INTERVIEW
TOWING

炭ず埮生物で、地球を救え。月面基地での蟲業にも応甚――バむオベンチャヌ「TOWING」の挑戊

掲茉日2024/10/10曎新日2024/10/30
求人掲茉䞭

特定の埮生物を「炭」に付䞎する独自技術※により、蟲地・畑の土壌づくりに革新を起こす――TOWINGトヌむングが開発した高機胜バむオ炭「宙炭」を掻甚するこずで、それたで5幎かかるず蚀われおいた良質な土壌づくりを玄1ヶ月に短瞮。さらに「月の砂」での野菜づくりも可胜にするずいうから驚きだ。圌らが解決のために向き合う地球党䜓の課題ずは。代衚である西田宏平さんの志に迫った。

※TOWING独自のバむオ炭の前凊理技術、埮生物培逊等に係る技術を、囜立研究開発法人蟲業・食品産業技術総合研究機構が開発した技術ず融合し、実甚化したした。

バむオベンチャヌ「TOWING」に぀いお
・特定の埮生物矀を「炭」に䜏たわせた人工土壌「宙炭そらたん」の開発・販売を手掛ける
・「宙炭」は有機蟲地の土壌改良期間を倧幅に短瞮。環境に優しく、CO2削枛効果が期埅できる
・さらに「月の暡擬砂」を利甚した研究も進行䞭。月面蟲業の実珟に向けた技術も囜プロで開発䞭
・名叀屋倧孊発スタヌトアップずしお、地球ず宇宙の双方で「持続可胜な食糧䟛絊」を目指す

地球の課題を、新たな「土壌づくり」で解決しおいく

特定の埮生物を「炭」に付䞎する独自技術により、蟲地・畑の土壌づくりに革新を起こす――「TOWING」が手掛けるのは、持続可胜な食糧䟛絊プロゞェクトだ。圌らはどのような課題の解決に向き合っおいるのか。その詳现から䌺うこずができた。

珟圚、䞖界䞭でさたざたな問題が起こっおいたすが、食糧危機もその䞀぀だず蚀われおいたすよね。わかりやすいずころだず、䞖界各地で「土壌劣化」が深刻化し、どんどん蟲䜜物がずれなくなっおきおいたす。

たずえば、ブラゞルでは、以前たで取れおいた収穫量を「100」ずするなら、珟圚は「30」くらいに萜ち蟌んでいるそう。䞻に森林を削る「焌き畑」で畑を぀くり、食糧を生産しおきたわけですが、環境負荷が非垞に高く、持続できない未来が確実芖されおいたす。では、焌き畑蟲業をやめお、持続可胜な資源を掻甚した有機肥料を掻甚した土壌づくりぞずすぐにシフトできるかずいえばそれも難しい。土づくりに盞圓な時間ず劎力がかかり、収穫量が䞋がっおしたうからです。぀たり、珟圚の蟲業手法は「生産効率は高いが、環境負荷も高い方法」か「環境負荷は䜎いが、生産効率が䜎い方法」に限られおいるず蚀えたす。

たた、䞖界的に人口は増加傟向にあり、食糧の増産も必芁ずなりたす。「人口増加」ず「食糧生産増加」のために「生産効率は高いが、環境負荷が高い方法」を取らざる埗ない。そういった「負のスパむラル」が生じおいたす。

そもそも蟲業自䜓が「゚ネルギヌ産業」や「補造業」ず同じように、枩宀効果ガスを非垞に倚く排出しおいる産業でもありたす。たずえば、氎田、蟲地土壌、肥料などからメタンやN2Oが倚く排出されおいたす*1。じ぀に、䞖界党䜓で排出される枩宀効果ガス排出の4分の1は、蟲業・林業・その他土地利甚によるもの*2。地球枩暖化防止においおも、新たな蟲業手法の開発が必芁ずされおいたす。もう䞀぀、日本は食糧自絊率が䜎い囜ですが、その向䞊にも寄䞎したい。これらの課題に察し、健康的な土壌づくりを通じ、持続可胜な食糧䟛絊を目指しおいくのが、私たちTOWINGです。

*1参考『気候倉動に察する蟲林氎産省の取組 』蟲林氎産省
 https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/GR/attach/pdf/s_win_abs-71.pdf
*2参考『蟲業の「脱炭玠化」に向けた取り組み持続可胜な「食」を可胜に』 ASUENE MEDIA
https://earthene.com/media/359

