INTERVIEW
MOON-X|代表取締役CEO 長谷川晋

「ブランドと人の発射台」元Facebook Japan代表が立ち上げた「MOON-X」の野望とは

掲載日:2023/06/07更新日:2023/06/08
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「ブランドを発射し、飛躍させていく。ポテンシャルを秘めた多くのブランドをさらに成長させ、全国、そして世界に羽ばたかせていくのが私たちの役目です」こう語るのが、MOON-X株式会社代表の長谷川晋さんだ。もともとFacebook Japan(現Meta)代表を務めたキャリアの持ち主だ。彼が率いるMOON‐Xは2022年12月に総額34億円でシリーズB資金調達を完了し、「共創型M&Aによるブランド価値構築」という新たなビジネスに注力中。聞き慣れない同ビジネスの概要、その真価とは。長谷川さんの特別インタビューをお届けする。

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34億円調達、愛されブランドのポートフォリオ会社を目指す「MOON-X」

「愛されるブランドをいくつも保有する「ブランドのポートフォリオ会社」をつくりたい。それらのブランドが生み出す、生活の豊かさの総和が、MOON-Xの存在意義だと考えています」

こう語ってくれたのがMOON‐X代表の長谷川さん。共創型M&Aという独自のアプローチで、オーナー企業が育ててきたブランドを譲り受け、更に多くの方に愛されるブランドへと成長させていく事業を展開。2022年には34億円の調達を完了、日本M&Aセンターとの資本業務提携も果たし、事業拡大に向けてアクセルをふむ。

これまで手掛けてきたブランドは、ベビー&マタニティカテゴリーのトップブランドとして知られる「kerätä」、「デザイン性と実用性の両立」をコンセプトにした革小物ブランドの「NEESE」、2秒で寝落ち必至と言われる「ヒツジのいらない枕」、 名刺の角が折れないスタイリッシュな日本発の名刺入れブランド「Roffal」  など。

なぜ今、MOON-Xの事業が求められているのか。そもそも共創型M&Aとは? 彼らの挑戦を追った。

MOONX(プロダクト一覧)

互いの強みをもちより、ブランドの持続的成長を。

P&G、楽天、Facebookを経て起業した長谷川さん。まずMOON‐X立ち上げの背景から伺えた。

デジタル、モバイル、eコマースなどを積極的に活用しながら、ブランドをより飛躍させていくことには、ビジネスの可能性も、社会的な意義もあると思い、MOON‐Xを立ち上げました。

P&Gで働いていた当時、素敵なブランドとは日本中、世界中で消費者の生活を豊かにする強いパワーがあると思い知って。さらに楽天ではグローバルの買い物の在り方を学び、Facebook Japanではグローバルのテクノロジーの方向性を学ぶことができた。

さらに当時、地方経済の活性化などのプロジェクトを通して、日本中を周って日本のものづくりの底力を感じ、これまで培ってきた強みと掛け合わせる形で、共創型M&Aというビジネスのコンセプトに至りました。

共創型M&Aとは、どちらかがもう一方に吸収されるのではなく、お互いの強みを持ち寄り、ONE Teamとなってブランドの更なる飛躍と継続的な成長を目指していく、我々が提唱している新しいM&Aの形です。

特徴的なのは、M&Aで参画いただいたブランドや事業は、基本的に将来にわたってグループとして支え、ともに成長し、飛躍させ続けるというスタンスです。

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「実は、設立当初は自分たちでもブランドの立ち上げを行っており、人材やノウハウを集めて蓄積をしていました。とはいえ、世の中には、素敵なブランドがたくさんある。自分たちでブランドを立ち上げるだけではなく、外部の素敵なブランドを巻き込んで、そこにも自分たちのノウハウを活用し一緒に伸ばしていくことができれば、よりビジネスとしてもスケールさせていけると思い、現在の形にたどり着きました」と長谷川さん。

ケラッタ統合でみえた、地方経済活性化の可能性

では、具体的にはどういったブランドとパートナーシップを組んでいくのか。

前提として、我々がお声がけするのは、すでに製品が愛されていて、事業としても成長している企業さんに絞っています。うまくいっている企業には必ず何かしら強みがあるので、飛躍できる可能性が十分にある。一方で、多くの場合、一社単独ではやりたくてもできていないことがあって。ここに、自分たちのブランドづくりのノウハウを活用していけると考えています。

実際、2022年8月に統合した、ベビー&マタニティブランド「kerätä」の事例をもとに、伺えた。

kerätäは、2016年に長野県で生まれたベビー&マタニティブランドであり、もともと子育て世代の間ではトップブランドの一つとして知られる存在でした。僕らとしては、ワクワクするタッグになるのではと思い、弊社からお声がけし、現在のFounder/相談役の田中さんと1年ほど向き合いました。

その中で、田中さんご自身も、0→1のビルドアップ期を経て、今後さらなる飛躍を目指すには販路拡大、海外展開、デジタル化、高度プロフェッショナル人材の確保等、ワンランク上の企業体質の構築が必要となっていくと認識されていて。MOON-Xはいろんな専門スキルを持った人材が集まるプロ集団なので、お力になれると思いましたし、田中さんにもケラッタが飛躍していく期待感を持っていただけたので、統合に至りました。

