INTERVIEW
静岡県 | 経営管理部 行政経営課長

静岡県庁の「デジタル化」を推進、初の「副業DX人材」公募プロジェクト開始

掲載日:2021/05/06更新日:2021/11/17

約5600名の職員が働く静岡県庁。ICTを活用した業務のデジタル化、業務改善を担う「スマートワークコーディネーター」を募集する。副業・兼業による、週1日程度の勤務を想定。静岡県庁において初となる副業・兼業、さらには「DX人材」の採用となる。その背景について経営管理部行政経営課長、室伏康男さんに伺った。

※既に応募受付は終了しました。

静岡県庁が「デジタル化」で目指す、新しい働き方

新型コロナ感染拡大から約1年。さまざまな自治体で進む業務のデジタル化。全国的に見ても、その取り組みを積極的に推進しているのが、静岡県庁だ。

2020年10月には「DX推進プロジェクトチーム」を発足、2021年4月には「デジタル戦略局」も立ち上がった。テレワーク、サテライトオフィス、作業の自動化(RPA、AI-OCR導入等)なども実施しており、デジタル化を通じた、県庁職員の「働き方改革」を推し進める。

そして、2021年5月、ICT活用による業務のデジタル化、業務改善を担う「スマートワークコーディネーター」を公募する。ICTに特化した外部人材を副業で登用するのは初の取り組み。その背景についてプロジェクト責任者である室伏康男さん(経営管理部行政経営課長)はこう語る。

「以前から県庁職員の「働き方改革」は推進してきたのですが、コロナ禍によってデジタル化の必要性を再認識するところとなりました。職員たちの多様な働き方への対応、業務の効率化を本格化させていく。そのためには当然、まだまだ多くの課題が残っている状況。そこで、民間企業等で活躍する方に副業・兼業で入庁いただき、ぜひその経験、知見をもとに、共に施策の実行に臨めればと考え、今回の公募プロジェクトに至りました」

より具体的に今回公募する人材に期待される役割、ミッションについて見ていこう。

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経営管理部行政経営課長、室伏康男さん

2021年5月より「デジタル化・業務改革」を本格化

さまざまな先進的な取り組みを開始している静岡県庁。実行することで見えてきた課題もある。

「たとえば、このコロナ禍において「紙」を中心とした業務の進め方は非効率ですし、リスクもある。いかにペーパーレス、デジタルに置き換えていくか、直近の課題でもあります。また、テレワークも増やしていければと考えているのですが、どのようにして情報へのアクセスをスムーズにしていくか。2021年4月から、全職員に対して新しいモバイルパソコンの貸与が始まっており、自宅などで作業ができる環境が整備されます。ここを契機とし、働き方そのものも大きく変えていきたいと考えています」

とくに行政では、専用ネットワーク「LGWAN(総合行政ネットワーク)」が業務上欠かせない。同ネットワークは全国的にテレワーク対応が進んでおり、環境は整いつつある。併せて、静岡県庁では一般的なツール活用も進めていきたい考えだ。

「LGWANとは別に、高い安全性を備えた上で、一般に普及しているクラウドツールを、業務に活用していけないか、模索しているところでもあります。ぜひ、こういったツール導入などのご提案にも期待したいですね」

県庁職員約5600名から直接届く反響が「働きがい」

2021年4月には「デジタル戦略局」が立ち上がり、県全体のデジタル化を加速させていく方針へ。それまで各部局・各課でバラバラだったデジタル化の施策・情報を整理し、戦略的に進めていく。

「今まさに全庁の各部局・各課に対し、県庁内の業務で“ICT活用で解決したい課題”のヒアリングを行ない、集約しているところです。今回入庁する方には、その課題リストをもとに、どこから手を打つべきか、いつまでの解決を目指すか。その計画から共に立案していければと考えています。短期的には優先順位の高い課題の解決を目指し、さらに長期的な視点では、抜本的な業務フローの変更、ぜひ職員の意識改革、働き方の改革へと結び付けていきたいですね」

今回籍を置くことになる「行政経営課」は正規・非正規含めて13名と小規模なセクション(産休職員2名を含む※2021年4月時点)。少人数だからこその働きがいがそこにはあるという。

「行政経営課は、約5600人の職員全員の業務を支えていく重要な課。同時に、実施した施策、打ち手が良かったのか、良くなかったのか、反響がすぐに得られます。直接、職員たちから「働きやすくなった」「便利になった」「効率的になった」等の声が聞けるのも大きな働きがいになるはずです」

さらに未来につながる「仕組みづくり」が期待されるのも、同ポジションならではの醍醐味といえる。

「ぜひ、デジタルを基本とした新しい働き方の基礎、土壌、仕組みをつくり、種を撒いていただきたい。当然、民間企業と比べてスピード感に欠ける部分や融通が利かない部分も多々あります。私たち、行政経営課は、まさに各課に改革を働きかけるセクション。企画提案を実行に移すための調整業務が難航することもあります。こういった障壁に対しても、私たちと一緒に立ち向かっていただければと思います」

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県民が安心して暮らせる社会のために

取材の最後に伺えたのが、今回のプロジェクトに対する室伏さん自身の思い。

職員たちの働き方が改善されれば、行政サービスの拡充、県民が安心して暮らせる社会生活の基盤にもつながっていく。

「業務改善にしろ、デジタル化にしろ、目の前のことだけを考えてしまうと、判断を誤ってしまうことがあると思います。今後の人口減少、財政の状況なども鑑みると、限られた職員で、効率的に働き、モチベーション・業務クオリティを向上させながら、県民生活をいかに支えていけるか。職員にも寄り添っていく必要があります。その切り札とも言えるのがデジタル化です。今、ここに着手しないと5年後、10年後、職員たちが疲弊してしまう。より働きやすい県庁を作っていきたい。ぜひ、未来も見据え、共に取り組んでいければと思います」

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