INTERVIEW
農林水産省 公募プロジェクト|総合職

日本の「食」の魅力を世界へ。商社・ベンチャー勤務を経て、農林水産省で働く職員が抱く志

掲載日:2024/07/09更新日:2024/07/09
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農林水産省による、2024年度「総合職」公募プロジェクトが開始へ。同公募にあたり、今回お話を伺ったのは、商社・ベンチャー勤務を経て、2023年に入省した山田 大樹さん(農林水産省 畜産局 食肉鶏卵課 食肉流通安定係長   ※取材当時)。そのキャリア選択の裏側には「日本の食の魅力をもっと世界に広めていきたい」という志があった――。

「食」をテーマに、より人の役に立つ仕事を

はじめに山田さんに伺えたのは、農林水産省への入省のきっかけについて。そこには過去の経験を経て「改めて“食”をテーマに、人の役に立つ実感が得られる仕事がしたい」という思いが大きくなったと山田さんは語る。

もともとは商社の食品部門で働いていたのですが、この頃の影響が大きく、改めて「食」をテーマに働きたいと考えるようになりました。

当時、加工品フルーツ全般の輸出入業務や海外にある合弁会社の管理運営に携わるとともに、海外の食品市場開拓を行っていたのですが、現地で商談をする度に日本産の農林水産物の人気の高さに驚かされました。

ただ、日本の農林水産物は海外産のものと比べ、どうしても数量が確保できない点と、割高になってしまう点が懸念でした。言ってしまえば商売にならないわけです。自社の収益を優先した場合にはどうしても海外産のものを輸入する三国間貿易が大半に。日本産の農林水産物を輸出していく難しさを痛感しましたし、もどかしい思いがありました。

じつは商社で働いた後に、ベンチャー企業に転職したのですが、あらためて「より社会に影響を与えられる仕事がしたい」「農林水産業に貢献したい」といった思いが強くなり、農林水産省を志望しました。人が生きていく上で必ず「食」は必要なもの。「食」と関係のない業界で働いたことで、その大切さ、重要性を再認識しました。

農林水産省を志望する上で採用説明会にも参加したのですが、「農林水産業に従事する人たちの給与所得水準の低さ」「一次産業の担い手不足」「生産地の過疎化」など、さまざまな課題や現状を知り、自然と「自分だったら何ができるだろう」と考えていました。

日本産の農林水産物を輸出する仕組みを作り、生産者さんを支援したい。そうすることで第一次産業に携わる人たちの所得も増やせるのではないか。商社やベンチャーでの経験も活かしつつ「稼げる農林水産業」を実現したい。そう考え、農林水産省への入省を決めました。

また、面接でも感じたのですが、農林水産省の職員のみなさんはとにかく熱い(笑)こういった部分にも惹かれましたね。日本の農林水産業に対して並々ならぬ思いがあり、熱く語れる職員ばかり。入省後もそのイメージは変わらず、「日本の食と文化を衰退させちゃいけない」といった使命感に似た意識が共有されているように感じます。

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山田 大樹さん(34)/農林水産省 畜産局 食肉鶏卵課 食肉流通安定係長  2015年3月、北海道大学大学院工学研究科修了後、兼松(株)に入社。人事部で新卒採用、研修などの人材開発業務に従事した後、2018年フルーツ加工品課に異動し加工品フルーツの輸出入や合弁会社の管理運営に従事。2021年、食料統括室に異動し食品・食糧・畜産の3部門に関わる決裁管理や与信管理等の業務、DX推進や脱炭素化等の部門横断PJ等に従事。2022年に同社を退職し、(株)ストラテジーテック・コンサルティングに入社し、人事部で中途採用を、経営企画部で人事制度の構築等を担当。2023年に同社を退職し、同年4月に農林水産省畜産局食肉鶏卵課に入省。

生産者に寄り添い、政策面から支援していくやりがい

2023年、こうして農林水産省に入省した山田さん。農林水産省での仕事と、そのやりがいについて伺えた。

現在、食肉鶏卵課において食鳥及び卵を担当(*)しているのですが、政府が出している2025年の輸出目標額は鶏肉45億円、鶏卵63億円。卵は2023年も2年連続で達成しましたが、鶏肉はまだ伸びしろがあります。日本国内では、鳥インフルエンザなどが課題となるなか、国内需給バランスを維持しつつ、いかに輸出を支援できるか、日々向き合っているところでもあります。