「TOWING」が解決に向き合う課題に぀いお
その1地球党䜓の食糧危機問題
その2蟲業によっお排出される枩宀効果ガスの削枛
その3日本の食糧自絊率向䞊

蟲䜜物の収穫量が「70%アップ」したケヌスも

いかに持続可胜な食糧䟛絊を目指しおいくのか。その゜リュヌションの䞀぀ずしお泚目を集めおいるのが、TOWINGが開発した高機胜バむオ炭「宙炭」だ。

私たちが䞻に開発・販売しおいるのが「宙炭そらたん」ずいう高機胜バむオ炭です。この「宙炭」は、耇数の土壌埮生物矀を、淘汰し合わないように「バむオ炭」に付䞎し、蟲地に䜜甚させお、健康的な土壌を぀くれるずいうものです。じ぀は「日本酒」の研究においお「埮生物がどう䜜甚しおいるか」を調べおいるなかで芋぀かった独自技術でもありたす。この「宙炭」を畑に混ぜ、土壌づくりに掻かすこずで野菜の収穫量を増やし、生産効率を高めおいくこずができたす。

珟圚、「宙炭」を䜿った党囜30郜道府県、200件ほどのプロゞェクトで詊隓導入されおいたす。蟲䜜物や地域によっお異なりたすが、「宙炭」を䜿うこずで、収穫量を1070%ほど増せたずいう結果も出おいたす。今埌はアメリカ、ブラゞル、アゞアでも事業を拡倧しおいく予定です。

ただ、もちろん党おの蟲家さんで結果が出おいるわけではありたせん。どのような畑にもたけば䞊手くいくずいう、魔法の資材ではないので、蟲家の方ず密にコミュニケヌションを取った䞊での実甚を進めおもらっおいたす。

この蟲家ずのネットワヌクもTOWINGの匷みず蚀える。じ぀は圌ら自身も研究蟲園も持ち、野菜販売も行なう。それは人工土壌の研究ず同時に、事業モデルを深く理解し、蟲家に䌎走しおいくためだ。

いくら技術的に優れおいおも、ムリなく、適正な䟡栌でないず、蟲家さんには継続しお利甚しおもらえたせん。継続利甚いただき、生産効率を䞊げるためにも、䌎走しながら「土づくり」ず「アップサむクル」を含めた゜リュヌションを提䟛しおいく。たずえば、資材費単䜓では倚少割高になっおしたっおも「毎幎どのくらいの収穫量が期埅できるか」を粟緻にシュミレヌションし、結果を振り返りながら、バリ゚ヌションや投入量を調敎しおいくこずで、収穫量そのものを増やすこずができれば、収益を䌞ばしおいけたす。そんな颚に、珟堎で蟲家さんのニヌズや課題を拟い䞊げ、収益増に貢献しおいけるのも私たちの匷みです。

実際、バむオ炭や肥料を䜜る䌚瀟はありたすが、どのくらい蟲地にフィットするか、収穫量をどのくらい増やせるか、実地での知芋が足りないずいったこずも。その点、私たちは土壌研究の知芋、実地での䜿い方に入り蟌んでいける、いわば技術的なプロバむダヌでもありたす。実際、JAさん、党蟲さん、その他にも商瀟・゚ネルギヌ䌁業さん、飲料メヌカヌさん…さたざたな䌁業・団䜓ず連携し、プロゞェクトを進めおおり、土壌研究や実装におけるブレヌンずしおのポゞションを築いおいたす。

TOWING_01

「宙炭」に぀いお
高機胜゜むル技術を掻甚した高機胜バむオ炭の名称。日本酒の発酵技法を応甚し、意図的に"土壌埮生物菌矀"を再珟。畑10aあたり、CO₂換算で14tの炭玠固定が可胜で、収量の向䞊や枛化孊肥料・有機転換の実珟などの効果がある。さらに「月の暡擬砂」を焌結し倚孔䜓にするこずで、バむオ炭ず同じように埮生物を付䞎し、コマツナを栜培させる実隓にも成功しおいる。「人類が月で暮らしたいずなった時、月の砂で野菜が぀くれるため、土や食物の茞送コストを倧幅に削枛できる」ず西田さんは語る。24幎に愛知県に自瀟プラントを建蚭し、25幎には囜内3機の生産䜓制ずプラントコンサル事業を目指す。カヌボン・オフセットの遞択肢ずしお泚目される「バむオ炭」

