デロイトは2021年12月、「日本テクノロジーFast50」を発表。これは、上場・未上場問わず成長率が高かった企業のランキングだ。スタートアップが数多くランクイン。特にAI、SaaS、プラットフォーム運営などWeb領域の企業が目立った。具体的に見ていこう。
日本テクノロジーFast50とは?
企業規模に関わらない、「成長性や成功を知る指標」の1つとして注目されるのが、「日本テクノロジーFast50」だ。デロイトが毎年行なっているランキングプログラムで、上場・未上場問わず、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率でランク付けしている。
対象となるのは、下記の6つの領域のいずれかに従事する、日本資本の企業だ。
・ハードウェア
・ソフトウェア
・通信
・メディア
・ライフサイエンス
・クリーンテック(再生技術、エネルギー貯蔵、ゼロエミッション車両、スマートシティ 他)
事業領域別で見ると、一番多かったのは「ソフトウェア」で27社。ついで、「メディア」が9社、「通信」が8社と続く。
「クリーンテック」で2社、「ハードウェア」で3社、「ライフサイエンス」で1社もランクイン。いずれもAI、データ分析、クラウドなど、近年の注目領域で事業を展開する企業が目立った。
受賞企業50社の3決算期売上高成長率の平均値は348%。なかでも、1位の「BEL AIR」は成長率2,526%を記録。2位の「Sparty」は2,328%、3位の「SheepMedical」は1,661%と、圧倒的な成長率を見せた(*)。
(*)デロイト トーマツ グループ、テクノロジー企業成長率ランキング「2021年 日本テクノロジー Fast 50」発表
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20211214.html
AMBIピックアップ求人
2021年の日本テクノロジーFast50の中から、とくに採用を強化している企業をピックアップした。実際の求人とともに、企業概要を紹介していこう。
【1】Sparty
【2】SheepMedical
【3】吉積ホールディングス
【4】Crunch Style
【5】スタメン
【6】Amazia
【7】カンム
【8】BEARTAIL
【9】サイバーセキュリティクラウド
【10】メドピア
【11】SHIFT
【12】Macbee Planet
【13】サイエンスアーツ
【14】WACUL
【15】セレス
【16】Chatwork
【17】エル・ティー・エス
【18】ナイル
【19】カラダノート
【20】ENECHANGE
Sparty|パーソナライズD2C
「パーソナライズ」を主軸に据えるD2Cブランドを展開するのが、Spartyだ。パーソナライズヘアケア「MEDULLA」は、Web上で10の質問に応えていくと、ユーザーに合う診断結果を提案し、シャンプーとリペアのセットを届けるサービス。その他、パーソナライズスキンケア「HOTARU PERSONALIZED」、パーソナライズボディメイク「Waitless」も展開する。2021年9月時点の累計会員数は40万人以上に。今後は、パーソナルデータを活用し最適なものを提案する「パーソナライズプラットフォーム」の構築、ヘルスケア領域など新たな市場への拡大を狙う。
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SheepMedical|予防医療のDX
2017年に創業、「未病」領域の課題解決を通して、世界の人々の健康寿命を伸ばすことに取り組むのが、SheepMedicalだ。同社が注目したのは、今後国内外で市場が拡大していくことが見込まれる「歯科領域」。歯科技工物の製造や、クリニックの収益性向上や患者の治療体験を改善していくための電子カルテやスマートフォンアプリ等の開発を行なう。すでにグローバル展開を本格化させており、2021年10月時点で海外8ヵ国で法人化を完了。今、まさに「第2創業フェーズ」を迎えている。
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吉積ホールディングス|Google Cloud の専業コンサル
Google Workspaceの各種コンテンツ導入支援サービスを提供している吉積ホールディングス。クラウドエースの親会社でもある。2021年1月には、総額10億円の資金調達を実施(*)。今後、エンタープライズ向けビジネスを加速させていく方針だ。
(*)農林中央金庫、SMBCベンチャーキャピタル、りそなキャピタル及び既存株主を引受先とする総額10億円の資金調達を実施
https://www.yoshidumi.com/%E8%A4%87%E8%A3%BD-%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9-20210122
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Crunch Style|花のサブスク
500円コースから手軽に始められて、週替わりで旬のお花がポストに届く花の定期便サービス『bloomee』(2021年3月に「Bloomee LIFE(ブルーミーライフ)」より名称変更)を提供するのが、Crunch Styleだ。自宅にいる時間が増えたことから、部屋に彩を求める人が増加。会員数は累計10万世帯を突破した。
