INTERVIEW
農林水産省|公募プロジェクト

民間から「農林水産省」へ。次世代に「日本の食」のバトンを渡したい――元新聞社勤務、農水省職員の想い

掲載日:2023/12/07更新日:2024/01/09

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農林水産省が民間出身者をはじめとした「外部人材の中途採用」公募を開始した。同プロジェクトにあたり、新聞社勤務を経て同省に転職した柴田博人さん(大臣官房 広報評価課 課長補佐)を取材した。なぜ彼は新たなキャリアとして農林水産省を選んだのか。そこには「これからを生きる子どもたち、次世代に「日本の食」のバトンを渡したい」という志があった――。

一次産業の「担い手不足」に取り組むために

まずは農林水産省で働きたいと考えた理由から教えてください。

もともとは新聞社で働いており、広告営業、イベント・シンポジウムなどの企画・運営などを手掛けていました。そのような中、減少傾向にある魚の消費量を増やそうという社会課題解決型の「魚食推進プロジェクト」を担当する機会がありました。これが「日本の食」そして「農林水産省」での仕事に興味を持ったきっかけです。

プロジェクトを通じて水産業界の方々と接する中で、深刻な担い手不足の現状について生の声を聞くようになり、水産業に限らず一次産業全体が抱える課題として身近に感じるようになりました。私たちは毎日あたり前のようにご飯を食べていますが、生産者なしには成り立ちません。このままでは日本の食は衰退してしまうかもしれない。私自身、子どもも生まれ、親として次世代のことを考えることも増える中、他人事とは思えませんでした。そういった「食」にまつわる社会課題の解決に取り組みたいと考えていた時に偶然見つけたのが、農林水産省の求人でした。

そもそも農林水産省が民間人材の中途採用をしていることは知らなかったですが、「食」に関わる社会課題の解決に取り組むには農林水産省がベストだと考え、入省を決意しました。

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「一次産業の担い手不足という社会課題の解決には長期間にわたる取り組みが必要な上、規模感の大きさも求められることから、行政の立場で関われることは魅力的でした」と語ってくれた柴田さん。現在、農林水産省 大臣官房 広報評価課の課長補佐として働く。

社会にインパクトを。発信から広がる支援の輪

現在の仕事内容ついて、やりがいと併せて教えてください。

広報評価課では広報や政策評価など幅広い業務を担当していますが、情報発信でいうと、農林水産省の政策情報はもちろん、いかに国産農林水産物の消費拡大が図れるか、さまざまなPRや発信を行っています。たとえば、2023年9月から行っている「#食べるぜニッポン」キャンペーンもその一つです。ALPS処理水放出の影響を受ける水産業等を応援するため、農林水産省の公式X(旧:Twitter)から「#食べるぜニッポン」というハッシュタグを付けた投稿を呼びかけました。ありがたいことに多くのメディアにも取り上げられ、ハッシュタグを付けた投稿も増えています。最初の投稿は、公式アカウント開設以来最高となる約2100万を超える閲覧をいただいたほか、大手小売業などでも「#食べるぜニッポン」のロゴを使用したキャンペーンが実施されたりしました。私たちの発信に反応・反響があり、広く社会に支援の輪が広がっていく。その実感は大きなやりがいですね。

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「#食べるぜニッポン」のハッシュタグを付け、水産物の写真をX(旧:Twitter)上で投稿するキャンペーン。2023年9月、国産農林水産物の応援・消費拡大を目的に、農林水産省の呼びかけによってはじまった。ロゴ画像も提供し、SNSだけでなく、店舗・商品やイベント会場などでも活用されている。

子育て世代も働きやすい環境に

続いて、入省後の感想について教えてください。

とくに印象的だったのは、新しい働き方は省庁にも浸透してきているという点ですね。たとえば、比較的テレワークが活用しやすかったり、有給休暇も取りやすかったり。私のような子育て世代も働きやすくなってきているんだな、省庁も働き方改革が進んできているんだな、というのが率直に感じたところでした。

業務面では、高い文章力が求められるという点でしょうか。国会対応では、半日ほどで答弁作成を仕上げる必要があり、スピードはもちろん、正確性も求められ、難易度が高いと感じたところの一つです。また、国家公務員は、微妙な言葉の違いも慎重に使い分けていく仕事でもあります。そこは会話も文章も同じ。働きながら慣れていくことが求められるように思います。普段、企画書などを作成し、論点整理や対応方針をまとめる業務などに携わっている方であれば十分対応していけると思います。

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次世代に「日本の食」のバトンを渡していくために

今後、農林水産省で実現したいことを教えてください。

もともと私は「一次産業の担い手不足を解消したい」と考え、農林水産省に入りました。ここは現在も変わっていないですし、取り組んでいきたいところです。いかに若い世代の人たちが仕事として一次産業を目指してくれるか。その上で重要だと考えていることの一つが「きちんと儲かる仕事にしていく」ということだと思います。たとえば、個人事業主による家族経営が多い中、法人化して、規模拡大や収益力の向上を図れるケースもあるはず。もちろん農林水産省としてもさまざまな取り組みを進めていますが、その一員として私もこの課題に向き合っていきたいです。

最後に、柴田さんにとっての「仕事」とはどういったものか、捉え方や価値観について伺わせてください。

生活の中で、一番長い時間を費やし、関わるのが「仕事」ですよね。だからこそ「仕事」は自分の人生を豊かにしてくれるものであってほしいと思っています。見方を変えれば、プライベートではできない、さまざまな経験や挑戦ができる場とも言えます。

特に、現在携わっているのは、あらゆる人たちの生活において欠かせない「食」の領域。さらに「日本」という大きなスケールで、社会課題の解決に取り組める。これは農林水産省ならではの仕事ですよね。

あとは前の世代から預かったバトンを、次世代に自信を持って渡していける、そういった日本にしていきたい。これからも楽しみながら、自分の「仕事」で挑戦していければと思います。

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