INTERVIEW
LIXIL|プロダクトオーナー

『LIXIL』で活かす、IT・WEB業界の経験。デジタル活用で創る、世界10億人の「住まいと暮らし」の未来

掲載日:2021/08/03更新日:2021/08/06
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グローバルでの売上高1兆3783億円、世界で10億人以上の暮らしを支える先進的な技術と製品を開発し提供しているのが株式会社LIXILだ(以下:『LIXIL』)。業界のリーディングカンパニーとして、デジタル活用・DXにも積極的に取り組む。今回お話を伺ったのは、IT・WEB業界でキャリアを築き、2018年に『LIXIL』に入社した西脇彩さん。世界中の住まいと暮らしをより豊かにしていくためにデジタル活用を推進していく――彼女の転職ストーリーに迫った。

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『LIXIL』で活かす、IT・WEB業界で得た知見

世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現を目指して――。

あらゆる「暮らしの課題」と向き合い、解決していく総合住生活企業が『LIXIL』だ。先進的な水まわり製品、窓、ドア、インテリア、エクステリア等を開発・提供。世界で10億人以上の暮らしを支え、売上高1兆3783億円を誇るグローバルカンパニーだ。

そういった同社の注力領域の一つが、デジタル活用の推進。今回はデジタル部門にてデジタル化推進の中核を担う西脇彩さんにお話を伺った。

「デジタルサービスの充実・改善はもちろん、自社開発のためのプラットフォーム構築など多岐にわたるプロジェクトに参加しています。オンラインとオフラインの境界線が無くなっていくDX時代において、リフォーム関連製品の購買体験も大きな変化が起こっています。こういった部分に、私自身がIT・WEB業界で培ってきた経験、知見を活かして直接アプローチしていけるのは、非常に大きなやり甲斐ですね」

そう語ってくれた西脇さん。そもそもなぜ彼女はIT・WEB業界でのキャリアを経て『LIXIL』というフィールドを選んだのか。仕事を通じ、実現していきたいこととは。その転職ストーリーに迫った。

リクシル

西脇彩|プロダクトオーナー
新卒では自動車メーカー関連のシステム会社に入社。世界25拠点にあるグループ工場の生産管理システムの開発・保守等を担当。その後、楽天グループ株式会社に入社し、ポータルサイト『楽天Infoseek』、『楽天ブックス』、『楽天トラベル』など開発ディレクターを歴任。2018年2月に『LIXIL』へ。現在、マーケティング部門のデジタル化を担う。

15年間勤務した楽天を経て、『LIXIL』へ。

もともと前職では楽天に勤務していたという西脇さん。なぜ、次なるキャリアの選択肢が『LIXIL』だったのだろう。そこには、経験、知識を、異業界で活かしていきたいといった思いがあった。

「決して楽天での仕事に不満があったわけではありません。インターネットのサービスを通じ、人々の生活、行動を便利にしていける。日本最大級のプラットフォームで最先端の開発に携われることも、大きなモチベーションでした」

そういったタイミングで知ったのが、『LIXIL』がデジタル活用の推進を本格化していく、といった話だった。

「知人を通じて、『LIXIL』本社にデジタル部門を設け、サービスの充実・改善はもちろん、自社開発のためのプラットフォーム構築なども進めていく、といった話を聞くことができました。そのなかでIT・WEBのシステム開発のバックグラウンドがある人材を求めている、と」

とくに開発ディレクション、課題解決において豊富な経験を積んできた西脇さん。

「『LIXIL』という社会的に大きな影響力を持つ会社で、私の知見や経験を活かし、新しいチャレンジができる。やってみたいと思うようになりました。また、人々の「住まい」と「暮らし」にフォーカスした製品、手触りのある「モノ」を扱っていける。リフォームやインテリアは人々の生活を豊かにしていける。そういった分野にも惹かれ、転職を決めました」

