INTERVIEW
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)|代表取締役社長 井上裕美
IBMグループ新会社が採用強化へ。日本の「デジタル変革」推進、その中核を担う存在に。
2020年7月、IBMグループ3社が統合して生まれた「日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)」。先進テクノロジー・IT、そして業界知識に精通したプロフェッショナル集団だ。その中核を担うデジタル人材の採用強化へ。日本全体で課題となっているDX=デジタル変革において、同社が担う役割とは。そして求める人材とは。代表取締役社長 井上裕美さんにお話を伺った。
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「2025年の崖」のその先へ
「2025年の崖」
2018年、経済産業省が発表した「DXレポート」で言及された日本が抱える問題。デジタル変革が進まなければ、約12兆円の経済的な損失を招くとされ、多くの企業・機関における重点課題となっている。
いかにシステム的な負債を回収し、デジタル変革を推進し、競争力を高めていけるか。働き方改革、コロナ禍によって、その勢いはさらに加速する。
このニーズに対し、金融、保険・カード、製造業、流通、公共/公益など多岐にわたる業界で、迅速なITソリューション導入、そして堅牢な基幹業務の運用を提供するのが「日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)」だ。
IBMグループ3社が統合、2020年7月に誕生。同社が掲げるのは「持続的なデジタル変革の実現」だ。統合の背景について、代表取締役社長である井上裕美さんはこう語る。
「変化の激しいデジタルテクノロジー、そして社会経済の変化により、市場では高付加価値が求められるようになりました。ビジネスモデル、業務プロセスの迅速な変革が必要とされるなか、これまで3社で提供してきたソリューションを、これからは1社で提供可能に。そして、お客様の新しいビジネスモデルの構築、サービスや業務プロセス変革、システム開発、運用、あらゆる領域のデジタル変革の促進に対応していきます」
旧3社にて蓄積された業界知識、技術力を活かし、さらなる強化へ。そして人材の連携、流動性も武器となった。こうして新規領域の開拓、ITソリューション導入、そして堅牢な基幹業務の運用・高度化の両輪を推進していく。同社が見据えるのは、「2025年の崖」のその先だ。
日本のデジタル変革において同社が果たす役割とは。そして次時代を担っていく人材、求める人材について、井上さんに伺った。
2003年に日本IBMへと入社。官公庁のシステム開発エンジニア、PMなどを経て、2011 年には官公庁デリバリー部長に就任。2020 年、日本IBMグローバル・ビジネス・サービスのガバメント・インダストリー理事に就任。同年7月1日より新会社設立に伴い、現職に就任。社内の技術者コミュニティの事務局長やリーダーとして、若手育成や女性の技術者育成にも携わる。私生活では二人の娘の母でもある。
どの地点から「DX」を行うか、中核プロジェクトの推進を
「DX」と一言で言っても、そこに至るまでにはフェーズがある、と解説してくれた井上さん。同社の強みは、3社が統合したことで、そのあらゆるフェーズにおいて本質的な課題にアプローチしていける点だ。
「お客様によって、DX推進へのスタート地点はさまざまです。アナログだった業務をデジタルに置き換える“デジタイゼーション”なのか、デジタルを活用したビジネス・事業価値を創出する“デジタライゼーション”なのか。この1年、コロナ禍の影響もあり、ペーパレスやリモートワークなど“デジタイゼーション”はかなり進んだ部分があります。ただ、後者の“デジタライゼーション”はまだ試行錯誤されているお客様も多い。ここからDX推進へと一気に加速していけるかどうかが重要だと捉えています」
その際に重要になるのが、旧3社に蓄積された業界知識、技術力。そして顧客との信頼関係だ。
「お客様の業界、そして開発・保守について深く理解しているため、現場力を持って議論できます。ここも日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)の強み。たとえば、インフラにおけるコスト削減にしても、単純にコストを下げるのではなく、多くの事例をもとに、守るべきところ、変革すべきところについて、ワンチームで決めていく。同時にVUCA時代なので、長期的にはゴールは変わっていくものです。トライアル&エラー、且つアジャイルで打ち手を打ち、結果を検証していく。これもお客様との信頼関係があるからこそ成り立つ部分です」
多くの業界、市場の基幹系を支えている同社。そこが揺らいでしまったら、そもそもデジタル変革は叶わない。
