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ユニバーサルミュージック、ソニーミュージック…

ストリーミング時代到来。2020年、レコード会社の戦い方とは?

掲載日:2020/04/06更新日:2021/02/18

音楽業界は変化のときを迎えている。楽曲のストリーミング配信、コンサート・ライブの配信サービスなど新たな収益モデルが台頭。従来のビジネスモデルからの転換が進む。業界全体の動向とともに、大手レコード会社の取り組みに迫っていこう。

サブスクやライブ配信サービスが台頭。

2018年、世界の音楽市場は約2兆1270億円へ(191億ドル *)。4年連続のプラス成長を果たした。

成長を牽引しているのが、音楽ストリーミングの分野だ。2018年、音楽ストリーミングからの売上高は、前年比34%増となる約9901億円(89億ドル)を記録。全体の50%近くを占めるまでとなった(*)。

こうした変化とともに、音楽の楽しみ方は大きく変化していると言っていいだろう。とくに近年は『Spotify』、『Apple Music』、『Amazon Prime Music』などサブスクリプション型のサービスが普及。CDとして所有する時代から、好きな音楽を好きなときに利用する時代へ変化している。

もう一つ、気になる動きとしてコンサートやライブにおける「ライブ配信」ビジネスについて見てみたい。

とくに新型コロナウイルス騒動で多くのイベントが中止になる中、多くのアーティストが「無観客ライブ」の生配信を実施。電子チケットや投げ銭機能、クラウドファンディングなどの活用で収益化する動きもはじまっており、新たなビジネスモデルとして見逃せない領域だと言っていいだろう。

ユニバーサル、ソニーミュージック…音楽レーベルの最新動向。

現在、レコード会社も、このストリーミング時代におけるビジネスの転換を図っているといえる。一例として、ユニバーサルミュージック、ソニーミュージックの動向を見ていこう。

ユニバーサルミュージック

2019年11月、契約するアーティスト・マネージャー向けに、音楽データ分析アプリ「Universal Music Artists」をリリース。音楽ストリーミングサービスごとの再生回数、さらにリスナーの性別、年齢などのデータを可視化する。アーティスト自身がデータを活用したマーケティングを取り入れる動きもあり、今後さらにニーズが広がっていきそうだ。

また2019年7月に、ワイヤレスイヤホンなどの音楽グッズを提案する新たなブランド『TOoKA BASE』の立ち上げも。「心に音楽の灯をともす。」をコンセプトに、音楽ライフスタイルを提案している。

ソニーミュージック

2019年11月、ソニーならではの音響技術を活かした、高音質ストリーミングサービス『mora qualitas』をスタート。今後、オーディオ機器や音楽アプリとの連携も視野に入れた展開を行なっていくようだ。同時に、音楽体験を共有できるコミュニティサービスも開設しており、より豊かな音楽体験の実現を目指していく計画だ。

もう一つ、2020年2月にはソーシャルクリエイター支援プロジェクト『Be』を立ち上げ、YouTuberやTikTokerなどの動画クリエイター支援事業をスタート。これまで培ってきた育成・マネジメントのナレッジを活用し、次世代のエンタメをつくるクリエイターの活躍を支援していくという。

業界構造やビジネスモデルの変革が進む音楽業界。新しい時代の音楽ビジネスをつくっていく、挑戦の機会もあると言えそうだ。

(*)世界の音楽市場、191億ドルで9.7%成長。音楽ストリーミングが牽引、日本の音楽業界は
https://news.yahoo.co.jp/byline/jaykogami/20190403-00120770/

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