INTERVIEW
国税庁|国税専門官採用

「税務」の知識を身につけ、公平な社会を支えていく――保険営業から東京国税局に転職した職員の思い

掲載日:2026/02/20NEW更新日:2026/02/20
求人掲載中

全国12の国税局(所)にて約1,100名の「国税専門官」募集実施へ。同募集に伴い、特別インタビューをお届けする。今回取材したのは、もともと保険代理店にて営業として働いていた東京国税局職員。次のキャリアに国税局を選んだ理由、そして入局後の「働きがい」とは――。

保険営業から国税局職員へ。異業界からのキャリアチェンジ

はじめに前職の仕事内容、そして転職のきっかけから話を聞くことができた。

前職は、保険代理店にて営業として働いていました。もともと知人が怪我をした際に「保険金で治療ができた」という話を聞き、保険の大切さを知り、「誰かの役に立つ仕事がしたい」と思ったことがきっかけでした。実際、お客様の人生に寄り添う提案などにやりがいもありました。

ただ、働く中で考えるようになったのが、その後のキャリアについてです。自社が扱う商品だけでお客様のニーズに応えられるのか。業務に関する知識を身につけるだけでいいのか。これからも競争と変化の激しいこの環境でやっていけるのか。当時はまだ20代前半だったこともあり、自己研鑽を通じて業務の幅を広げたり、より専門性を高めたり、キャリアの可能性を広げたいと考えるようになりました。

そして勤めていた保険代理店を退職し、次のキャリアを模索することに。その中で偶然出会ったのが「税務」の世界だった。

保険代理店を退職後、一時期アルバイトをしながら生活していたのですが、人生で初めて税務署に足を運び、確定申告を経験しました。まずそういった制度・仕組みが興味深かったですし、税務関連の仕事に興味を持つきっかけにもなりました。

「確定申告のサポートを行うアルバイト」も経験したと振り返る。

興味を持って勉強するだけではわからないことも多いと思い、税務署でもアルバイトをしたのですが、その中で特に感銘を受けたのが、税務署職員のみなさんの働きぶりでした。豊富な知識をもとに複雑な質問に即座に答えていく。納税者の状況に合わせて丁寧に対応し、困りごとを解決していく。そして相手を見ながらも平等性を失わない。その姿は、今も記憶に残っていますし、尊敬の念と憧れから、税務署の指導・監督も担う「国税局」を志す動機につながりました。

ambi_rtb2601_04

税務署でのアルバイト時代について「当初は税務知識が全くなく、納税者と職員の連絡係のような状態でしたが、アルバイトが終わる頃には部分的な知識も身につき、自身の成長を感じることができました。」と振り返る。

適正公平な課税を目指して

その後、入局を経て、2023年まで法人課税部門にて税務調査(*1)に従事することに。特に印象に残っている事案について話を聞くことができた。

(*1)法人が提出した申告書や決算書を基に事前分析を行った上で、企業を訪問し、会計帳簿や契約書、電子データ等を確認しながら、法人税等の申告内容が法令に基づき適正に処理されているかを検証するもの。誤りが認められた場合には修正申告の指導等を行い、適正・公平な課税の実現を通じ、税務コンプライアンスの維持・向上を図る役割を担う。

特に印象に残っているのは、法人が意図的に売上を計上していない「売上除外」、いわゆる不正行為に対する是正指導に携わったことです。実際、その企業まで出向き、たとえば、社長に直接「売上除外」を指摘するのですが、さまざまなケースを経験しました。

中には、我々からの指摘により、すぐに非を認めて適正な申告に改めた社長もいますが、一方で、明らかな不正をしているにも関わらず、さまざまな理由で反論し、決して認めようとしない社長もいます。もちろん、いずれも加算税を課す必要があることに変わりはありませんが、正直に認めた者には加算税を課し、認めなければ加算税が課されないということでは、適正公平な課税とは言えません。そのようなことを許せば、前者の社長のように正直に認めた方に限らず、適正に申告をしている多くの納税者の方々が、言ってしまえば「馬鹿を見る」ことになってしまう。それだけは避けなければならない。その強い思いから、後者のような企業にも根気強く説得に向き合えるようになりました。

また、不正行為を把握した際、どういった経緯、背景があり、不正を行ってしまったのかを深く調査することで、別の手口による不正を把握するための糸口にもなります。こういった経験を繰り返し、税務行政を担う職員としての知見と責任感が培われてきたように思います。

法人課税部門を経て、現在は調査第一部 事前確認審査課にて国税調査官として業務に従事しているという。その仕事内容とやりがいとは。

現在は主に「移転価格税制(*2)」に関する、法人からの「事前相談」に対応しています。わかりやすいところだと、日本のメーカーから世界的に有名な外資系ブランドまで、さまざまな法人から寄せられる「海外のグループ企業間での取引価格」における懸念事項への回答、申請に必要な情報提供、申出作成に関するアドバイスなどを行っています(*3)。

