一時期、流行語にもなった「eスポーツ(e-Sports)」だが、直近でも着実にプレイヤーや視聴者、関係人口を増やし続けている。中国・韓国・北米が牽引する新たな成長産業としても注目が集まる。そういったなか日本市場・企業のポテンシャル、ビジネスチャンスとは。関連求人と共にその可能性について見ていこう。
近年、世界中で人気を集め、プロフェッショナルプレーヤーやチームが集い、高額な賞金をかけた大会が頻繁に開催されるなど、産業としての注目も集めているeスポーツ。
大会の賞金総額も年々増加しており、2022年のeスポーツの賞金総額は1億ドルを超え、今後も増加が予想される。さらに今後はオリンピックの正式種目に採用される可能性や機運も高まっている。
ゲーム市場調査会社Newzoo社(オランダ)の調査によれば、2022年の世界のeスポーツ市場規模は13億8400万ドルに達する見込み。東アジア、北米市場などが市場規模の拡大を牽引しているという。さらに2025年には18億6620万ドルに達する予測も立てられる。また世界のeスポーツオーディエンスで見てみると、2022年には5億4910万人(前年比10.4%増)見込み。2024年には6億人を突破し、2025年には6億8460万人(CAGR:年平均成長率+9.5%)まで増加するといった予測もある。(*)
急速に拡大しているeスポーツ市場だが、そのビジネス上の特徴として挙げられるのが収益源の多様性にある。スポンサーシップ、メディア権、チケット販売、マーチャンダイジング、そして賞金などが主な収益源となる。これらは「eスポーツ」の活動、競技としての成長を広範囲にサポートしていくものと言えるだろう。
日本におけるeスポーツのポテンシャルも見過ごせない。世界的なゲーム開発国である日本は、豊富なコンテンツを活用し、多様性と競争力を持つeスポーツ大会を開催することが可能だ。さらに、既存のアニメや映画とのコラボレーションにより、新たな視聴者層を引きつける魅力がある。さらに日本に限ったことではないが、VRやARなどのテクノロジー進化による新しい視覚体験がeスポーツの可能性をさらに広げていくだろう。
日本政府もeスポーツへの支援を表明しており、インフラ整備や人材育成、法制度の整備など、eスポーツビジネスを支える環境が整備されていくことが期待される。今後、日本のeスポーツ市場はどのような成長を遂げ、新たなビジネスチャンスを生み出すか。日本の産業を活性化するものとなるか。注目していきたい。
[参照]
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000017610.html