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スタメン|エンゲージメント領域のパイオニア
2020年12月に東証マザーズへ上場した、スタメン。企業と従業員による双方の信頼関係を高める、“エンゲージメント経営”の実現するサービス『TUNAG』を提供する。社内課題の抽出、コンサルティング、ツールの導入支援、フォローまでを一貫して担う。さらに、2020年5月からは、オンラインファンサロンアプリ『FANTS』をリリース。同サービスではコミュニティのエンゲージメント向上と収益化の支援を行なっていく。
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Amazia|「マンガBANG!」運営
ダウンロード数2000万超を誇る、国内最大級のマンガアプリ「マンガBANG!」を運営。基本無料で利用できるフリーミアムモデルにより、ユーザーを拡大する。とくに集英社、講談社、小学館など、大手出版社と協業関係を構築し、人気作品を数多く取り揃えるのも特徴だ。2018年12月には、東証マザーズに上場。2021年3月には、海外向けサービス第二弾 海外向けマンガアプリ 「Manga Flip」 もリリース。グローバル展開にも注力していく。
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カンム|中高生でもつくれるVisaカード
本人確認不要で作成でき、スマートフォンアプリからチャージ可能なVisaプリペイドカード「バンドルカード」を提供する同社。「クレジットカードだと使いすぎが怖い」という課題を解決し、中高生・未成年を中心にシェアを伸ばす。2016年のサービスリリースからダウンロード数を伸ばし、2021年7月には累計400万ダウンロードを突破した(*)。
(*)カンム、Visaプリペイドカード「バンドルカード」400万ダウンロード突破
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000012797.html
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BEARTAIL|経費精算をDX
自動お金管理サービスの『Dr.Wallet』クラウド経費精算システムの『RECEIPT POST(レシートポスト)』の2つのフィンテック事業を運営するのが、BEARTAILだ。DX化の流れをうけて、問合せが増加。人員は昨対比2倍となる勢いで採用を加速させているという。
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サイバーセキュリティクラウド|サイバー攻撃を可視化・遮断
サイバー攻撃などの脅威により、国内企業のセキュリティ投資に注目が集まる。こうしたなか、日本とカリフォルニアを拠点に、世界のWebサイトを守るセキュリティサービスを開発・提供するのが、サイバーセキュリティクラウドだ。リリースから3年で市場導入数No.1(*)。今後は、未知の攻撃に対応するAI開発、IoTセキュリティ、攻撃データの提供など新サービスの展開も見据える。
(*)「クラウド型WAFサービス」に関する市場調査(2019年6月16日現在)<ESP総研 調べ> (2019年5月~2019年6月 調査)
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メドピア|医師の3人に1人が登録するコミュニティサイト
国内医師の3人に1人が参加するドクタープラットフォーム『MedPeer』を運営するのがメドピア社。『MedPeer』は、薬剤評価、症例相談、症例検討会など医師による活発な情報共有がプラットフォーム内で行なわれる。いわば医師たちの集合知、医師向けのソーシャルネットワークサービスを提供することにより、医療現場の課題解決を促している。2020年10月には、AIや深層学習技術開発のPKSHA Technologyと合同会社「メドクロスア株式会社」を設立(*)し、注目が高まっている。
(*)日本経済新聞|<マザーズ>パークシャが6%高 メドピアと合弁会社を設立
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL29HNA_Z21C20A0000000?unlock=1
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SHIFT|バグ退治のプロ集団
ソフトウェアの品質保証・テスト事業を専門で担うのが、SHIFTだ。従来、エンジニアたちがバグの有無を調べてきたが、これにより発生するのが、“品質保証の品質が安定していない”という状況。SHIFTは、請負形態で受注、テストを根本から見直し、仕組み化することで、属人化することなく均一な品質を保てる体制を構築した。
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Macbee Planet|LTVマーケティングを提唱
2020年3月に東証マザーズに上場。マーケティング領域におけるコンサルティング事業を手がけるのが、Macbee Planetだ。LTV(顧客生涯価値)を高めるアプローチで、利益に貢献することを追求する。自社でマーケティングツールを開発し、それを活用したプロモーションを行なう。2021年6月には、新規事業の担当部門として、"ビジネス・デベロップメント本部 DX戦略部"を立ち上げた。今後、DX戦略部の拡大にも力を入れていく。
