INTERVIEW
博報堂コンサルティング

博報堂コンサルティングで「企業ブランディング」のプロに。左脳 × 右脳アプローチで企業の可能性を拓く挑戦

「パーパス経営」という言葉を耳にしたことがある人は多いだろう。では、博報堂グループに、パーパスをはじめ企業ブランディングを行なう専門ファームがあることはご存知だろうか。今回、「博報堂コンサルティング」ではアソシエイト・コンサルタントを募集へ(アソシエイトはコンサル業界経験不問)。採用強化のタイミングに、コンサルタントの池原 央貴さん(32)にお話を伺った。なぜ彼は企業ブランディングの道を志し、次のステージに同社を選んだのか。その転職ストーリーから、同社で働く魅力に迫る。

博報堂コンサルティング
2001年に博報堂から独立した、ブランディングに強みを持つ戦略コンサルティングファーム。「ブランドの力で、 人と企業の想いをむすび、 社会の可能性をひらく。」をパーパスに掲げる。特徴は、博報堂が培ってきた生活者発想と、コンサルティングファームが持つ経営戦略のノウハウを融合させている点。ファクトベースでの間違いない戦略だけではない、これからの社会や生活という視座でとらえ直したドラマティックな戦略を提案する。
パーパス経営……社会における存在意義を問い、存在意義を軸にした経営を行なうことを指す。

「論理に溺れない、感性に逃げない」そのスタンスに惹かれた

1社目は資産運用会社でアナリスト、2社目は戦略ファームのコンサルタントとして働いていた池原さん。そもそも、ブランディングの道を志した経緯から伺えた。

これまでのキャリアで「良いものを作っているだけでは売れない」と痛感した。これが、ブランディングに興味をもったきっかけでした。

たとえば、1社目でアナリストをしていたとき。すごく良いサービスをつくっていて、商品のブランディングはうまくいっているように見える企業でも、必ずしも株価は上がっていかない。世間からみあった評価が得られていないケースを多く目にしてきました。ならば、もう少し直接的に企業の成長や企業価値向上に寄与したいという思いから、2社目は戦略ファームに入社。M&Aなどのプロジェクトを担当するなかでは、以前よりもさらに近くで、いい製品をつくっていても売れず事業再生を余儀なくされる企業と向き合うことに。やりがいはあった一方で、「もっとこの会社の魅力を、市場にうまく伝えることができていれば…」という思いが、より切実なものになっていきました。企業のブランディングの重要性を再確認した、とも言えるかもしれません。

次第に、企業のブランドの領域を追求していきたい思いが強くなり、そうした事業を手掛ける会社を探すようになりました。そのなかで出会ったのが、博報堂コンサルティングです。

特に、HPを見ていたとき「論理に溺れない、感性に逃げない」という言葉が目にとまったんです。これは、左脳と右脳のバランスを大事にするという博報堂コンサルティングの組織文化を表す言葉。一文で本質を表現されている清々しさはもちろん、当時コンサルとしてひたすらロジックを組み、いわゆる“左脳100%”だった私にはハッとさせられる言葉でもあって。「こんなコンサルがあるんだ」と衝撃を受けたことを覚えています。

さまざまな選択肢があったなか、博報堂コンサルティングの決め手とは?

応募後、社長(当時)の牧口から直々に事業説明をしてもらう時間があり、「ここなら確かに企業の成長、価値向上に貢献できる。まさに自分がやりたいことをできる」と思えたことが決め手でした。

具体的には、いわゆる戦略ファームにありがちな「戦略を立てて終わり」ではなく、ブランド戦略をたてた後の実行フェーズまで入り込んでいけること。そして、博報堂が有するさまざまな生活者データ、プロのクリエイターなど、博報堂グループ全体のリソースを活用しながらユーザー視点に立った実装ができること。こういった話を、実際のアウトプットを含めて見せてもらい、ものすごくワクワクしたんです。

前職は事業再生のプロジェクトなどを担当しており、いわばマイナスを0にするようなイメージだった一方で、ブランディングは1を10にも100にも進化させて積み上げていけるようなイメージをもち、ものすごく魅力的に映りました。幸い選考もスムーズに進み、最初に内定をいただけたというご縁もあり、入社を決めました。

博報堂コンサルティング01

前職は、戦略ファームで事業再生のプロジェクトに関わっていた池原さん。選考当時の気持ちをこう振り返る。「前職では、資金繰りが毎日ショートするかもしれない企業と向き合う日々でした。人件費カットのためのリストラなど、ドラスティックな判断を迫られる立場。自分としてもかなり神経が張り詰めていたのかもしれません。社長(当時)から事業説明をしてもらったとき、その仕事内容の魅力を感じるとともに、さっと手を差し伸べられたような感覚があったのを覚えています」

パーパスを基軸とした、企業変革を

では、博報堂コンサルティングでは、実際にどのような形でプロジェクトが進行していくのか。現在、池原さんが担当する「大手老舗企業のリブランディング」のプロジェクトを例に解説してくれた。

大手老舗企業のリブランディングを進めていくうえでは、企業の経営層、経営企画の方々とお話しさせていただくのですが、皆さん共通して「今までと変わらなければならない」という強い危機感を持たれています。

たとえば、50年、あるいは100年という長年の歴史から保守的なイメージを抱かれている会社が、この先もそのイメージのままでいては、投資家や生活者から「あの会社は保守的だから攻めたことはしないよ」と思われてしまう。特に、マーケットがグローバル化する今、「変わらないでいること」はリスクになりえる。そのため、パーパスから見直していく、今あるブランドイメージをより進化させて新たなイメージをつくっていく、ということが企業の成長において重要になっています。

