2025年度、中央省庁等が「国家公務員」の合同公募実施へ。複雑化、多様化する行政ニーズに対応し、政策を企画・立案・実行していくためにも、多様な経験・専門性を持った人材が必要とされている。これまでの中央省庁等で政策の企画・立案を担う「総合職」相当の採用に加え、2025年度には「一般職」相当にあたる職員公募が新設された。それらの募集要項、試験概要・選考時のポイント等について見ていこう。
2025年度「国家公務員」合同公募について
国家公務員の中途採用は、人事院が一括して募集するものから各府省が独自で行うものなど様々な募集があります。今回の合同公募(経験者採用試験)は、人事院(*1)が一括して募集し、各府省が採用する形式の採用機会であり、計20の中央省庁等にて計約300名採用を予定しています。
(※1)国家公務員法に基づき、人事行政に関する公正の確保及び国家公務員の利益の保護等に関する事務をつかさどる中立・第三者機関として、内閣所轄の下に設けられた機関。

※( )内は採用予定人数となります。2025年7月1日現在のものであり、変動する場合もあります。
※【A区分】は総合職試験採用者等が従事する「政策の企画立案等」を職務とする係長級への採用となります。【B区分】は一般職試験採用者等が従事する「政策・事業の実施等」を職務とする係長級への採用となります。応募要件、試験地等は求人詳細をご確認ください。

※最終合格発表日後、A・B区分ともに官庁訪問(各府省における面接)を実施します。


私たちを取り巻く社会課題はますます複雑化・高度化しています。そして社会情勢の変化の中で、国民の価値観・幸福感も変化しています。こうした中で、多様で複雑な行政ニーズにしっかりと対応していくためには、従来の発想ややり方の延長線上にはない、新しいものの見方や知見を有する人材を多くの行政組織において必要としています。
このような背景を受けて、今年度より総合職相当に加え、一般職相当の事務系係長級の府省合同試験を新設しました。
公務に従事する様々な組織やあらゆる層において、多様な経験やバックグラウンドを有する職員で構成されていることは、これからの国や社会の未来を左右する、非常に重要なテーマです。ゆえに、多様な価値観を有する国家公務員一人ひとりがより働きがいを持ち、多様な働き方を実現できる職場環境作りにも力を注いでいるところです。
私自身も民間出身ですが、当たり前のように存在する今日の日本での生活がどのように支えられ、その仕組みはどのような背景で作られてきたのか、深く知る機会が多いと感じています。先人達が築いてきた歴史を踏まえ、次の世代にバトンを渡していく。よりよい未来を創っていく。民間組織での仕事とは異なるスケールでの仕事の醍醐味、面白さ、楽しさがあります。
これまで培われた知識やスキルだけでなく、これまで国家公務員以外の立場で仕事をしたり、生活をされてきた中で感じてこられた行政への期待や望み、もしくは不安や不満といった、ご自身だからこその“想い”を、ぜひ国家公務員としての仕事に思いっきりぶつけてみてはいかがでしょうか。(内閣官房内閣人事局 調査官 新庄浩子)