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ショールームにも足を運ぶこともあるという西脇さん(撮影は新型コロナ感染拡大前)。「住設業界でデジタル活用が進めば業界全体の商流、モノの流れを変えていける可能性があると思っています」と語る。『LIXIL』におけるオンラインのチャネルが拡張されれば、それまでプロユーザー、販売代理店向けだった製品も広くエンドユーザー向けに届けられる可能性も。コロナ禍を経てインテリア・リフォーム需要の高まりもあり、さまざまな新しい取り組みにも期待ができる。

ショールーム、工場、施工現場…「リアル」のおもしろさ

こうして『LIXIL』に転職した彼女。そこにはIT・WEBの業界で感じられなかったおもしろさがあった。

「入社まもなく工場見学をしたのですが、率直に感動しました。浴槽やタイルなどそれぞれの製品、工程に、多くの工夫、努力が注ぎ込まれている。業界をリードしてきた技術、そして、技術者、開発者のみなさんの誇り、思い。その仕事ぶりに心が揺さぶられましたね」

実際のサービス開発も、WEBでは完結しない部分も、やり甲斐になっているという。

「たとえば、ショールームに実際足を運ぶこともあります。どういったお客様が来てくださっているのか。どのようなお困りごとを相談されるか。どういった生活、住まいを実現したいか。さまざまなユーザーストーリーに触れ、それらを踏まえてサービスの開発に活かすことができます。ショールームでの体験と、オンラインでの接点のタッチポイントを考えていく。オフラインとオンラインを組みわせた部分で設計していけるのも、『LIXIL』ならではのおもしろさだと思います」

リクシル(LDK)

360度のパノラマビュー体験ができる特設コーナーなども。住まい×デジタルのコンテンツ、ツールの開発も積極的に行なわれている。

「頼られること」の喜び

もうひとつ、入社後に携わった「忘れられない仕事」についても伺えた。

「所属しているマーケティング部門での業務とは別に、ある統括工場長の方から相談をもらいました。“コロナ禍のなかで、スタッフの健康状況をしっかり把握していきたい。ただ、今の個別にヒアリングしてExcelのシートに入力していくようなやり方は効率がよくない。何とかならないか”と。その話を聞いてすぐに役員に相談をしました」

そこからの動きは驚くほどスピーディーだったという。

「実質2週間ほどで、健康状況を入力できるツールが導入でき、活用してもらえて。最近も、その工場近辺で水害が発生したのですが、従業員の安否確認でも使ってもらえたみたいで嬉しかったですね」

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「5万人以上の従業員がいる企業ですが、経営層が現場の声に耳を傾けてくれる。その姿勢を発信していることにも驚きました」と西脇さん。とくに社内SNS「Workplace」では、経営層と社員の間で、双方向にコミュニケーションがとられているという。

おそらく社内の業務システムに関しては「自身の仕事ではない」と突っぱねることもできたはずだ。

「私の知識、経験で役に立てることがあれば何でもやっていきたい。当然、IT・WEBの先端をいくテック企業とは環境が全く違います。全員のITリテラシーが高いわけではない。時には根気強く何に悩み、何に困っているか、コミュニケーションを重ねていかなければなりません。そこを解きほぐすことが私の役割でもあって。当然ツールは手段なので、導入して終わりではありません。課題と向き合い、本質的な解決に迫っていく。逆にいうと、課題がまだまだあって、そこに常に向き合っていけることが楽しいですね」

自分の道を、自分で切り拓く。

そして最後に伺えたのは、西脇さん自身の仕事との向き合い方、仕事観について。

「私自身、“ロールモデル”という言葉がじつはあまり好きではないんですよね。それぞれの強み、弱みがありますし、置かれている環境、状況も違うはず。自分と全く同じ道を歩む人は一人もいません。なので、できることは尊敬している方々の良いところを少しずついろいろな角度から自分に取り入れ、自分だけのキャリアを築くこと。型にハマれば安心できますが、どんどん変化していく時代についていけなくなってしまうかもしれない。そういった意味では、楽天からの転職も、子育てと仕事の両立も、新しい働き方も、私なりのチャレンジ。変化を楽しみながら、これからも自分の道を、自分でつくっていければと思います」

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