「スタート時点を安定的に支えている、その知見があるからこそ、次なる変革のための打ち手の説得力も高まると考えています。そのためにも、弊社としてもどんどん知見を蓄え、スキルを磨き、変革の打ち手へとつなげていきます」
2020年7月、コロナ禍において「リモートワーク」をベースにスタートした日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)。今後の組織として目指す姿として「場所の制約により、「働く」を諦めなくていいようにしたいです」と語ってくれた井上さん。家庭の事情で地方に移り住んだとしても、全国に展開している同社であれば活躍の場は多い。さらにオンサイト、リモートワーク、それぞれの良さを踏まえ、より働きやすい環境づくりを構築する。同時にどの領域でも活躍できる人材としてスキルを磨くことも重要。高いプロフェッショナリズムも必要だろう。
デジタル人材が育つ「コミュニティ」の醸成。「学び」に飽和点はない
顧客へのソリューション提供において、先端をいくデジタルテクノロジーの知見は欠かせない。同社がユニークなのは、他社製品を含め、いわゆる「触れる環境」が豊富にある点だ。
「メインフレームとして守るべきところは守りながら、クラウドへのシフト、ハイブリッドクラウドにも当然対応していきます。目指すのは最適化。あらゆるデジタルテクノロジーの知見、スキルを身につけ、お客様の現場においてプロフェッショナルとして適応していきます」
メインで携わる業務、プロジェクト以外にも「コミュニティ」はIBMグループならではの特徴だ。
「弊社は技術職の集まりでもあります。社内にも多くのコミュニティが存在しており、とことん技術を追求していける。ここも魅力です。会社としても数千人のメンバーが在籍しています。若手の方々の切磋琢磨はもちろん、女性技術者を増やしていくための取り組み、シニアから教わる、逆に若手がシニアに教えるといった勉強会なども実施しています。さらに社外や産学連携のプロジェクトもあります。こういったコミュニティ、学びの文化醸成もデジタル変革の推進には欠かせません。デジタル人材をいかに育て、生み出していくか。お客様はじめ、業界全体の課題でもあり、そのためにも重要な取り組みとして捉えています」
ここは同社が求める人物像にも重なる部分だ。
「IBMグループの文化として古くから、学びに飽和点はないと言われており、まさに現代もこの考え方が引き継がれています。若手のみなさんも、シニアのみなさんも、さまざまな世代のメンバーとのコミュニケーションを通じ、知見を得て、学び続けていく。ぜひグロースマインドセットを持っていただきたいところ。成長していきたい、そういった方であれば、いつでもアクセスできる「学び」のプラットフォーム、コンテンツはIBMグループのなかに豊富にあります。ぜひ自ら学びとり、さらに情報や知見を還元していく。そして、コラボレーション、共創していく。そういったサイクルをまわしていただければと考えています」
同社で働く魅力について「技術をとことん探求できること。そしてdiversity and inclusion(ダイバーシティ&インクルージョン)とEquity(エクイティ)の企業文化を体感してもらえること」を挙げてくれた井上さん。100年以上前に「女性が活躍する働き方」というトピックを既に扱っていたというIBMグループ。ジェンダーだけではなく、働く場所、働き方、国籍、世代…多様性と本質的な公平性「イコール」の文化を、実践としても感じられる環境があるという。
世の中の人たちの「幸せ」につながる仕事を
そして取材の最後に伺えたのが、井上さん自身の仕事観について。彼女にとっての「仕事」とは――。
「仕事とは、お客様に喜びを感じていただけること。そして、その事業やサービスを通じ、また誰かの喜びにつながっていく。仕事を通じ、お客様が成功し、業界も活性化していきます。そしてその恩恵はユーザーの方々に届くもの。そういった多くの人に「幸せ」を感じていただけることが、私自身の「幸せ」につながっています」
そして「デジタル技術」の提供は、より多くの人々の「幸せ」へとつながっていく。
「たとえば、スマホやタブレットが普及し、子どもたちのオンライン教育などもかなり普及しました。ゲーム感覚で端末に触り、楽しみながら知識を得ていて。これは教育のあり方、子どもの学習の体験が変わったということですよね。シニアの方々にしてもオンライン診断が受けられるようになったり、コミュニケーションがスムーズになったり、すべての世代の方々の生き方が無意識に変わりつつある。その根幹を支える、デジタル技術を提供していくことができます。そういったところに惹かれますし、私自身の「幸せ」に通じるものなのだと思います」
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