現在、もともとケラッタに在籍されていた社員の皆さんもMOON-Xグループにジョインいただき、MOON-Xメンバーと二人三脚でビジネスを伸ばし、ものづくりに励んでいるところです。

特に、本件において良かったと感じているのが、「地方経済の活性化」に対して地に足が付いた貢献ができているという点です。

ケラッタは統合後も成長を続けており、Amazonの「Amazon.co.jp 販売事業者アワード2022」を受賞するなど、非常にビジネスとして好調。Eコマースでの販売には地理的な制約もないため、すでに日本中から注文がくるブランドになりつつあります。

その結果、ケラッタの本社がある長野県塩尻市でも新たな雇用が生まれている。つまり、長野県の塩尻に居ながらにして日本中、近い将来は世界中に向けてものづくり・ブランドづくりをする仕事が生まれているということです。こうした仕事は、年代問わずワクワクする可能性の高い仕事であり、そういった仕事が増えていくのは非常に喜ばしいことですよね。今後も日本中の素敵なブランドが共創型M&Aを通じて我々のグループに入っていただき、1つでも多くこうした事例を増やしていきたいと考えています。

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新しい会社・ブランドがグループインすることにより、新たなビジネスのやり方、価値観などにふれ、MOON‐Xの価値観もアップデートされていくという。「たとえば、ケラッタはお客様の目線でのものづくりに非常にこだわりを持つ会社です。もともと、お客様からの問い合わせやご意見・ご要望にとても真摯に耳を傾けることはもちろん、それらの声を非常にスピーディーにものづくりに反映していて。これはブランドやカテゴリーに関わらず全社で取り組むべきことだと考え、グループのコーポレートバリューの1つに"CONSUMER is BOSS"を追加しました。要は、話を聞くべき相手は消費者・お客様であって、何かをしようと思ったら僕に聞くのではなく消費者の皆さんと向き合おう、と。価値観やビジネスのやり方含めて進化していけるという部分が個人的には面白いと思いますし、共創型M&Aだからこそ生まれたシナジーだと思います」

ブランドづくりは、ビジネスの総合格闘技

「ブランドと人の発射台」をミッションに掲げるMOON‐X。 単にブランドを広めるだけでなく「メンバー一人ひとりの活躍・成長」も同じくらい重要視しているという。ずばりMOON-Xに入社することで得られる経験とは。

MOON‐Xのビジネスの面白さとは、突き詰めると、経験できる業務の「幅の広さ」。成長機会は無尽蔵に提供できると思っています。

そもそも、ブランドづくりの仕事は、いわば「ビジネスの総合格闘技」なんです。

まず、商品をつくる過程では製造、物流の知識が求められます。さらに、オンラインでの販売が中心となるため、デジタルマーケティングやページ制作の知識、さらに、画面映えする製品のデザインを考える力など多種多様なスキルが必要になります。さらには、お客様からの様々なご相談やお問い合わせにも向き合います。MOON-Xでは、ビジネスのあらゆる商流に関わるため、幅広いスキル・経験を積んでいくことが可能です。

そして、今後ビジネスを拡大させていくうえでは、さらに変数が増えていく。たとえば、日本国内のみならず世界中にブランドを広めていくことを考えていますし、商品カテゴリーも「ベビー&マタニティ」「バッグ&アクセサリー」「レスト&リラックス」「ビューティー&ヘルス」など既存のカテゴリー以外にもどんどん増えていきます。

つまり、元々が「ビジネスの総合格闘技」であることに加え、MOON-Xはこれからより一層、マルチカテゴリー、マルチカントリー化していくわけです。こうした幅の中で様々なことをスピーディーに経験することができるため、ビジネスパーソンとして圧倒的に成長できる。僕は、ビジネスの戦闘力とは「どこに行っても結果を出せる力」だと捉えているのですが、まさにそういった力を磨いていきたい人には、またとない環境だと思います。

最後に伺えたのが、長谷川さんが考える「これからの時代に求められる人材」について。

人々の生活がスマホ中心となった今、次世代を担う人材に求められるのは、テクノロジーの潮流をふまえ、その上でどうしていくことがベストかを考え、判断・実行していく力だと思っています。

それこそ、既にマーケターとエンジニアの境目は、既になくなりつつありますし、ファイナンスの仕事もテクノロジーの潮流を無視して会社のリソース配分を決めることは難しくなっている。こうしたことが、今後あらゆる職種で起きていくと思っています。

僕としては、MOON‐Xを、次世代のリーダーを輩出していく会社にしていきたい。そして、ブランドを世界に広めていく仕事には、それができるポテンシャルが大いにある。自分自身の成長を真剣に捉えている人に、ぜひ来ていただきたいですね。

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個人としても次世代リーダー育成をライフワークにすると公言している長谷川さん。自身の著書に、『今すぐ結果が出る 1ページ思考(ダイヤモンド社)』がある。「次世代リーダーの育成をライフワークとしてやると決めている人間が会社をやるなら、会社自体も人材がどんどん育成して成長するものでなければ、恥ずかしくて表を歩けません(笑)そこにすごく個人としてパッションも持って取り組んでいます」 

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