INTERVIEW
NTTデータ経営研究所|シニアコンサルタント

大企業でのキャリアを捨てて見つけた、自分らしい「まちづくり」との関わり方

掲載日:2017/08/02更新日:2021/02/19

誰もが知る総合ディベロッパーを27歳で退社。諸井秀次さん(30)が選んだのは、地域課題を解決していくコンサルタントという職種だった。地方自治体、民間企業、NPO…それぞれの架け橋となり、プロジェクトが円滑に進むようにリサーチやコーディネートを担う裏方。都市を彩る高層ビル・商業施設の建設とは真逆の世界だ。顔の見える人たちの役に立ちたい ー 彼が抱く「まちづくりで多くの人を幸せにする」という夢の続きとは。

持続可能な社会を目指す、プロジェクトの推進役

『NTTデータ経営研究所』では、じつに多岐にわたるプロジェクトの依頼に応えている。

そのなかでも特にユニークなのが、地方創生・地域活性・まちづくりなどをベースに携わっていく「ライフ・バリュー・クリエイション」というユニット。「持続可能な地域・社会づくりへの貢献」を目指す、トライセクターリーダー(※1)だ。

(※1)国などのパブリックセクター、民間企業第2セクター、NPO第3セクターを取りまとめてプロジェクトをリード。現在、地方行政においてもオープンイノベーションなどの取り組みが盛んになるなか、各セクターをまとめ、社会課題の解決に向けて事業を推進していく。

同ユニットにて、シニアコンサルタントとして活躍しているのが諸井秀次さん(30)。彼がメインで担当しているのが、地域活性化・地方創生をベースとした地方自治体と協力して進めるプロジェクトだ。

どのように地域に観光客を呼び込むか。地域におけるヘルスケアビジネスが創出できないか。最先端技術を持つ企業が、田舎の抱える地域課題を解決しながらイノベーションを生み出す仕組みをつくることができないか。こういったプロジェクトのコーディネーター・推進役を担っている。

今でこそ出張で全国各地を飛びまわり、地方自治体、地元企業・団体と地域プロジェクトに取り組む諸井さんだが、彼のファーストキャリアは大手の総合ディベロッパー。

オフィス街からめまぐるしく姿を変えようとする虎ノ門エリア、商業施設の開発が進む六本木エリアなどを中心に、商品企画に携わっていた経歴の持ち主だ。

なぜ彼は、誰もが知る安定企業、その「花形キャリア」を捨てたのか。そして「地域のまちづくり」に携わることになった経緯とは。彼の原点から辿っていこう。

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多くの人たちを魅了する、まちづくりに携わりたい。

東京大学 工学部都市工学科を卒業している諸井さん。もともと彼は「仕事にするなら、まちづくりを軸にしたい」という思いがあった。

「小さい時から地図を見るのが好きでした。市長になって街をつくるゲームもありましたよね。ああいった仕事に就くにはどうしたらいいんだろうとずっと考えていたんです」

そして大学2年で訪れたターニングポイント。学部の選択に迷っていたとき、ある講演をきっかけに「都市開発」という道を選択することになった。

「安藤忠雄さんが大学で講演を行なってくれて、すごく感銘を受けました。建築の素晴らしさはもちろん、なぜ、東京が人々を魅了するのか さまざまな建物があり、人がいて、文化や生活がある。いろんなものがゴチャゴチャに存在している、その混沌が強烈なパワーとなり、世界中の人を魅了するといった話でした。いろんな要素が絡み合う“まち”というものの魅力にあらためて気付かされました」

そして、新卒で入社したのが総合ディベロッパーだった。経理職からのスタートから、念願の商品開発職へ。

「どうすれば世界中の人が集まる魅力的な都市になるか大型商業施設にどのようなテナントを誘致するかこういった企画をしていく部署でした」

多くの人が憧れるような部署。そしてまわりからは安泰にも見えるキャリアだが…なぜ彼は転職を考えるようになったのだろう。

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10年かけてビルをつくるより、社会課題の解決をしていきたい

諸井さんが転職を考えた大きなきっかけとして、あるマンションの建設プロジェクトがあった。

「私は行政交渉を担当しており、高い建物を建てるために国と交渉を行なっていました。その時、国の担当者の方からストレートに言われたんですよね。「この開発予定地の周辺には、もう充分マンションが建っています。不要ではないですか」と。その時、うまく説明ができなかったんです。もしかしたら私自身が「この建物は誰に必要とされているんだろう」という疑問があったのかもしれません。誰のために働いているのか。いつの間にか採算のために条件緩和を突き進めることが仕事になっていたんだと思います」

そして、諸井さんは仕事を見つめ直すようになっていった。

「日本社会全体において、人口減少というステージに入っているなか、もっと優先的にやるべきことがあるのではないか。都市部への人口集中と同時に、地方がどんどん衰退している。こういった課題に対してコミットしていきたいと考えるようになりました」