たとえば、「グループ企業間での取引価格が適正かどうか」「日本における法令に適合しているか」など。過去にはインフラ系の企業から「海外における巨大プロジェクトの適正価格を決めたい」というスケールの大きな事業の相談に対応したこともありました。

そのほとんどが日本を代表する企業、グローバルで活躍する企業からの相談です。そのため「日本の利益が不当に海外へ移転するのを防ぐ」という役割を担っていると言えます。また、先端機器の製造工程や世に出る前のプロジェクトについて直接話を聞くことができるため、個人的にも大きなやりがいを感じています。

(*2)移転価格税制について
移転価格税制とは、法人と国外関連者との間の取引を独立企業間価格と異なる価格で行ったことにより、その法人の所得が減少する場合に、その取引が独立企業間価格で行われたものとみなして法人税の課税所得を計算する制度。国外関連取引を通じた所得の海外移転に対処することにより適正な国際課税を実現することを目的として、1986年に導入された。
(参照)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kokusai/itenkakakuzeisei/pdf/takokuseki_01.pdf

(*3)移転価格税制に伴う「事前確認」と「事前相談」について
移転価格税制に伴う「事前確認」は、将来的な関連者間取引における適正価格を事前に確認するもの。法人にとって将来の予測可能性が確保できる。事前確認に関する審査は国税局によって実施され、事案によっては半年間を要する場合もある。また、法人が「事前確認」の申出を提出する前には「事前相談」が実施される。これは国税局職員が法人と面会し、効率的な審査実施のために重視していく点や申出作成に関するアドバイスを伝え、申請に必要な情報を共有することを指す。

ambi_rtb2601_05

「昨年度は移転価格税制における審査業務に従事しており、そこでも貴重な経験を積むことができました。たとえば、日本法人のグローバルな活動状況の把握、関連法人との取引内容や市場環境等の詳細なヒアリングをしていきました。適正な取引価格を検証するためには「法人が果たす役割の検討」に時間をかけていきます。そのプロセスにおいて、スケールの大きさを実感すると同時に、世界情勢等の外部要因のキャッチアップなど日々の自己研鑽にもつながりました。」

税務行政で「日本の社会基盤」を支えていく

そして今後、「仕事を通じて実現していきたいこと」とは――。

日本には本当に魅力的な技術、そしてサービスを持つグローバル企業が多くあります。そういった素晴らしい企業が、日本と他国との二重課税などのリスクを過度に懸念することなく、安心して経済活動に集中できる環境づくりに貢献していきたいです。当然、世界情勢などの状況は目まぐるしく変わるため、「審査」段階では適正な価格であるとしても、いざ次年度になると、予測できない変化により適正な価格が変わってしまった、ということも稀に起こり得ます。将来の見通しは不確定な要素が多く、適正な価格を審査するのは困難ではありますが、何年か経って結果を振り返った時に「あの時の審査は正しかった」と自信を持って言えるように努めていければと思います。また、個人的には、これまで知らなかったことを知る、できなかった経験をしていくことに大きなやりがいを感じるタイプだと思っています。まさに国税局は新たな知識・経験が得られ、成長できる環境です。この環境で自己研鑽しつつ、「日本の社会基盤」を支える重要な税務行政に携わり、公平な課税を目指していければと思います。

ambi_rtb2601_01

応募者へのメッセージ

「国税局で働く魅力の一つに、実務と同時に専門性を着実に高められる研修制度と、長期的なキャリアパスが用意されている点があります。税法や会計の基礎を学ぶ研修から始まり、実務経験を積みながら段階的に専門分野へと進んでいく体系的な研修が整えられています。中でも、選抜制で実施される国際税務や移転価格等をテーマとした専門研修は、半年程度にわたり集中的に学ぶ機会もあり、専門性を深めたい職員にとって大きな挑戦の場となります。また、実際の業務において「税法に明文規定がない難しい事案」に直面することもありますが、その際は「過去の判例」などを参照しつつ、税法解釈を専門に担う審理部門と議論を重ね、結論を導いていく経験もできます。こうした環境でプロフェッショナルとして判断を下す経験は他では得られないものです。さらに、国内での経験を重ねた先には、国税庁で各国税務当局との協議や交渉を担うなど、国際舞台で活躍するキャリアもあり、意欲と努力次第で可能性を広げていける職場だと感じています。ぜひこういった環境を魅力に感じる方にも応募を検討いただければと思います。」

この記事を読んだ人におすすめの記事
最近ご覧になった求人に基づいたおすすめの求人
若手ハイキャリアのスカウト転職