もう䞀぀、圌らの゜リュヌションが泚目される背景には、䌁業で進むカヌボン・オフセット察応もある。その抂芁に぀いおも解説いただいた。

日本でも察象䌁業に、枩宀効果ガスの排出量の報告矩務が課されるようになりたしたが、䜵せおカヌボン・オフセットぞの察応も進んでいたす。䌁業掻動においおどれだけ努力しおも排出削枛がむずかしいずころもありたすよね。その排出量を算出し、他の分野によっお実珟された枩宀効果ガスの排出削枛・吞収量を「クレゞット」ずしお賌入できるずいうもの。「宙炭」も斜甚量に応じたカヌボンクレゞットの代理取埗・販売、売华利益の䞀郚還元に察応しおおり、ニヌズに応えるこずができたす。

特にグロヌバルだず「バむオ炭」が炭玠クレゞットずしお高く評䟡されはじめおいたす。2023幎9月にはマむクロ゜フト瀟がバむオ炭の炭玠陀去クレゞットを賌入する契玄を締結したこずも話題になりたした。自瀟の排出量を削枛する省゚ネフェヌズからオフセットフェヌズになっおきおいるのだず考えおいたす。TOWINGでも、IT系の䌚瀟さん、補薬系の䌚瀟さんが自瀟のCO2排出量をオフセットする手法を暡玢するなかで、私たちのプロゞェクトに泚目いただくケヌスが増えおいたす。

なぜ、炭玠クレゞットずしお「バむオ炭」が泚目されおいるのか。その理由に぀いお西田さんはこう語る。

たず、鶏ふんや牛ふんなどの堆肥を蟲地・畑に散垃するより、バむオ炭を掻甚したほうが「炭玠固定」ができ、CO2削枛に぀ながるずされおいる点は倧きいず思いたす。

たた、たずえば、東南アゞアやアフリカなど、今埌の人口増が芋蟌たれる地域に「宙炭」の補造プラントを蚭眮できれば、珟地の雇甚が生たれたすよね。さらに地元の蟲家さんの収穫量アップ、所埗アップに぀ながれば、地域開発にも぀ながりたす。そうなれば、炭玠クレゞットを賌入した䌁業の商品を賌入する方が増える可胜性にも繋がりたす。もちろん、CO2吞収源ずなる森林保党なども䞀぀のアプロヌチですが、地域開発ずの繋がりは少し薄いです。同時に倚様なオフセットが求められおいるなか、バむオ炭が新たな遞択肢ずしお泚目されおいるのだず思いたす。

実際、グロヌバルではさたざたなバむオ炭䌁業が誕生しおいお。私たちも競合するのではなく、連携しおプロゞェクトを進めおいるずころでもありたす。バむオ炭だけで芋おも、2032幎たでに54億米ドルの垂堎芏暡になるず掚定されおり*3、これからの成長産業ずしお期埅されおいるずいっおいいず思いたす。

*3バむオ炭垂堎レポヌト グロヌバルむンフォメヌションhttps://www.gii.co.jp/report/imarc1451221-biochar-market-report-by-feedstock-type-technology.html

TOWING_02

「TOWING」の匷みに぀いお

【1】日本酒の発酵技法を応甚した土壌埮生物菌矀 × ãƒã‚€ã‚ªç‚­ã«ã‚ˆã‚‹äººå·¥åœŸå£Œã‚’ç‹¬è‡ªé–‹ç™º
【2】JAや党蟲ずも連携。自瀟でも蟲業経営。党囜30郜道府県の蟲家ずのネットワヌク
【3】䞖界で新たなカヌボン・オフセットの遞択肢ずしお増す「バむオ炭」の匕き合い

宇宙で暮らす「未来の人たち」に、おいしい野菜を

そしお䌺えたのが、今埌の展望に぀いお。

たず䜕よりも倧切にしおいきたいのは、蟲家さんずのコミュニケヌションの積み重ねです。私たちは、衚立っお目立っおいく存圚ではなく、瞁の䞋の力持ち。そんな颚にしおどれだけ䌎走し続けられるかがこの事業にずっお䞀番のポむントだず思っおいたす。

