INTERVIEW
大阪府河内長野市|シティプロモーション責任者(部長級)

河内長野市を、消滅危機から救え。新市長と共に「市役所の常識を打ち破るチャレンジ」をしませんか?

掲載日:2024/10/21更新日:2024/10/21

「消滅可能性自治体*」からの脱却を――大阪府河内長野市の大きなチャレンジが、今始まろうとしている。「これまでと同じではなく、常識を打ち破る挑戦が必要です」こう熱く語ってくれたのが、2024年8月、同市の市長に就任した西野修平さんだ。新市長としての大胆な挑戦、その第一弾が今回の「シティプロモーション」を担う責任者の公募だ。今回の公募にかける思い、そして西野市長が抱く「志」に迫った。

消滅可能性自治体…民間の有識者で構成される人口戦略会議が分析したレポートに基づき、2020年から2050年までの30年間で若年女性人口(20~39歳)が50%以上減少する自治体を指す。人口減少のスピードから見て、若年女性人口が50%以上減少する地域では70年後に20%、100年後に10%程度にまで減少すると推定される。

河内長野市 シティプロモーション責任者(部長級)
2025年度、新設予定の「成長戦略局 営業部(仮)」において、まちの価値を再発見し、売り込むシティプロモーション推進を主に担当いただければと考えています。また、「ふるさと納税」「公民連携」を担う課のマネジメントについても担当いただければと考えています。

▼期待される役割
河内長野市役所に「稼ぐ力」「稼ぐ概念」を定着させていただけることを期待しています。また、まちの価値を再発見し、売り込むとともに、民間と連携し、市が有する資産の有効活用に取り組みます。その他部内各課の統括、議会対応なども行ないます。

・まちの価値の発見、ブランド化、売り込み
・ふるさと納税による「外貨」を稼ぐこと
・大阪府をはじめ、関西圏を中心とした子育て世代へのPR・戦略的なマーケティング


▼選考のポイント
選考にあたり、新たなアイデア・企画立案力・プレゼン能力等を重視する予定です。また、さまざまなステークホルダーと携わり、チームで連携していく場面も多いため、多くの人を巻き込むコミュニケーション能力、協調性、責任感、ビジョンなども見させていただければと考えています。面談につきましては、お互いの理解が深められるよう、ぜひ自然体でお話できればと思います。

このままではいけない。「消滅可能性自治体」からの脱却を

2024年8月、河内長野市の市長に就任した西野さん。もともと2003年から6期連続、21年間、大阪府議会議員を務めてきた人物でもある。初めて府会議員に当選した選挙区が、まさに河内長野市だった。それ以来、同市には特別な思いがあったという。

やはり府会議員時代から本市には特別な思いがありましたし、「一生河内長野のために働こう」と心に決めていました。特に「消滅可能性自治体」として2回連続で選ばれており、人口も10万人を割るなど減少が続いています。高齢化率も37%と非常に高いのが現状です。このままではいけない。何かしら手を打たなければ大好きな河内長野が本当に消滅してしまう。そういった危機感から、市長に立候補し、就任させていただきました。

ただ、私自身、この状況について悲観的な側面ばかりを見ているわけではありません。急激な人口減少は、日本各地で遅かれ早かれ起こる問題です。課題を先取りしているとも言えます。ここに対する取り組み、成功事例は、日本のロールモデルとなる可能性があります。

また、市の状況として明るい兆しもあります。子育て支援に力を入れている影響もあり、じつは15歳未満の人口が、転入超過になっています。つまり「中学生以下の子どもがいるファミリー層」から選ばれているということ。豊かな自然があり、子育てがしやすく、電車なら約30分で繁華街へと出ていける。都会と田舎の良い面を持ったエリアだと言えます。過去にはいわゆる「ニュータウン」と呼ばれたエリアなのですが、40~50年が経ち、地価も安く、若い世代に選ばれていると一因です。これは私個人の捉え方ですが、コロナ禍を経て「幸せ」の価値観も変わってきていますよね。多くの人が「心の豊かさ」を求めているし、自分の居場所となるような場所で生活したいと考えていて。目で見て、耳で聞いて、肌で感じられる、そういった都心にはない、河内長野市の魅力を打ち出し、気になるまち・選ばれるまちにしていければと考えています。今後、予算編成を進めていくなかで子育て予算、次世代への投資に思い切ってシフトしていく。今まさに分岐点であり、ターニングポイントだと捉えています。