そんな思いを抱き、社会課題をテーマに仕事ができるコンサルティング会社として選択したのが『NTTデータ経営研究所』だった。

「持続可能な社会をつくっていく。そのための“まちづくり”をしたいと考えていました。それは都市だけでなく、日本全国を対象にしていく。そして特定の商材にとらわれることなく、解決策を提案できたほうがいい。これを実現できるのが、NTTデータ経営研究所だったんです」

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まちの人たちが喜んでくれるやりがい

諸井さんは『NTTデータ経営研究所』に入社してすぐ、頭角を現し、さまざまなプロジェクトで裁量のある仕事を手がけていくことになった。

2016年に携わったプロジェクトの舞台は北海道のある田舎町。

「北海道の田舎には、さまざまな地域課題があります。高齢者が多く、冬になれば雪道も険しくなってしまう。田舎と都市部の企業をつなぐために、こういった環境においても企業が何かビジネスチャンスを見出すことができないか。自分からいくつかの企業にあたり、去年は企業が3社ほど現地に足を運び田舎町の現状を視察して田舎の活用方法を検討してくれました。その結果、まちの人たちも凄く喜んでくれて」

こういった瞬間に感じられる「存在意義」こそが、諸井さんを奮い立たせる。

「自分がいたから、プロジェクトを前に進めることができた。そう思えることは、大きなやりがいになっています。また、「うまくいったね」とまちの人たちが喜んでくれる。目の前の人たちに「ありがとう」って言ってもらえる。シンプルにそれが一番うれしいですね」

エリートといってもいいキャリアを歩んでいた彼から聞けたのは、驚くほど純粋な「感謝される喜び」だった。

あえて前職との仕事における違いを聞いてみた。

「いまの仕事では、自分のアイデアを込められる。ここが大きな違いだと思います。市や行政、自治体の課題をクリアにしていき、進みたい方向性を考えていく。自ら仮説を立て、納得してもらえたら、やり方は自分次第です。あの企業と、この企業を結びつけたらおもしろそうだなとか、こんな工夫ができそうだとか、考えていけるのが楽しいですね」

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高みに行けば、高みに行った分だけ景色が変わる

インタビューの終盤に伺うことができたのは彼の仕事観について。大手企業に在籍していた頃に抱いていた危機感について、こうふり返ってくれた。

「前職は風土として落ちついており、とてもいい会社でした。ただ、成長に対する危機感があったことは確かです。20代後半という年齢になってくると、大学時代の仲間が別の会社ですごく活躍していたりして。そういう人と比べて、自分はどうだろうな、と。たとえば、1年前と今を比べたとき、何が変わっただろう。何ができるようになっただろうって」

諸井さんの中に芽生えていたのは「自分をもっと成長させたい。もっと高めていきたい」という思いだったという。

「もともとずっと1社で勤め上げるとは思っていなかったんです。自分の市場価値はどこまでのものか。このままだと市場価値が無くなってしまうのではないか。そんなことを考えていたと思います」

そして飛び込んだ新天地。裁量と責任が与えられ、否応なく成長が求められる環境だった。

「最近、当社ではテレワークも導入しているんですよね。家でも仕事ができるのはすごくいい。ますます時間という概念から離れて、“何をやるか”が重要になっていると感じています」

裏を返せば、時間ではなく、成果が見られるということ。どれだけ働いたかではなく、何を成し遂げたか。一流を目指し続けなければ難しい働き方ともいえる。こういった環境において、同じ部署で働くメンバーたちに共通しているものは「志」だという。

「私が所属しているのは、社会課題の解決をテーマに取り組んでいるユニット。だからこそ、それぞれ“自分が解決したい課題”という軸を持っています。そこに対して貪欲に取り組んでいく。もちろん高いスキルを持ったメンバーばかりですが、まっすぐな思い、気持ちの強さは共通していますね。だからこそ、人を動かすことができるのだと思います」

そう語る諸井さんも自身も「多くの人が幸せになれるような、まちづくりに携わり続けたい」という。そのための日々チャレンジは続くー。

「私にとって仕事はチャレンジなんだと思います。高みに行けば、高みに行った分だけ景色が変わりますよね。たとえば、1カ月前の自分と、今の自分は、違う存在でいたい。その実感を得たいんだと思います」

そして取材の最後には、照れを隠すように笑ってこう話してくれた諸井さん。

「変化していける自分が楽しいですし、充実していますね。ただ、まぁ地方にいくことが多く、全国出張ばかりで大変ですけどね笑」

大きなやりがいを感じながら、仕事を通じて成長していく。そう感じさせる、充実感に満ちた彼の表情がそこにはあった。

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