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オンライン接客、ライブコマース、コミュニティ型CRM…

コロナを味方にできるか。「化粧品メーカー」で進むデジタル化

掲載日:2021/10/28更新日:2021/12/07
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コロナ禍で様々なビジネス領域において変化の局面を迎えているなか、化粧品業界におけるDXも急速に進んだ。これからの化粧品業界×デジタルマーケティング関連職には、どういった役割が求められていくのか。その動向に迫ってみよう。

オンライン接客、ライブコマース、コミュニティ型CRM…化粧品業界で進むDX

コロナ禍による生活様式の変化は、化粧品業界にも大きな変化をもたらしている。

事実、店舗は閉鎖、テスターは撤去され、“触れる”カウンセリングの中止は余儀なくされた。そもそも、人と会う機会やイベント等が中止になることで、人々のメイクアップ意識そのものが希薄に。

こうした中、各ブランドではデジタル上での「顧客体験」創出に注力する流れが本格化している。

たとえば、いま重要性が高まっているのが、オフラインを経由しない商品購買・接客体験の設計だ。従来多くのブランドではオンラインとオフラインを行き来し商品購買に到達する、いわゆるOMO(Online Merges (with) Offline)型を想定していたが、「オンラインのみでも完結する顧客体験」の設計が求められるようになっている。

その他にも、ライブコマースなど「ECの次世代化」や、SNSやメッセージアプリのブランド公式アカウントのフォロワーに対してCRMを実施する「コミュニティ型CRM」などが進められている。

従業員によるデジタル配信「EGC」の潮流も

次に見ていくのが、変化が顕著にみられる「オンラインのみで完結する顧客体験の設計」領域における、より具体的な取り組みについて。

いま、とくに進んでいるのが、接客におけるオンラインツールの導入だ。AIチャットサポート、Zoomなど様々あるが、2021年4月には欧米で圧倒的なシェアを誇るオンライン対面接客ツール「HERO」の日本語サイトがオープンした。

これは、自社サイトに設置したチャットボタンを介し、最寄りの店舗のリアル店舗販売員とつながりメールやビデオ通話で会話ができるというもの。

ユーザーは自分の肌の写真を送信すれば、販売員が自分あった商品やお手入れ方法を教えてもらえる。購入後のフォローアップ接客の予約もでき、店舗に行ったかのような体験を得られる。既にボディケアブランド『Laline』で導入されるなど日本においても広まりを見せる。

もう1つ、コンテンツ領域における変化として押さえておきたいのが、店舗販売員などの従業員によるデジタル配信「EGC(Employee Generated Contents)」の潮流だ。

従来、SNSの一般ユーザーによって作成されるコンテンツ、いわゆるUGC(User Generated Contents)の活用がうたわれていた。ただ、コロナ禍において、タレントやインフルエンサーを起用するよりもコストを抑えられ、商品知識の豊富さに加えどんな情報がユーザーに喜ばれるかを把握している「従業員によるコンテンツ」は信憑性が高く、好評を博している。

様々なツールが生まれ、より活用できるデータが増えていく時代。デジタルマーケティングの果たす役割も大きくなっていきそうだ。

メーカー各社のデジタルマーケティングに注目

各社はどういったデジタルマーケティング戦略をとっているのか。具体的な取り組みを見ていこう。

■資生堂
年齢によってそれぞれに最適な化粧品を提供している「資生堂」では、「リーチできない層を無くす」というデジタルマーケティング戦略をとる。テレビなどのマス広告だけではなく、スマホなどの広告出稿、オウンドメディアの運営、SNSの立ち上げなど、マスとデジタルの融合を図っているのが特長だ。

■ロクシタン
年に17回という高い頻度で新製品をリリースし、メールやSNS、オフラインのDMなど、あらゆるチャネル活用により顧客をナーチャリング、エンゲージメントを高めているロクシタン。緊急事態宣言下で実店舗が閉鎖されるなかでも、顧客をうまくECに誘導することに成功した。ECにおいても新製品発売を見送る国も多くあったなか、ロクシタンジャポンでは発売予定日の3週間前からすでに予約購入受付を開始していたこともあり、予定通りに実行。公式HPやLINEを通じて新製品発売の告知を行なった結果、リアル店舗の利用歴しかなかった顧客がECで購買する現象がみられたという(*1)。

■オルビス
2018年からオルビスユーを中心にブランドを再構築。リアルとデジタルをつなぐ、『ORBISアプリ』をリリース。店舗においてはパーソナルスキンチェックを体験した顧客の売上げ単価が高くなるといったデータに基づき、スマホアプリでもパーソナルカラー診断、ウェブの問診など体験系コンテンツを提供。売上げ以外に、パーソナルスキンチェックなどの体験数をKPIに加えているという(*2)。

参考:
(*1)ロクシタンがコロナ禍でも売上を堅持した理由は顧客のファン化とデジタルシフト|Beauty Teck.jp note
https://beautytech.jp/n/n1b3103b61eee
(*2)オルビスのリアルとデジタルの融合は次のステージへ。OMOや新ビジネスへ挑む|Beauty Teck.jp note
https://beautytech.jp/n/nd7a85c0883a3

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