そこに対し、私たち博報堂コンサルティングでは、クライアントのステークホルダーへのインタビューはもちろん、社員のみなさんから、会社にどういったイメージを持って欲しいのか、考えを抽出して整理し、示唆を出していく。そして、それらの情報を元に、博報堂のコピーライターがパーパスに落としこむ。さらには、プラナーがTVCM、イベント、プレスリリースなど、ターゲットにリーチしやすい形で落とし込み、狙った層にメッセージを届けていく。コンサルタントは、その一連にフロントとして関わります。加えて、ブランド策定後の長期経営計画への落とし込みも行なっていく。中長期的な競争力の源泉となる強いブランド構築を一気通貫でサポートしていきます。

特に、博報堂コンサルティングの仕事の特徴といえるのが、左脳と右脳を絶妙なバランスで使っていくことなのかなと思います。ロジック100%の正論は、間違ってはいないのだろうけれど、どうしても生活者の心には届きづらい。そこを、生活者発想をふまえたクリエイティブとの掛け算によって、共感を生む表現に落とし込んでいく必要がある。その考え方や、言葉に対する姿勢は、コンサルタントにも求められるのかなと思います。

働くなかで感じる、仕事における「やりがい」とは?

まだプロジェクトの途中ではありますが、100年以上続く企業の新たなパーパスができたときは、非常に感慨深いものがあり、やりがいを感じた瞬間でした。

というのも、パーパス策定までの道のりは決して平坦ではありませんでした。入社してから痛感している部分でもありますが、ブランドとは、きっちりと定義をすることが難しいもの。クライアントのなかでも、担当者の一人ひとりが全く異なる思いを持たれています。関係者一人ひとりの声を抽出し、どういった方向であれば、みんなが納得でき、愛着を持てるものになるのか、何十時間も議論してきました。それが、ようやくコピーライターの手によって形になった時。関わったクライアントの社員のみなさん一人ひとりの思いを汲み取った一文をみた時、「ああ、やっと収束した、形になった」と。ほっとしたような思いと、心地よい疲労感がありました。

今後、来年、再来年と、どんどんアウトプットがリリースされていく予定です。きっとニュース等で目にするたびに、「あの頃はこのプロジェクトで頑張っていたな」と思い出すんだろうなと。今から楽しみですね。

また、長期計画の策定などを行なう中では「将来この内容を決算説明会の場で、スライドで映した時、投資家たちからどんな反応があるだろう」と思いを馳せながらつくっています。これは、もともとアナリストとして決算説明会に出席していた人間としての性かもしれませんね。「自分が投資家側ならこういう経営計画が出てくれると嬉しいな、ワクワクするな」といった感覚は、今も大事にしています。

博報堂コンサルティング02

コンサル出身で前職時代はいわば「ロジック100%」の環境に居たという池原さん。入社後に驚いたことについてもふれてくれた。「資料の作り方1つとっても全く違います。前職時代は、データとそこに対する示唆を1~2行でまとめるような資料でしたが、現職では図や動画を多用し、より視覚的に訴えるようなつくり方をすることが基本です。また、社内には言葉を大事にするマインドが根付いているように感じます。たとえば、普段のミーティングで議事録を残すときも、あえて結論・理由だけのシンプルな構造にはせず、そのコピーに決定するまでの道のり・思考をそのまま辿れるよう、過程を含みとる形で記録する。コンサルの“結論ファースト”に慣れている人にとっては、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません」

ブランディング領域のスペシャリストになりたい

続いて伺えたのは、今後の目標について。

まずは経験を積み、もっとブランディング領域における専門性を深めていく。ここに尽きると思います。

自分で言うのも恥ずかしいのですが、私はどちらかというと昔から要領が良いタイプ。満遍なく平均80点は取れるんです。ただ、100点は取れない。だから、どうしても100点を取りたくて、キャリアにおいても「どの領域なら100点を狙えるのか」を模索し続けてここまできたように思います。

これまでのキャリアを振り返っても、「分析をメインに投資判断をしてみたい」→「お金を出すだけではなく、経営戦略から携わりたい」→「どうやら経営にはブランディングが重要そうだ」といったように、より興味のある領域に絞り、深く潜ることで尖らせていっているような感覚なんです。まだ道半ばですが、在りたい状態には着実に近づけているのではないかと思います。

そしていつか、自分が社会人になりたての頃にお世話になった企業から「ブランディング領域の専門家」として指名されるような存在になれればと思っています。特に、アナリスト時代にエンタメ企業の社長とお話する機会も多かったのですが、エンタメ産業は今後日本において重要なセクターになっていくと思いますし、いち生活者としても好きな領域。この分野から業界全体を盛り上げていくような仕事ができたらいいな、という理想はあります。

最後に、池原さんにとって仕事とは?

仕事とは、「人生を楽しむためのスパイス」のようなものなのかなと捉えています。働く中では大変なことも多いですが、そういうピリッとした部分があるからこそ、仕事おわりのビールが余計においしく感じるのかなと。そして、仕事は、今後何十年と生きていく中で、その大半を占めるもの。だからこそ、無味乾燥なものではなくて、より人生を楽しむための日常にしていきたいなと思っています。

博報堂コンサルティング03
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