自身の「志」について。なぜ、倉庫におけるピッキングをはじめ、自動化を行っていくのか。

「きつい・汚い・危険、いわゆる3Kといわれる作業をロボットで自動化できれば、人はもっとクリエイティブなことができ、仕事が楽しくなり、やりがいも感じられるはず。私はそこにフォーカスしたいと思っています。毎日新しいことに挑戦できたり、発見があれば、ワクワク感もあるし、ハッピーになるはず。もちろん全ての仕事をロボットができるわけではないので、バランスを取って人がもっと楽しく働けるようにしたいですね」

ピッキングロボット導入はまさにその一歩になっているという。

「それまで、商品のピックアップ作業をメインとする「ピッカー」と呼ばれるスタッフの方が、ピッキングロボットを導入したことでロボットオペレーターとしてレベルアップしているケースもあります。どうすればロボットを使って効率化できるか。どういう動線でロボットを動かすか。データを見て改善を繰り返していく。アイデアや工夫するための時間が生まれていく。これは、楽しくロボットと一緒に働き、やりがいのある仕事のための第一歩。他にも学びを活かしていろんなところにノウハウを使えれば、その方のキャリアにも繋がっていく可能性もあると考えています」

同時に、まだその一歩を踏み出したに過ぎないとガジャンさんは語る。

「私たちが掲げる「ロボットを便利で身近に」というビジョンの達成に対し、本当にまだまだ初期段階。日本で最も自動化が進んでいる製造現場でも、100人に対して6台しかロボットは導入されていないと言われています。物流現場でいえば、さらに低い数字に。私たちだけじゃなく、ロボット業界全体がまだスタート地点。世界にあるあらゆる仕事の半分くらいが力仕事と考えると、それらはいずれロボットに置き換わっていく。そこには巨大なマーケットがあります。当然、労働力不足も深刻な社会課題に。もちろん、コストの問題もあり、ロボットによる自動化は一気には進まないですが、普及していくことは確実です。山登りでいえば、まだまだ麓。これから入っていただく方と共にぜひ一緒に山の頂上を目指していければと思います」

▼ガジャンさんに聞く採用のポイントと注力職種

エンジニアはもちろん、ビジネスサイドも含めて採用を強化しています。どの職種においても大切だと考えているのが、自分の価値観と、会社がやろうとしてるものが共振していること。ロボットによって人の生活を変えていくことに対し、心からワクワクできることか。自分自身が本当にワクワクしていますか?というのは、大切な問いだと思います。その他、ビジネスサイドは、エンパシー=共感力も大事だと思います。自分が売ろうとすることより、お客様の問題点からスタートすることが私たちのビジネスではすごく大事になります。

とくに【フィールドセールス】【パートナーセールス】【パートナーサクセス】などの職種の採用に注力しています。

・【フィールドセールス】
現場視察やお客様との対話を通じて、お客様のニーズとそれに見合ったソリューションを考え抜くこと。柔軟性の高いシステムを提供しているので、コンサルティングを行いながら1社1社の課題にあったソリューションを提供できるのが特徴です。例えば、ピッキングアシストロボット導入からスタートし、そこからの横展開や連携のご提案ができます。現在、R&Dの部分でその他のピッキングアシストロボット以外のソリューション実証実験を進めており、そういった未来を見据えた提案も働きがいになるはずです。ロボットのソリューション営業自体が日本でも数少ないので、新しいソリューション提供と社会変革に最前線で取り組めることが魅力です。

・【パートナーセールス】
物流業界の人手不足を解消するためのソリューション、ピッキングアシストロボットは、現在国内マーケットシェアNo.1。今後のさらなる売上拡大を目指し、販売代理店となるパートナーの開拓とチーム及びベンダーマネージメントをお任せします。まだ立ち上げたばかりのチームなので、販売手法なども含めて一緒に考える面白さを味わえるポジションです。

・【パートナーサクセス】
ピッキングアシストロボットの今後のさらなる売上拡大を目指し、販売代理店への情報及びトレーニングの提供や顧客への共同提案をお任せします。既存の販売代理店とのパートナーシップ戦略をゼロから構築し、リードしていくことができるやりがいのあるポジションです。

私たちの商品は「柔軟性」を特徴としているため、コンサルティングを経て初めてその価値をお客様に理解してもらえるもの。 ですので、パートナー企業向けにも色々な資料を作ったり、トレーニングを行ったり、定期的な情報交換を行ったりといった活動を実施していく中で、、中長期的かつ効果的な関係性構築を行っていきます。

※その他、マーケターや、オペレーション、エンジニアなど多方面で採用強化中。詳しくは求人一覧をご覧ください。

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