INTERVIEW
日本ヒルティ

120カ国展開――世界的工具メーカー「ヒルティ」で挑む顧客の課題解決。日本法人代表に聞く働きがい

掲載日:2023/12/12更新日:2023/12/12
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世界120ヵ国に展開する「ヒルティ」が、営業ポジションの採用強化を行う。日本ヒルティで代表を務めるのは元P&Gのブランドマネージャーである堺 直樹さん。堺さんが魅せられたヒルティの革新性とは。そして得られる働きがいについて伺った――。

世界中の建設・エネルギー業界のプロから愛される高い製品力

ヒルティ製の工具は、日本をはじめ、世界中で愛されていると伺いました。まずはその理由から伺ってもよろしいでしょうか?

そうですね。性能・デザイン性の高さ、いわゆる「質」を建設業界のプロたちから高く評価いただいています。

じつは毎年売上の約5~6%ほどを研究開発に投資しており、製品へのこだわりを表しています。もう一つ、独自の直販営業モデルも特徴的です。一般的なメーカーは、卸し業者に商品を卸し、ディーラーのチャネルを使って販売店に売っていくケースがほとんどです。そのほうが効率良く、多くの製品を販売できるからです。一方で細かいニーズには対応ができない。その点、ヒルティは建設業界の細分化されたニーズをこと細かに把握し、顧客への提供を行っていく。基礎工事、型枠工事、電気工事、配管給水管工事…さまざまなプロセスで求められる価値提案ができる。こういったビジネスモデルにおいても、ヒルティは優位性を持っていると言えます。

ヒルティ01

代表取締役社長 堺直樹
1971年生まれ、神奈川県出身。97年、東洋エンジニアリングに就職し、材料技術エンジニアを務める。デロイトトーマツコンサルティング(同社脱退後、アビームコンサルティングに社名変更)、P&Gジャパンを経て、2011年10月、日本ヒルティに製品統括マーケティング部長として入社。マーケティング部門の製品統括部長、戦略・トレードマーケティング部門の責任者、マーケティング部門の責任者、営業本部長を経て、21年、代表取締役に就任。

世界トップクラスのシェアを誇るメーカーで建設業界に革新を

製品・事業上の強みについて伺うことができました。今回は営業職の採用をメインとしているそうですが、一人の営業として働く上でのやりがいについても教えてください。

まず、製品の質が高いので自信を持って提案ができる。ここはさまざまな製品群で世界トップクラスのシェアを誇るメーカーで働くやりがいになるはずです。また、単にメーカーとしてモノを販売するだけではなく、経営の根幹に関わるようなソリューションを提供していける点もやりがいになるでしょう。

具体的には、工具本体をIoT化し、クラウド上で資産管理できるサービスの提供を始めました。それぞれの工具がいくつ、どこで、どのように、何年使っているのかが可視化される。つまり、資産管理、業務効率化など、顧客の経営課題に関わる部分に踏み込んだ提案ができるようになります。

たとえば、製品導入そのもののバリューに加え、「あと10台工具を増やせれば、より効率的に現場が回る」「経年劣化で性能が落ちると本来は1日で終わる作業に3日かかることもある」「台数は維持し、工具のメンテナンス頻度を調整しましょう」こういった付加価値のある提案により、売上拡大に寄与ができるわけです。

お客様の役に立っていることをダイレクトに感じられる。これも「直販営業」ならではです。実際、社員メンバーと話していても「全然違う、買ってよかった」「ヒルティさんでよかった」など感謝される機会が多く、糧になっているといった話はよく聞きます。いわゆるコモディティ化されたような製品を価格競争で提案していくタイプの営業とは違う、喜びがあるはずです。

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建設業界全体の生産性を高めていくためには上流からの抜本的な改革が求められることから、最近ではゼネコン、サブコンに対し、設計段階からの提案を行うケースもあるという。「例えば、ゼネコンにおける設計の段階から我々が関わっていくことで、本来なくても問題ない工程を省いた形で設計していけるかもしれません。あるいは、従来バラバラに進めていた電気工事、ダクト工事、空調設備工事などを1つの設計の中で一括で進められる段取りを組めれば、手戻り・修正が減らせるかもしれない。設計段階から変えていくことで、施工会社の負担を軽減することにつながるはずです」と堺さん。

受けた恩恵より多くのものを、社会に還元するために

今後、ご自身としてヒルティで実現していきたい目標とは?

建設業界の企業様が、より生産性高く、かつ安全に施工していけるように、ヒルティとして貢献していきたいと考えています。

建設業界は今、多くの問題に直面しています。スキルのある熟練工がどんどん引退し人手不足が加速している。さらに2024年4月から、労働基準法が建設業界にも適用されて残業が厳しく規制されていく。一方で、50~60年前に建てられたビルが老朽化しリノベーション需要は拡大しているほか、国は大手企業のデータセンターなどを誘致しており建設投資は毎年1~2%ずつ増加していくと言われています。働く人が減っていく中で、より多くのアウトプットを出していかなければならない。ヒルティの果たす役割はますます大きなものになっていく。そういった使命感を感じています。

足下では、まずは現在お取引のある企業様における、ヒルティ製品の使用割合を引き上げていく。それだけでも、十分にビジネスインパクトを出していけると考えています。

最後に、堺さんの「仕事」との向きあい方について教えてください。

私自身は、20代、30代までは専ら「自分のキャリアをどうやって作っていくか」軸で生きてきました。コンサル、経営マネジメントのスキルをつけるためにデロイトに行き、さらにマーケティングスキルをつけるためにP&Gで経験を積みました。ただ、40歳になってある程度ビジネスマネジメントの土台が自分の中でできたとき、自分のキャリア開発よりも「仕事を通してどんなことが社会に貢献できるのか」に興味が移っていった。そして50代になった今は、仕事とは社会への還元のための手段と捉えています。

人は皆、いろんな人と関わり合いながら、助けられながら生きています。例えば、ペットボトルの水1本にしても、 この水を採取する人、それをトラックで運ぶ人、パッケージを作る人など、様々な人が関わっているから、飲むことができている。極端に言えば、自分1人だったら、そもそも水すら飲めない。それこそが人間の本質。そういう繋がりの中で生かされている自分が、受けているものよりも多いものを社会に還元することができれば、それだけで生まれてきた価値があるのではないかと思うのです。

特に、人生において「仕事」が占める割合は大きい。だからこそ、社会に還元していくうえで有効な手段。ヒルティで建設市場における解決策を提案し続けることを通じて、自分が受けてきた恩恵以上のものを社会に返していければと思います。

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