ただ、子育て支援などは、どの自治体もやっていることです。それだけではやはり足りない。本市でしかできないこと、本市にこそある価値は何か。それらを見つけ、時に創出し、売り込んでいく。いわば市としての「稼ぐ力」を身につけ、まち全体を底上げしたい。そういった「このまちはこんなことまでやるんだ」「チャレンジするんだ」という大胆な挑戦をしていきます。そのためにも民間で培った発想・経験を持つ方の力をお借りしたく、今回の公募に至りました。

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「市役所に営業部をつくる。あえてこの部署名にしたのも、関心を持ってもらうためでした。」と語ってくれた西野さん。2024年8月の市長就任からさっそく組織改革に取り組んでいるという。「かつてないスピードで組織改革・改編を進めているところです。よく役所は縦割りだと言われますが、その弊害を取り除き、意思疎通を図りやすくするために、来年度から局体制の導入を予定しています。今回入庁いただく方には、そのなかの「成長戦略力・営業部(仮)」の責任者をお任せします。役所ではコツコツと積み重ねる仕事も大切にしているため、民間とは違うスピード感に戸惑いはあるかもしれません。ただ、民間出身ならではの視点で「役所として当たり前にしてきたこと」を疑い、フレキシブルさ、効率的な進め方など、ぜひ市役所内に良い影響をもたらしていただけると嬉しいです。」

さぁ、市役所の常識を壊していこう

続いて聞けたのが、入庁者に期待することについて。「市役所の常識に問われないアイデアや発想、前例のないプロジェクトに挑戦してほしい」と西野さんは話す。

シティプロモーションは、その名前の通り、まちの資本・資源・資産を含め、まだまだ眠っているものの再価値化を図り、全国に売り込んでいただくこと。そういった役割に期待をしています。言い換えると「稼ぐ力」を付け、市役所内に根付かせていく。そのためには、これまでの常識に囚われない「市役所がここまで手を出すのか」「こんなことまでやっていいのか」と言われるようなことを共にやっていきたいです。

「常識に囚われないチャレンジ」とはどういったものが想定されるのか。その一案や概要について聞くことができた。

まちの再価値化とブランド化
本市は7割が森林であり、豊かな自然があります。材木などはもちろん、とてもきれいな「水」が流れており、そこには多様な可能性があるはずです。また、公共施設もどんどん民間に開放し、多様な使い方を模索したいです。たとえば、廃校になった学校のプールを養殖場として再利用するなどもあり得るかもしれません。実現可能性はさておき、アイデアだけでいえば、そこでチョウザメを養殖できれば「学校キャビア」だってつくれるかもしれません。豊かな自然を活用したツーリズム事業、マウンテンバイクのレース誘致など、さまざまな活用の方法を共に考え、実行していきましょう。

新たな「ふるさと納税」返礼品の開発
市外という意味で、いわゆる「外貨」をどう獲得していくか。特にふるさと納税に力を入れていきます。今のところ、出ていってしまう額よりも、全国からいただいている額のほうが多いですが、より増やす必要があります。そのためには市の特産品に加え、観光・旅行などサービスや体験を含めた新たな返礼品も開発していく必要があります。また民間企業と連携も強固にし、お互いにWin-Winとなる提携、相乗効果を生み出す施策、プロジェクトも推進していきます。

資産運用・活用
当然、役所としても資産運用をやっていますが、税金をお預かりしている立場ですので、大きなリスクがあるようなことはできません。一方で金融の専門家からすれば「安定財源を活かした低リスクな資産の運用施策が考えられるかもしれません。専門家の意見を聞き、慎重に取り組み、4年間で財源を増やしていくチャレンジも検討していきます。

戦略的なPR・マーケティング
子育て支援に関しても力を入れて取り組んでいきます。特に重要なのは、取り組みそのものと同時に、どう若い世代に届けていくか。戦略的なマーケティング。残念ながら役所では、いくら広報を頑張っても近い距離感でしか届いていない。特定の世帯に対してそれぞれの施策を届けるアプローチを共に考えていければと思います。

