イタリアをはじめ欧州、アジアなど11ヵ国で事業展開するWHILL社。2019年には次期ユニコーン候補として「日経NEXTユニコーン調査」9位にランクインしている。「クールなパーソナルモビリティ」と評されるWHILL、2020年の展開とは。
国内未上場スタートアップの中でも高い注目を集めるのがWHILLだ。
「CES2018」「CES2019」と二年連続でBest of Innovation Awardを受賞(*1)。2019年には企業価値345億円と推計され、日本経済新聞社が選出する「NEXTユニコーン調査」で9位にランクインした(*2)。
「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションに掲げるWHILL社。アメリカ、カナダ、台湾、オランダなどに拠点を構え、次世代型電動車いすを開発。iPhoneアプリによる遠隔操作機能、カスタマーサービスにIoTを活用した点などが高く評価され、2018年には、CES Best of Innovation Awardを受賞した。「大和証券グループ」「三井住友海上キャピタル株式会社」「みずほキャピタル株式会社」などが投資家に名を連ね、累計80億円以上の資金調達を実施している。
「だれもが乗りたくなる、スタイリッシュな車いす」というコンセプトのもと、開発・アップデートを続けるのが、次世代型電動車いす『WHILL』だ。注目が集まる理由の一つには、時代背景もある。
たとえば、日本国内で後期高齢者は1748万人と言われる。そして1000万人以上もの人が「500メートル(7分弱)を超えて歩行することが困難」というデータも。
ただ、なかには車いすを使うこと自体をハードルに感じる人も少なくない。電動車いすの市場はまだ発展の余地を残していると言えるだろう。
先進国を中心に「高齢化社会」が課題になりつつあるなか同社が目指すのが、新しいインフラの創造だ。
たとえば、電車・バス・タクシーといった既存の交通手段を降りた後も、移動をスムーズに。『WHILL』でわずかな距離もつないでいく。歩道領域の移動にイノベーションを起こす存在になりつつある。
そして2020年以降、本格化させるのがMaaS事業の展開だ。国内外で新たな取組みを次々仕掛ける。
その一つが地方と組んだ試みだ。2020年、大河ドラマの舞台地となる大津市では観光振興協議会と連携。『WHILL』のシェアサービスを使い、シニア世代の観光ニーズに対応していく。
大津市西教寺でのWHILL利用イメージ
「足腰が弱って長時間の移動がつらくなってきた」という方に『WHILL』を貸し出し、観光・レジャーニーズに応える。一般的に、観光・レジャーでの外出頻度が減少に転じる境目は70歳ごろだと言われている。2019年4月からは、法人向けのサブスクリプションプランを開始。すでに複数のレジャー施設に導入される。
もう一つ、大型空港での実証実験も注目されるところだ。
2019年には羽田空港で『WHILL』による有人自動運転実証実験を成功させた同社。加えて、国内外5つの空港でも実証実験が実施された。
2020年度以降、大型空港での実用化を目指す計画もある。
ウィニペグ国際空港での実証の様子
羽田空港をはじめ、ダラス・フォートワース国際空港(アメリカ)、アブダビ国際空港(アラブ首長国連合)、ウィニペグ国際空港(カナダ)での実証実験も次々と実施。
そういった同社を知る上でポイントになるのが、同社に集まる人材について。実際にGoogle、Sony、Hondaをはじめ各領域から優秀人材が集う。
2019年で「MaaS」「モビリティ」というアイデンティティを固めたWHILL社は2020年を迎え、採用強化フェーズへ。1月27日現在、下記ポジションの募集を見受けられた。
・システム開発部長候補
・サーバーサイドエンジニア
・事業企画スペシャリスト(MaaS事業本部)
・財務担当者
・法規・認証担当
・品質管理・品質保証担当
・コールセンター責任者
「優秀な人材と切磋琢磨しながら成長したい」また「グローバルを舞台に挑戦したい」という方にとって、同社にはエキサイティングな環境があると言えるのではないだろうか。
(*1)<プレスリリース>米国向けモデルWHILL Model CiがCES 2018 Best of Innovation Awardを受賞|WHILL
https://whill.jp/news/12843
<プレスリリース>WHILL株式会社が歩道領域のための自動運転システムをCES 2019で発表~MaaS事業を推進、公道における自動運転を2020年に実用化めざす | WHILL
https://whill.jp/news/22164
(*2)<プレスリリース>日本経済新聞社による「NEXTユニコーン調査」にて9位(推定企業価値345億)にランクインしました|WHILL
https://whill.jp/news/26561