あらゆる業界・業種の企業が、海外市場に進出している昨今。国際会計基準の対応、グローバル連結経営の導入、内部統制の強化、M&A後の統合支援など、財務・会計が担う役割がより重要視されている。特に、多岐にわたる事例に明るい「財務・会計コンサルタント」が求められる場面も。そこで今回は財務・会計コンサルタントの求人動向について見ていこう。
そもそも、財務・会計コンサルタントはどういった役割を担うのか。求人を見ると、企業・ポジションによって違いはあるものの、大きく分けると以下のようなミッションを担うことが読み取れる。
・国際会計基準(IFRS)の決算業務プロセス構築/システム構築・改修
・経理財務部門の変革構想立案・策定、プロセス改善・変革支援
・経営管理の仕組みのグローバル展開支援
・経営管理のためのKPI設定から運用支援
・M&Aアドバイザリー
多くの企業がグローバル展開を進める時代、海外企業に対するM&Aを強化する動きもある。そういった中、財務・会計領域はより一層複雑化しているといっていいだろう。
加えて、世界120ヵ国以上で使用される「国際会計基準(IFRS)」への変更や、グローバル連結経営の導入、内部統制の強化、M&A後の統合支援、新たな会計システムの導入など、多くの企業が財務・会計領域の変革を進めている。
今後、財務・会計コンサルタントが担う役割はより大きくなっていくと言えるだろう。
求人を見る上でポイントと言えるのが、必ずしも「財務・会計コンサルタント経験」を求めない募集も多いということ。たとえば、事業会社のコーポレートファイナンスに携わってきた方や、投資銀行・証券会社でM&Aに携わってきた方、会計システムの開発・導入に携わってきた方を求める求人もあった。
それでは今、どういった求人がオープンになっているのか。具体例を紹介していこう。
※2021年1月現在の求人となります。
■アクセンチュア | Client Financial Management
グローバル案件を含む同社のプロジェクトにおいて、ファイナンス面からサポートするポジション。
具体的には、プロジェクトの進捗に合わせ、プライシング、フィナンスのセットアップ、月次のファイナンスレポート、クロージングまでサポートを行っていく。管理会計のプロフェッショナルとして、多様なミッションに携わるチャンスがあるといえるだろう。
■PwCあらた | 会計・財務報告アドバイザリー
クロスボーダーM&A、事業売却、事業再編、株式上場、アライアンス、資金調達などのトランザクションから起因する会計・財務報告アドバイザリー業務を専門に行うチームに配属となる。
具体的に携わるのは、GAAPコンバージョン、複雑な会計処理(企業結合会計、連結会計、流動化会計、リース会計、ストックオプション会計、Purchase Price Allocationに関する会計、減損判定)など。国内にとどまらず、グローバルのプロジェクトに携わっていくという。
企業の競争力を高めるため、サービス品質や営業力の向上だけでなく、財務・会計面の見直しがより重要になっている。ファイナンス関連のスキルを活かせる場は広がっていると言えるだろう。ぜひ求人に「興味あり」を押し、事前の合格可能性を受け取ってみてほしい。