INTERVIEW
青楓館高等学院

求む、「校長候補」。青楓館高等学院で、コンサル出身34歳の現学院長に次ぐ人材公募へ

掲載日:2024/02/26更新日:2024/02/26
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2023年4月、明石に生まれた今話題の新設校「青楓館高等学院」。2025年の新たな校舎のオープンに向けて「校長候補」含む6職種で募集を行う。「ビジネスの経験をもつ方こそ活躍していただけると思います」こう語るのは、同校の学院長を務める藤原照恭さん(34)。自身も、IBM、アクセンチュアでコンサルとして働いてきたキャリアを持つ。なぜ今回の公募に至ったのか。どういった経験が活かせるのか。ユニークな次世代教育を行う「青楓館」を率いていく働きがいとは。彼自身の「志」と共に伺った。

【青楓館高等学院とは】
2023年4月に設立された、通信制高校サポート校(*)。プロジェクト型学習を中心としたユニークなカリキュラムが特長。通うのは、さまざまな理由で全日制の学校を選ばない子たち。不登校の子はもちろん、最近では偏差値60~70を超えるような進学校に通っていた子たちが転校してくるケースも増えている。

(*)通信制サポート校とは
通信制高校に通う生徒の学習支援を行う学校。青楓館は通信制高校と提携をしているため、高卒資格の取得が可能。

【今回の「校長候補」募集について】
2024年2月現在、明石市の1校舎のみだが、今後、支店校として校舎を増やしていく予定。今回は、各支店校を率いていける人材を募集している。将来的には、支店校とは別に「学校法人」の設立も見据えており、学校法人の設立後は、藤原さんが学校法人のトップを務めることになるため、今から各支店校を率いていく人材を育成していく狙いがある。今回、入社した方のキャリアプランとしては、入社後1年は明石校にて藤原さんのもと経験を積み、その後、各支店校を任される予定。

※サポート校における代表者は「学院長」、学校法人では「校長」が正式表記となります。

>>>代表・岡内大晟さんのインタビューはこちら

高校生が「企業」や「行政」と共同プロジェクト。青楓館の次世代教育

「青楓館」は非常にユニークな教育を行っていると伺いました。その概要から伺ってもよろしいでしょうか。

高校生のうちから企業や行政とどんどん関わっていく。共同プロジェクトにも取り組む。ここが青楓館の教育で一番おもしろいところだと思います。そこでコミュニケーションスキル、主体的に動く力、答えのない課題に挑んでいくスキルを育んでいける。社会を巻き込み、物事を前へと進めていく術を学んでいく。そして生徒一人ひとりが自分らしく生きていってほしいといった思いがあります。そのため、5教科7科目の指導は行わず、「プロジェクト型」の学習を中心にカリキュラムを構成しています。

たとえば、プロのデザイナーに教わりながら生徒が自ら制服をデザインしたりも。さらに新校舎のインテリアを生徒が考案しました。その他、地域と夏祭りを企画、熊本の町長さんとのプロジェクト、奈良で新たなラジオ番組づくり、チュチュアンナさんとの商品開発、パソナさんと淡路島でカフェをつくるプロジェクトなど、自治体や企業と連携して進めるプロジェクトも実施しています。

僕らが変えたいのは、従来の「科目を教える教育」です。これこそ日本経済停滞の主な要因だと考えています。なので、まずは今後10年かけて僕らの教育を日本の王道にし、20年後には 日本を世界一の教育大国にしていきたいと本気で考えています。

そのためには少なくとも生徒数を5年で1000人、10年で数万人規模に増やしていきたい。まずは明石校と同じような学校を、支店校として増やしていこうと考え、その一歩として今回の公募に至りました。

今回、転職サイトで広く「校長候補」を募る理由とは?

教育業界経験・経験職種は問わず、ビジネス経験をもつさまざまな方に青楓館のことを知ってほしい、ぜひ可能性を感じていただき、応募してもらいたい。そう考え「公募」をさせていただくことになりました。

改めて、青楓館は教科指導ではなく「プロジェクト学習」をメインで行う学校。なので、学院長には、生徒と向き合うだけでなく、自治体・企業などステークホルダーと関わりながら進めていくビジネスの要素も求められます。実際、僕は教員免許は持っていませんが、コンサル時代にプロジェクトマネジメントをしていた経験が今に活きている。教育の仕事でありつつも、ビジネスの要素がかなり強いため、ビジネスの世界に身を置いてきた方々こそ活躍していただきやすいと考えています。

青楓館02

プロジェクト学習に関して、「まさに自分がプロジェクトマネージャーで、生徒がリーダー・メンバーという感覚に近い」と語る藤原さん。「自治体・企業が抱える課題をみつけ、そこに対して高校生が関わることで価値を提供できるか。自治体・企業にとっての投資対効果はどれくらいか、ロジカルに突き詰めてプロジェクト化していく。まだまだ無名の新設校なので、まずは知り合いの経営者や幹部の方にお声がけし、快く受け入れていただけたというケースも多くて。そういった意味では、これまでのビジネス経験、マネジメント経験はもちろん、人脈もフルに活用していますね」

卒業生たちの人生が、僕らの教育の答えになる

青楓館の学院長として率いていく、仕事の面白さとは?