(*)食肉鶏卵課は食肉・鶏卵(牛肉、豚肉、食鳥、卵、蜂蜜、及びその加工物や副産物)の国内需給動向や流通・消費の増進、海外における生産・流通・市況の調査など幅広い業務を担当。その中でも鶏肉・鶏卵の国内需給動向や国産品の輸出支援、海外品の生産動向等をメインに担当している)

やりがいでいえば、業界団体を通じてですが、想像以上に生産者さんとの距離が近く、直接お話できる機会が多いことが挙げられます。たとえば、鶏肉の加工施設などが老朽化していると、諸外国が設けた基準をクリアできず、輸出できないといったことも。そうならないためにも、改善点をお伝えしていくのですが、生産者さんから「おかげさまで輸出量も少しずつ増えています」という声をいただくなどした時は、お役に立てた実感がありますね。

さまざまな生産者さんや事業者さんが集まる会合などでも、意見交換を通じ、どういったことをやりたいか、どのような課題があるか、直接伺い、政策や施策に反映していける。何よりも誰の役に立つ仕事か明確。ここは大きなモチベーションにつながっています。

もちろん、大規模な施設整備は数年掛かりで取り組むものなので、私がこの部署に在籍している間に完了しないものもあります。ただ、少しでも未来に向けた取り組みのきっかけを生み出していける。ここも農林水産省ならではの仕事だと言えると思います。

ちなみに入省後に感じた良いギャップを補足しておくと、働き方改革がすごく浸透しており、イメージと違ったところが挙げられます。私自身、実際約2ヶ月超の育休を取得させてもらうことができました。もちろんまだまだ課題はあると思いますが、職員のことを考えてくれる職場でもあると感じています。

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やりがいの一方、ミスマッチをしないためにも知っておくべき「厳しさ」について「思った以上に文章を書く機会が多いことでしょうか。商社やベンチャー時代だと“文字にするよりも頭の中で考えながらまずは行動することが重要”だったのですが、そこに違いはあるかもしれません。」と語ってくれた山田さん。「行政の仕事では言葉を考え尽くし、それを文章で正しくアウトプットする能力が問われます。いかにステークホルダーに誤解を与えないように文章で伝えられるか。納得感のある内容にできるか。政策立案や事業要項などの資料は細かい記載ルールもありますし、正確性も必要。まだまだ指摘されることも多く、日々向き合っているところです。」

世界に日本の「食」を広めたい

そして伺えたのが、今後の目標について。大学院時代、アメリカ留学していた実体験の影響も大きいと山田さんは語る。

入省時の動機とも重なるのですが、あらためて「稼げる農林水産業」を目指していきたいです。その実現には海外マーケットで健康的でおいしい日本の「食」をもっと世界中の人たちに浸透させていく必要があると思うんです。じつは大学院時代にサンフランシスコに留学していたのですが、仲間たちと外食する際、真っ先に候補から外されるのが「日本食」だったんですよね。当時の為替レートでさえ、日本食は数千円以上と非常に高価だったので、なかなか手が出ないと。一方、メキシカンなら数百円で食べられるので非常にポピュラーな食事でした。どうすれば日本食をより多くの人に食べてもらえるか、知ってもらえるのか。製造コストや流通の課題を改善していきたい。日本食を世界に広めたい。この思いも当時から変わらず持ち続けていますし、叶えていきたいです。

取材の最後に伺えたのが、仕事に対する価値観について。山田さんにとっての「仕事」とは何か――。

私にとって仕事は「世界と繋がることができるもの」だと思っています。「プライベート」だとどうしても自分や家族中心に物事を考えてしまいがちですよね。一方「仕事」では、とにかく相手ありき。たとえば、日本人である自分が、アメリカ人に何か商品を売り込むとなった時、アメリカ人の目線で物事を考えますよね。どうすればお役に立てるか、お互いwin-winな関係を築けるか。仕事は相手がいてこそ成り立つもの。そういった「誰かのためになる仕事」を通じ、これからも世界と繋がり続けていければと思います。

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