いま「デザイン」や「クリエイティブ」が経営や事業をドライブしていくための重要なピースとして再認識され始めている。拡張する「デザイン」の役割を認識すると共に、ぜひ新たなステージへのチャレンジを想像しながら読み進めてみて欲しい。
いま、CDO(Chief Design Officer)やCXO(Chief eXperience Officer)など、経営の上流にデザインのプロフェッショナルを置くケースも増えてきた。
背景にあるのは、テクノロジーの急速な進化。中でもアップルの「iPhone」は、デザインの力を経営戦略に活用してきた一例だ。
彼らがデザインしてきたのは、製品の外観のみではなく、iPhoneと顧客とのあらゆる接点。製品の存在を知るところからはじまり、製品を買い、実際に使って生活する。
すべての場面で消費者が得る一連の体験を丹念につくりこみ、iPhoneによる世界観を顧客と共有する。そのすべての体験がこれほどの支持を受ける要因だと言えるだろう。
たとえば、直感的に使い方を学んでいけるシンプルな操作性。スワイプやピンチ、タップといった、いまでは当たり前となった動作は、アップルがiPhoneに施したソフトウェアの「デザイン」のおかげともいえる。
その他、UberやAirbnbなど、多くの企業がデザインを武器に世界的にサービス拡大させている。
AppleやUber、Airbnbなど、デザイン経営によるグローバルマーケットにおける躍進を受けて、国内でも「デザイン」の価値や役割が見直されつつある。
たとえば、2018年に経済産業省・特許庁から発表されたのが「デザイン経営」宣言だ。これは、2018年からの5年を「デザイン経営」普及の集中期間として定め、官民連携して「デザイン経営」の実践と浸透を推進していくというもの。
そこで定められた「デザイン経営」推進の必要条件(*)は下記2つだ。
(1)経営チームにデザイン責任者がいること
(2)事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること
実際に、特許庁にデザイン責任者(CDO)を置いて「デザイン経営」を進めていこうという動きもある。
こうした中、企業も新たな動きを見せている。社長直下にクリエイティブ専門チームができ、デザイナーがアサインされるケースも。また、事業戦略の上流からデザイナーをアサインしたり、「デザイン」を重視する企業も登場している。一例として、具体的な求人とともに、その動きを紹介していこう。
※2018年12月現在に募集されている求人となります。
楽天 / UXデザイナー
FinTech領域、ペイメントサービスではユーザーの使い心地など、UXデザインが欠かせない。実際、海外FinTech領域では、UX/UIデザインに初期から注力した企業が成長しているという話もある。
楽天は、ポイントカードやEdyなどペイメントに関わるサービスを多数保有。今回は、「楽天スーパーポイントスクリーン」事業におけるUXデザイナーを募集していた。楽天ポイントを活用したマーケティングプラットフォーム構築における、顧客体験の設計・改善を担っていくようだ。
Kaizen Platform/UXデザイナー
WebサービスのUI改善を実現する『Kaizen Platform』を展開する。
所属部署は、UI/UXデザイナー出身者で構成。プロダクトのビジュアルだけでなく、サービスデザインとサービスを使うユーザーの「使い方」や体験をデザインし実現することをミッションとしているようだ。
KDDIコマースフォワード/UIデザイナー
今、KDDIグループはau経済圏の拡大を目指し、ライフデザイン戦略「コマース・電気・保険・ローン」を展開している。その中でも注力事業といえるのが、2017年1月に立ち上げたショッピングモール「Wowma!」だ。UI設計/デザイン業務を担うデザイナー募集が行なわれていた。
まだまだ立ち上がって間もない組織のため、新規事業や仕組み・制度構築にも関われる環境もあるようだ。
ぜひ、実際の求人をチェックし、気になったものには「興味あり」を押してみてほしい。応募前に自身の合格可能性を受け取った上で面接に臨むことが可能だ。
(*)「デザイン経営」宣言 - 経済産業省・特許庁
http://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180523002/20180523002-1.pdf
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