青楓館では「学院長」も一人の教員だと思っているのですが、「未来」を創っていける数少ない仕事であり、最高におもしろい仕事だと思っています。

一般的なビジネスの世界では、KPIや目標などがあり、すぐに結果がわかりますよね。つまり、自分の行動や何が正しいのか答え合わせができる。一方で、教育はすぐには答え合わせができないんです。極論、今僕らは僕らのやり方で生徒たちと向き合っていますが、これが正解かどうかはわからない。わかるとすれば、10年後、15年後、卒業生の人生そのものが、答え合わせになるんです。

言い換えれば、卒業生たちが何かに迷ったりしながら選んだ選択というのは、青楓館に通っていたからこそできる選択になると思う。つまり、僕らが何気なく発した一言や行動の1つ1つが、彼ら彼女らを作っていく。当然、生徒はそのすべてを覚えているわけはないですが、何が生徒の心にひっかかるかはわからない。いつも「未来をつくる仕事をしている」、「生徒の人生を背負っている」という意識はもっています。

青楓館01

向かって左が代表取締役の岡内さん。右が学院長の藤原さん。二人の出会いは、前職時代のAO入試専門塾。数百人の生徒たちを合格に導いてきた実績をもつ。

自分の生き方を伝える。それも教育だと思う。

藤原さんは、青楓館の学院長になる以前は、IBM、アクセンチュアでITコンサルをされた後、AO入試の塾長をされていたと拝見しました。なぜコンサルから教育業界へ?

教育に関わりたいという思いがずっと心にあり、教育業界で働くことにしました。もともと私が幼い頃から母が、田舎の小さい塾で先生をしていて。いわゆる寺子屋のようなところだったのですが、子どもの可能性を信じ、ときには叱咤激励しつつ諦めずに寄り添う。そんな母の背中を見て育ったことは大きく影響していると思います。

また、「僕の経験からしか伝えられないことがある」と感じていたことも大きかったです。というのも、僕は足に障がいがあって。幼少期はいろいろなことを諦めてきたのですが、ある時、母から「そうやって足を理由にすべて諦めるの?」と言われました。以来、興味をもったことはとりあえずなんでも挑戦してやる、というマインドで生きてきました。タイ・カンボジアにも行ったし、NGOでケニアにも行きました。外資系コンサルでも働いた。色々と挑戦したからこそ、「ここまでは自分でもできる、これ以上のことは人に頼もう」というラインが、人より解像度高くわかるようにもなりました。

だからこそ、僕の経験から言えるのは「ここまでは僕ができたんだから、みんなにもできる」ということ。そして「一見ネガティブな事実があったとしても、マインド次第でポジティブに転換していける」ということ。

特に、通信制の高校に来る子たちは、何かを諦めている子が多い。今まで「できない」と言われてきたことがほとんどです。でも、本当は全部できる。これは、僕しか言えないことですし、僕がやらなければいけないこと。足が不自由で、人にお世話になりすぎてきた人生だったからこそ、この恩を誰かに返していかなければならない。そういった使命感に似た気持ちがあって、目の前の生徒に向き合っているように思います。

青楓館03

昨今、教員を志す人が減っている大きな要因として、教員の「年収」の課題が大きいと捉えている青楓館では、学院長になれば将来的には年収1000万円に到達するような給与テーブルを構築している。そのうえで、教員をもっと憧れられる職業にしていくために、「教員の職業観」も変えていきたいと藤原さんは語る。「これからの教員とは、“生き方を教える存在”に変わっていくといいなと考えています。現状、多くの学校で行われている5教科7科目を教える教育では、生徒から『この勉強が将来どう役に立つんですか?』と生徒に聞かれたとき、納得のいく回答をできる先生は少ないのではないかと思っていて。僕としては、生徒にちゃんと『こう役に立つ』と答えられることを教えたほうが良いと思っています。個人の生き方や考え方を知ることは、将来的にきっと役に立つ。そういった新しい教員の職業観も青楓館から醸成していきたいですね」

子どもたちが「日本はいい国」と思えるように

今後、実現していきたいことがあれば教えてください。

直近では支店としての校舎を増やしていきますが、そのさらに先には「学校法人」をつくることも見据えています。

少し専門的な話になりますが、現在の青楓館は「サポート校」といって、別の高校と提携してカリキュラムを借りる形で運営をしている状況。元となる学校法人をつくることができれば、いわゆるコンビニがフランチャイズで拡大していったように、もっと急拡大をしていくことができるようになると考えています。

理想で言えば、各都道府県に1校ずつ青楓館をつくりたい。そして、地域ごとに課題解決型のプロジェクト学習を組んで地方創生に関わっていく。たとえば、北海道校では北海道の地域の課題を、青森校では青森の地域課題を解決する学校でありたい。さらに、自分が望む場所で、望む期間だけ関われる仕組みにして、最終的には自分の国・地域を俯瞰した目で見る体験をしてもらいたいと思っています。

僕自身、高校時代にタイ・カンボジアに行ったとき、「自分の生まれ育った国・地域がどれだけ素晴らしいか」を強烈に感じました。その経験から、大学で研究したい内容が決まったんです。大人になってからわかることですが、外に出なければ、やりたいことや自分が将来考えていきたいことは見つからない。だからこそ、高校生のうちから「知らない場所に出る」という経験をしてもらいたいんです。

たとえば、兵庫出身の子が、北海道で3ヵ月過ごして、その次は青森で3ヵ月過ごして、最終的に地元の校舎に戻ってくる。そうすると、外に出たことで地域ごとの差異がわかるようになり、自分の地域の良さがわかるのではないかと思うんですよね。 もっと言えば、日本だけでなく、世界規模でも同様のことができたらいいな、と考えています。

教育を変えることで、日本はいい国であることを世界にもっと知ってほしい。これから生まれてくる子どもたちにも「日本はいい国だ」と思ってほしい。それが実現できたとき、日本は「教育大国」といえる状態になっているのではないかと考えています。壮大な目標。正直、生きているうちに成し遂げられるかはわからない。それでも、その一助になれたらいいなと思っています。

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