物流業界は今、大きな変革期にあるといっていいだろう。IoT・AI・ビッグデータの活用、ドローンなどテクノロジーや新システムの研究開発、従業員の働き方における変革…新型コロナウイルスも契機として本格的に取り組みが進められている。今後どのように変わっていく可能性があるのか。各社の求人動向とともに見ていこう。
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「物流危機」が叫ばれて久しい日本。ドライバーや倉庫・物流拠点で働く人材不足が深刻に。さらに新型コロナウィルスの感染拡大を受け、現場の人たちの安全確保、サプライチェーンの見直しなど新たな課題も持ち上がっている。
こういった課題解決に向け、物流・ロジスティック業界で進められているのがテクノロジーの活用だ。たとえば、集荷から配達までの状況を把握できる貨物追跡システムの導入、またAIやビッグデータで需要を予測し、最適な在庫管理システムを構築しようとする動きもある。こうした流れは、今後さらに加速していくといえるだろう。
同時に注目したいのは、物流ソリューションを手掛けるスタートアップも盛んに立ち上がっていること。
たとえば、物流情報プラットフォーム『MOVO』を手掛けるHacobu。トラックの手配など、主に紙や電話でやり取りされてきた企業間のやり取りをデジタルに置き換える複数のサービスを提供している。
もう一つ注目したいのが、フリーランスドライバーと荷主をつなぐマッチングプラットフォーム『PickGo』を手掛けるCBcloud。このサービスは"物流版Uber”とも呼ばれ、ドライバー不足の解決や働き方向上に期待されている。
こういった変化のなか、どのような人材が求められているのか。発揮される能力が多様化してきているなか、求人情報をもとに具体的な部分を見ていこう。
では今、物流業界ではどういったポジションで募集が行なわれているのか。物流企画・ロジスティクスの求人を見ていこう。
求人を出しているのは、世界各国に物流ネットワークを展開するEC運営企業から、国内最大手の物流企業、さらに物流ソリューションを手掛けるスタートアップなど多岐にわたる。
2020年9月現在の募集職種は、
■経営企画
■事業開発
■物流企画
■プロセス改善アドバイザー
■ドライバートレーナー
■カスタマーサポート
■IT・情報システム企画
■工程管理
■物流エンジニア
など。幅広い職種で採用を行なわれていた。
物流・ロジスティックスの分野で活躍できるのはどういった人材か。求人を見ていくと、同業界でキャリアアップを目指す際、業務改善・サプライチェーンマネジメント、IT導入などに携わってきた経験は大いに活かすことができるといえそうだ。
上級管理職を目指す際には、ロジスティクスに関する専門知識や物流現場の改善経験、経営視点での戦略的思考や財務分析力といったことはアピールポイントになるだろう。
同時に異業界での経験を活かし、ロジスティクス分野へのキャリアチェンジの可能性もある。たとえば、マネジメントが期待されている職種なども見受けることができた。
また、その他、各求人に多く共通していた部分としては「英語力」「全体を俯瞰して課題を抽出できる」「論理的思考ができる」「社内外の人を巻き込みながら、プロジェクトを推進できる」という部分がポイントになっていた。
過渡期を迎えている物流業界。既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想で新たな仕組みを構築していく。挑戦のフィールドは大いにあるといえそうだ。