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ドローン、フィンテック、ニュースメディア…

最高責任者「CxO」募集が加速 ―― 経営体制の強化で、市場に攻勢を

掲載日:2020/11/27更新日:2021/02/22

今回取り上げるのは「CxO」のポジションについて。CEO、COOなどは日本でも一般的な役職になりつつあるが、最近では転職市場でも募集求人を見受けられるようになった。

CxO新設の流れ、企業のグローバル化・デジタル化も一因に

「CxO」―― xには、E(経営:Executive)、O(執行:Operation)、F(財務:Financial)などの担当業務が入り、各領域の最高責任者ということを意味する。

日本国内でも、ベンチャーから大手まで、企業規模や業界・業種を問わず、新たにCxOを設置する流れがある。

その要因の一つが、多くの企業が推進するグローバル化だ。ビジネスサイクルの短縮化は進み、企業間の競争は世界規模で激化。そういった中で、経営課題に対してよりスピーディーに、なおかつ、より高い専門性を持って対応することが重要になっていると言えるだろう。

経営層の一員として各領域のスペシャリスト「CxO」を置くことで、意思決定や判断のスピードを上げる狙いもあるようだ。

企業独自の「CxO」も誕生

ここ数年特に顕著なのが、IT領域におけるCxOのポジションが次々と生まれていることだ。

一例を挙げれば、CDO(Chief Digital Officer)、CMO(Chief Marketing Officer)、CEO(Chief E-commerce Officer)など。

2017年には「みずほフィナンシャルグループ」がCDIO(Chief Digital Innovation Officer、「三菱UFJフィナンシャルグループ」がCDTO(Chief Digital Transformation Officer)を新設し、話題を集めた。

この背景にあるのが、ここ数年で加速するデジタルトランスフォーメーション推進の流れ。事実、2017年にガートナーが行った調査では、“前年比で最も上昇した経営における最優先事項は、IT関連” という結果に(*)。コロナ禍の影響により、今後さらなる注力領域として取り組みが進んでいくといっていいだろう。

もう一つ、企業オリジナルの 「CxO」を配置する動きもある。

たとえばユニークなのが、バンダイナムコホールディングスだ。主力である「機動戦士ガンダム」部門の最高責任者を務めるのは、CGO(Chief GUNDAM Officer)と呼ばれるポジション。自社の強みをわかりやすく肩書きとして表すことで、社員の意識を高めるだけでなく、ある種 “企業ブランディング” の効果を狙うという目的もありそうだ。

今後、「CxO」が新たな役割を担うケースがさらに生まれていくかもしれない。

ドローン、フィンテック、ニュースメディア…CxOを募集する企業は?

「CxO」「CxO候補」として積極的な採用が見受けられたのが、成長中のベンチャー・スタートアップだ。

たとえばCOO候補として募集が見受けられたのが、『NewsPicks』を提供するユーザベースや、マレーシア発のドローンスタートアップ「エアロダインジャパン」など。またCFOとしてフィンテックスタートアップ「ZUU」、CMOとしてすごいベンチャー100に選出され、買い物代行サービス「ツイディ」運営のダブルフロンティアなどの求人も掲載されていた。

とくに、急成長が期待されるベンチャー企業では、少数精鋭で会社経営の広い領域を担うケースも少なくない。経験の幅を広げたい方は必見だ。

CxO、またはその候補として働くことで得られる経験は様々。「自身の専門性をもとに、事業・サービスの課題を特定し、戦略を構築する」「経営者に近いポジションで意思決定をする」 ―― そういったチャンスにも恵まれると言えそうだ。

ただ、自身の知見やスキルをそのまま応用できるか、求人票から判断するのが難しいケースもある。そういった場合も、「興味あり」のボタンを押すことで「合格可能性」が届く。企業とのマッチングを確認する上でも、まずは「興味あり」ボタンをおすすめしたい。

(*)Gartner Survey Shows 42 Percent of CEOs Have Begun Digital Business Transformation│Gartner
https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2017-04-24-gartner-survey-shows-42-percent-of-ceos-have-begun-digital-business-transformation

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