経理・財務をはじめ、ファイナンス部門で働く方にとって「ベンチャーへの転職」も1つの選択肢になっている。というのも、大規模な組織では分業されている仕事も、ベンチャーであれば広く携われる傾向があるからだ。急速な事業拡大・組織構築、上場に向けたミッションなど、挑戦のフィールドも豊富。今回はベンチャーでこそ得られるファイナンス部門での成長機会について見ていこう。
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今回スポットをあてていく、ベンチャー企業における「ファイナンス部門」の募集。とくに注目したいのが、ECプラットフォーム、クラウドファンディング、メディアプラットフォームなど、WebやITに関連した企業の求人募集だ。コアな技術、主力サービスを軸として、さらに事業ドメインを拡張させていく動きもある。
また、もうひとつ注目したいのが、外資系のベンチャーにおける日本法人での募集だ。なかには、日本に進出して間もない外資系企業もあり、国内展開において要職を任せていきたいという求人ニーズもあった。
こういった観点からすると「Web・ITに関連する会計や監査の経験」や、「英語をはじめとする語学力」「海外グループとやり取りした経験」が重宝されそうだ。
ただ、すべてをハイレベルで持ち合わる人材は多くない。当然のことだが、自身のストロングポイントが、企業の求人ニーズとマッチすることが重要といえるだろう。
とくにベンチャー企業が若手の人材を採用したいと考える場合、「経験の有無」だけが重視されるわけではない。そもそも若手で経験が豊富な人材はごく一部。では、企業側はどういったポイントを見ているのだろう。
たとえば、多少経験が浅かったとしても、挑戦していくスタンス、成長意欲など買われることもある。さらなる会社の成長に向けて、管理部門を整えていく、強い組織をつくっていくというフェーズにおいて、重視されることの多い3つのポイントを見ていこう。
1. やったことがない仕事も自ら学び、取り組む姿勢
システムやフローが必ずしも整っていないケースもある。そういった環境において「指示されなければ対応できない」「やったことがないからできない」は通用しない。やったことのない仕事であっても自ら学び、結果に結びつけることができるかどうか。もしそういった経験があれば、アピールポイントになるはずだ。
2.仕事の「量」と「質」、両方を追求できるバイタリティとマインド
たとえば、少人数で経理・財務を担当していく場合、かなり広い領域を一人で担っていくことになる。ベンチャーでの仕事量は少ないとはいえないはずだ。その状況をポジティブに捉え、仕事に向き合っていくバイタリティ、成長意欲は欠かせない。また、いかに多くの仕事を確実に処理していくことができるか、進め方など発想を磨いていく必要もあるだろう。
3.経営者・CFOと近い距離で働く上で求められる会社視点
日々、多くの課題と向き合っていくなか、どのような優先順位で仕事に取り組むべきか。何をすべきか。経営層から意見を求められることもあるだろう。また現場で起こっていることの報告も的確に行なっていく必要がある。こういったシーンで期待されるのが「なにが会社にとってプラスか」「いかに事業を成長させていけるか」という視点。こういった部分を磨いていきたいといった志向性も重要といえそうだ。
最後に、ベンチャーのファイナンス部門として働くことで得られるメリットを見ていこう。端的に「市場価値の高い経験・スキルが得られる」ということが挙げられる。
たとえば、M&A、グループ会社の立ち上げ、海外展開などを活発に行なう、もしくはこれから行なっていく企業も多い。さらに、立ち上がってから数年で急拡大し、まさに上場を目指していく上での募集も見て取ることができた。
たとえば、給与が前職よりも下回ったとしても、「一時的な給与ダウン」として捉える考え方もある。若いうちのチャレンジが、将来的には自己への大きな投資、自身の市場価値を高められる可能性も。また、ファイナンス部門の募集においては、詳細な求人情報の開示が難しいケースがある。求人情報に明記されていないポジションやミッションで募集している可能性も考えられるため、興味を持った求人に対して、まずは応募をしてみるのも選択肢といえそうだ。