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サイエンスアーツ|デスクレスワーカーを働きやすく
コミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」を開発・運営するのが、サイエンスアーツだ。同サービスは、スマートフォンやタブレットを活用した映像と音声のプラットフォーム。航空、鉄道、介護業界など、公共性の高井現場を中心に導入されており、現場スタッフの移動・伝達・確認業務の削減、業務効率化に貢献する。
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WACUL|マーケティングDX
2017年に3.5億円の資金調達を実施し、マーケティングDXを目的としたSaaSツールなどを提供するのがWACUL社だ。同社が提供する「AIアナリスト・シリーズ」なら、Google Analyticsのデータを元に、課題発見から改善提案まで自動で行なうことが可能。アクセス解析ツールと連携し、データを自動で分析してくれる。サービスローンチして約5年間で、累計33,000サイト以上に導入されている。
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セレス|日本最大級のポイントメディア運営
2016年12月に東証一部上場、日本最大級のポイントメディア『モッピー』をはじめとした、各種自社メディアを運営するセレス社だ。O2Oという言葉もまだ聞かれなかった頃から、ネットの世界と現実世界をつなぎわせるサービスを提供するべく創業。新規事業として、暗号通貨関連事業などにも乗り出している。
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Chatwork|ビジネスチャットツール
クラウド型ビジネスチャットツールを主力事業として展開するChatwork。2021年に入ってからは、情報通信機器の販売などを手がけるスターティアホールディングスとの提携を発表。中堅中小企業のデータ管理の支援を通じて、DX推進を狙う。
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エル・ティー・エス|コンサルによる企業変革支援
ロボティクス・AI・ビジネスプロセスマネジメントの活用により、DXや企業変革を支援するコンサルティング企業が、エル・ティー・エスだ。たとえば、大手自動車メーカーの現場に入り込み、制御システムをサイバー攻撃から守るためのセキュリティ企画・立案などを行っている。
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ナイル|多角的にサービスを展開
デジタルマーケティングを軸に事業を展開するのが、ナイルだ。事業領域は、法人向けマーケティング支援領域、アプリ領域、電子コミック領域、モビリティ領域など多岐にわたる。2021年1月には50億円(*)の資金調達を実施。今後は、モビリティサービス事業への注力をすると同時に、各事業との親和性の高い企業とのM&Aなども見据えているという。
(*)ナイル株式会社は、総額50億円超の資金調達を実施いたしました
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000026355.html
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カラダノート|ライフステージに合わせたITツール
2020年10月には東証マザーズ上場、子育て向け健康管理アプリを運営するカラダノート社。たとえば、妊娠中に感じる不安の解消をはかる『ママびより』、陣痛間隔を計測するアプリ『陣痛きたかも』、赤ちゃんの月例によって食べていいもの・食べられる状態を分かりやすく伝える『ステップ離乳食』などを提供。ママ層を中心に80万世帯のデータを蓄積している。今後は55~65歳の“初孫世代”も取り込んでいくほか、他社との提携・M&A、アプリの月額課金制への移行も見据えるという(*)。
(*)カラダノートの佐藤社長「子育てアプリ 月額制検討」|日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65067730V11C20A0000000/
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ENECHANGE|エネルギー革命を推進
「エネルギーの未来をつくる」をミッションに掲げる、英国ケンブリッジ発のエネルギーテックスタートアップがENECHANGEだ。2020年12月に東証マザーズに上場。エネルギーの「自由化(Deregulation)」、「デジタル化(Digitalization)」、「脱炭素化(Decarbonzation)」、「分散化(Decentralization)」の「4つのD」における全てでイノベーションを実現していくことを目指す。
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2021年12月現在、複数ポジションで募集を行っている企業も見受けられた。成長企業に参画するチャンスを逃さないでほしい。