INTERVIEW
防衛省|大臣官房長

防衛省、中途採用職員を公募。平和と安定のため新たな課題に挑戦していく「次世代人材」募集|2020年度

掲載日:2020/12/14更新日:2021/11/17

防衛省が次世代を担う中途職員の一般公募を行う。募集期間は2020年11月19日~12月20日(*)。今回は事務系に加え、宇宙・サイバー、建設、情報システムなど幅広い分野も含めた公募となった。同公募にあたり、防衛省の果たす今後の役割と、新たに入省し、次世代を担う人材に対する期待について防衛省大臣官房長 芹澤 清氏に伺った。

(*)AMBIにおける求人掲載期間は、2020年11月19日~12月16日となります。

※既に応募受付は終了しました。

激動の時代、多くの課題へと向き合う次世代人材を公募

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大、刻一刻と変化する国際情勢、常に先が見えず、変化の激しい時代。

国民が幸せに暮らしていける日本をこれからも守っていくため、我が国の安全保障を最前線で担い、災害時には被災者に寄り添った救援活動を牽引していく、防衛省の役割はより重要になっている。そして今、同省では、民間企業などの多様なフィールドで活躍する方々に対し、「共に“安全保障”という世界で成長し、ここでしかできない経験を得てほしい」と呼びかける。

今回の公募の背景について、防衛省大臣官房長 芹澤 清氏にお話を伺うことができた。

「日本を取り巻く安全保障環境は、日々変化しており、一層厳しさと不確実性を増しています。従来の陸・海・空に加え、宇宙・サイバー・電磁波など新たな領域における脅威への対策が必要不可欠となっています。防衛省としても、こういった安全保障環境の変化に伴って生じている新たな政策課題に対し、正面から取り組んでいく必要があります。そのため職員の教育に力を注ぐだけでなく、さらに民間企業などの様々な分野で経験・スキルを積んだ方を迎え、多様な人材に力を発揮してもらう中で、国民の期待に応えていきたいと考えています」

芹澤清の防衛省 大臣官房長である芹澤氏の話す姿

芹澤清 | 防衛省 大臣官房長
東京都出身。1986年4月、防衛省(旧防衛庁)へ。国家安全保障局審議官、防衛政策課長、日米防衛協力課長、装備政策課長、外務省軍備管理軍縮課長など、他省庁も含め様々な職務を歴任。2020年8月より現職。

多様な人材を採用していく。その先にある理想の組織の姿を芹澤氏より語られた。

「この変化の激しい時代に適応し、自国をはじめ、世界の安定・平和に貢献していく。そのためには防衛省をより柔軟で強靭な組織にすべきだと考えています。私は、人材の多様性こそが強い組織に欠かせないと考えています。様々なバックグラウンドを持つ人材が集まり、建設的な議論を行い、課題へと向き合っていく。そういった観点からも多様な経験や価値観を持つ人材に入省いただきたい」

続けて伺えたのが、求める人材像、そして期待する役割について。

「安全保障は我が国一国の努力だけではなしえません。様々な国・国際機関との協力・連携が不可欠です。当然、我々のカウンターパートは世界中に存在しています。そして近年、防衛装備品の海外移転なども可能となり、関わるステークホルダーはより一層広がっています。そのため、国際的なビジネス、金融、コンサルティングなどの分野に経験を持つ方はそれを活かし、活躍していくフィールドがあるでしょう。実際にこれまでの中途採用の応募者の中には、商社やメーカーで海外駐在経験がある方もいました。また、サイバーや宇宙の分野で活躍されている方は、安全保障というダイナミックな場所で、これまでの経験を生かしていただけるはずです。

もちろん、防衛省の扱う政策課題は、こうした分野にとどまりません。危機管理、地方との協力、装備調達、広報、人事など多岐にわたります。ぜひ様々な分野で活躍し、企画力、実行力のある方、そして今後も自分自身が成長していきたいと考えている方に、防衛省の門を叩いて頂きたいと思っています。

時代の変化を敏感に感じとり、前例に囚われない柔軟な発想を大事にしていってほしい。そして、安全保障という広大なフィールドで、我々とともに新しい課題に挑戦してもらいたいと期待しています。

防衛省としても、省内にはない民間で培われた経験・知見を学び、組織として成長し、新たな挑戦に臨んでいきたいと考えています」

芹澤清の防衛省 大臣官房長である芹澤氏の横顔

日本の自衛隊は、諸外国に比べても「自然災害対応」で極めて高いレベルを有する。そして防衛組織がこれほどまで貢献している国は他に類を見ないという。2020年、新型コロナウィルス感染拡大に伴う、自衛隊の活躍は記憶に新しい。特に、クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』乗客の医療・生活支援や帰国者の輸送において、任務に就いた自衛隊員のなかから、一人の感染者も出さず、任務を遂行。その感染対策は前例となり、世界から注目された。「組織として、職員を守るためにしっかりと安全係数を取る。そして個々の職員が規律・ルールを遵守し、高い士気を維持して任務を遂行したことが良かったのではないか」と芹澤氏。自然災害や感染症対策に対し、警察、消防、自治体、医療機関と連携し、共同訓練やノウハウの共有なども行い、国民の命と暮らしを守っている。

世界の安定、平和に貢献すべく、新たな課題に挑む

最後に伺えたのが、防衛省で働くことの意義、得られるものについてーー。

「我が国周辺の安全保障環境は、決して楽観できるようなものでありません。そして新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中に大きな影響を及ぼし、社会不安に覆われています。

こういった中、防衛省は、安全保障・危機管理を担う実力組織として冷静に現状を分析し、未来を見据え、持てる力を発揮していかなければなりません。防衛省の職員一人一人にとっても、プロとしての高いレベルの仕事が求められます。なぜなら我々の仕事は国民の平和な暮らしに直結するだけでなく、我々以外に、この重い使命を担っている組織は日本中を探しても存在しないからです。

私自身、これまで様々な職務を通じ、その責任の重さ、国民生活に与える影響の大きさを実感してきました。自己実現と共に、社会の中で我々にしかできない役割を果たす。そのような志を持つ方と、日本を守り、世界の平和に貢献すべく、新たな課題に挑んでいきたいと考えています」

芹澤清の防衛省 大臣官房長である芹澤氏の笑顔
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