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河内長野市では「ふるさと納税」のひとつとして「天野酒の滝畑ダム湖底酒」を返礼品としている(画像は湖底で寝かせた天野酒を引き上げている様子)。じつは西野さんが前職の府会議員時代に提案したものだという。「私はワインが好きなのですが、ワインって13℃前後の温度で寝かせることでおいしくなると言われているんですよね。ダム湖底の温度も一定だと知り、測定してみたところ、ちょうど適切な温度でした。その神秘的な環境で寝かせたお酒は、味わいにも特別な魅力があるだろうと「天野酒の滝畑ダム湖底酒」を提案しました、管理する大阪府からも、地元の酒蔵さんからも賛成してもらえて、実現に至りました。手前味噌ですが、すぐに品切れになるほど人気の返礼品になっています。」

人、まち、そして世の中を変える。歴史に刻まれる仕事を

河内長野市における仕事で得られる経験・やりがいについて、西野さんは「人生に一度あるかないか、世の中にインパクトを与える挑戦ができること」だと語る。

「前例のないチャレンジ」には申し分のない環境があります。「消滅可能性が高い自治体」と言われてしまっているからこそ、大きな転換点、分岐点を迎えている。そういった中で挑戦できる機会は、そう多くないはずです。

市長である私はもちろん、職員、そして市民のみなさん含めて、覚悟を持って、全員で挑戦していける。こういった機会は、人生で一度あるかないかではないでしょうか。道なき道を作る。その結果、自分たちはここまで物事を動かし、世の中を変えたと実感ができる。人生においてかけがえのない数年間になるはずです。

また、私自身の「志」にも重なりますが、この河内長野市でのチャレンジを、日本中に広げていきたい。私の任期は4年間ですが、10年後、20年後、そして日本が人口1億人を切ると言われている2050年に「あの4年間があったからこそ生き残れた。今がある」と言われるような仕事がしたいですし、必ずできると信じています。

人口10万人足らずの小さなまちかもしれませんが、職員、そして市民の力が、まちの力になっていく。それがまちの新たな成り立ち、新しい歴史の1ページになる。それを証明したいのです。この仕事は、多くの人の生活、幸せ、豊かさ、そして未来を作っていく崇高な仕事だと思いますし、ぜひその中に新たな風を吹き込んでほしいです。

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ミスマッチしないためにも「事前に知っておいてほしいこと」について「役所で働くうえでは、議会での答弁や議員のみなさまへの説明が求められます。これはぜひプレゼンと捉えていただければ良いと思います。」と話をしてくれた西野さん。「また、公務である以上すべて文書にて公式に残し、意思決定をしていきます。こうした独自の進め方には理解をいただきたいです。同時に公務員として高い倫理感や使命感が求められますので、心構えも持っていただければと思います。舵取りを間違えないようにするという、良い意味でのプレッシャーもあります。今回採用される方も、そのプレッシャーを感じつつ、職員を巻き込みながら前進する推進力が非常に重要です。少なくとも職員は「いいものは受け入れる」という寛容なメンバーが揃っています。『当たり前を疑う』をキーワードに改革も進んでいます。私のような変わった市長も受け入れてもらえているので、働きやすい環境だと思っています。」

まちを愛し、誇りに思う人々を増やしていきたい

そして最後に聞けたのは、西野さんご自身が実現していきたいことについて。

先日、野外で映画を見る会があったのですが、子どもたちとその保護者のみなさんが200人ほど集まってくれました。みなさんの楽しそうな姿や笑顔がすごく印象に残っていて。あの光景を見た時に「子どもたちこそ、まちの力だ」と感じました。お母さん、お父さんには「このまちで子どもを育てたい」と思ってもらいたいし、そういった子どもたちが大人になってからは誇りを持って「私は河内長野で育った」と言ってもらえるようなまちにしたい。たとえ、途中でまちを出ることがあっても、まちを愛し、誇りに思う人々を増やしていきたいですね。それがまちと関わり続ける関係人口を増やすことにつながると思っています。

最後に、自分に与えられた仕事の意味は、市長として河内長野を新たなステージに導くことだと思っています。ただ、私自身は「できること」よりも「できないこと」のほうが圧倒的に多い人間です。足りないところを補うために人から学び、協力をしてもらう。「人の力」を「自分の力」に変えていく。そういった感性を大切にしてきたつもりです。市長になってからも、多様な職員、まちのみなさんから学びつつ、同じ志を持って一丸となって仕事に取り組むことがとにかく楽しいんですよね。結果が出るのはまだ先ですが、楽しみながら、全力で目標に向かっていく。そうすることで自ずと結果はついてくると信じています。仮に結果が出なかったとしても、全て私の責任ですので(笑)今回加わってくださる方にもぜひ楽しみながら、思う存分、挑戦いただければと思います。

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