圓たり前ですが、食卓で野菜を食べるずきに「これがバむオ炭による炭玠固定のメカニズムによっお䜜られた野菜なんだ」ず意識する人っおほずんどいないわけですよね笑でも、それでいいず思っおいるんです。理想は、みなさんが普段圓たり前にしおいる食事がじ぀は脱炭玠な瀟䌚、そしお未来に぀ながっおいく状態を䜜るこずです。

目の前でいえば、「宙炭」の補造プラントを増やしたり、海倖展開を加速させたり、やるべきこずは山積みです。研究、補造、アラむアンス、さらに蟲家さんぞの蟲地改良や収穫量アップのためのコンサルティングなど、党方䜍的に取り組んでいく考えです。

最埌に、西田さんが抱く「倢」ずは――。

唐突にこの倢だけを話すず、倉な人だず思われるのですが笑もずもず䌚瀟を぀くろうず思った目的は「宇宙で蟲業をするこず」だったんですよね。月面で機胜する蟲業システムを぀くりたい。実際、内閣府が䞻導する「宇宙開発利甚加速化プログラムスタヌダストプログラム」にも採択されおおり、宇宙蟲業のための開発も進めおいるずころです。

そういった倢を抱いた原点に近いのかもしれたせんが、もずもず名叀屋倧孊の地球環境孊郚に圚籍しおいた時、講矩である動画を芋たんですよね。カナダの豊かな森林を䌐採し、シェヌルガスを採取しおいくずいうもの。非垞に印象的だったのは、珟地の人たちが非垞に困っおいるものの、䜕もできない珟状でした。

日本での私たちの豊かな生掻は、グロヌバルで芋たずき、非垞に歪な構造の䞭で成り立っおいるのではないのか。そういった瀟䌚の歪さに関心を抱くなか、食糧領域のプロゞェクトには、䞖界を倉えるポテンシャルがあるかもしれないず考えるようになりたした。もずもず蟲業や宇宙の分野に興味があり、時代の朮流ずもフィットしたのだず思いたす。

ただ、そういった課題意識はあり぀぀も、自分ずしおやりたいのはシンプルに、宇宙で暮らす、未来の人たちがおいしい野菜を食べられるようにしたいずいうこず。たずは地球を良くしおいくこず、事業化しおいくこずで、宇宙のこずをやる䜙裕も生たれおいくず考えおいたす。たずは東南アゞアやアフリカ、ブラゞルなど、これから開発が進んでいく地域でプロゞェクトを成功させ、宇宙に進んでいきたい。もちろん日本にもただただポテンシャルがありたす。未来を生きる人たちが食べものに困らず、これ以䞊暑くならない、䜏みよい環境にしたい。そのためにも、たずは2030幎、そしお2050幎の脱炭玠蚈画を成立させおいけるよう、自分たちの技術を瀟䌚実装しおいければず思いたす。

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西田さんに聞く「TOWINGにフィットする人物像」に぀いお

TOWINGは研究、補造、販売、アラむアンス、蟲業コンサルティング、海倖展開など党方䜍的に事業展開を行なっおいるスタヌトアップです。そのため、メンバヌたちの倚様性が非垞に高いこずが特城。さたざたな職皮のメンバヌたちず連携しながら、未知の事業を掚進しおいける方が掻躍いただけるず考えおいたす。もちろん、蟲業、肥料補造・開発、土壌埮生物など、高い専門性を持぀メンバヌも倚くいたすが、さたざたな人たちから積極的に情報をむンプットし、柔軟性を持っおプロゞェクトに加わり、倉化を楜しむこずができる方がよりフィットするず思いたす。

たた、蟲業や土壌づくりに興味がある、資源埪環や脱炭玠をミッションずしお取り組みたい、経営局ず近い距離で仕事をし、スタヌトアップでの経隓を積みたいずいったメンバヌが倚く圚籍しおいたす。自らの発蚀・提案が事業展開に倧きな圱響やむンパクトを䞎えおいける環境ですので、蟲家さんたちずのコミュニケヌションをヒントに、事業やビゞネスに掻かしおほしいです。ぜひ倚様なメンバヌ、そしお瀟倖のパヌトナヌずも䞀぀のチヌムずしお新たな垂堎創出ず「持続可胜な食糧䟛絊」を目指しおいきたしょう。

TOWING 代衚取締圹 CEO 西田 宏平

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