INTERVIEW
TENTIAL|代表取締役CEO 中西裕太郎

3年連続で売上約10倍。ビジネスパーソンを熱狂させるスポーツ・ウェルネスD2C「TENTIAL」の躍進

掲載日:2022/04/07更新日:2023/04/07
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2021年9月に5億円調達。年平均440%の事業成長を続けるD2Cスタートアップ「TENTIAL」の勢いがとまらない。300人以上のアスリートをはじめコンディショニングに気をつかう経営者や医者などの愛用者も多いインソールは累計2万足を販売。BAKUNE(爆寝)するリカバリースリープウェアはMakuakeで目標金額3000%以上を達成するなど大ヒット。30~40代のビジネスパーソンを中心に人気ブランドとして認知を高める。彼らがコンセプトとするのが、日常生活やライフスタイルを豊かにするプロダクト。そのヒットのウラ側、ビジネス戦略、そして今後の展望について代表取締役CEOの中西裕太郎さんに伺った。

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3年連続、売上が約10倍に。世界で戦えるスポーツ・ウェルネスD2Cを目指して

2021年9月に5億円を調達。主力商品であるインソールは累計で1.5万足を販売し、月商は1億円を突破。直近3年の年平均成長率は440%という驚異的な成長を遂げるスタートアップがある。D2Cブランドを展開するスタートアップ、TENTIALだ。

・仕事力を足元から支えるインソール
・思わずBAKUNEするリカバリースリープウェア
・自分のカラダと向き合うセミパーソナライズ枕
・オシャレに仕事が捗る高機能ワークウェア…

これら新製品が軒並みヒットを飛ばし、30~40代のビジネスパーソンにとって注目ブランドの1つとなっている。

自社で運営するメディアからのデータをもとに、デジタルマーケティング、商品開発を行ない、ECで販売するところまでの全てを担う。

「ビジネスパーソンの肩こり、腰痛、睡眠不足・負債は社会課題でもありました。それが、コロナ禍を機に、心と体が豊かでないといけないよね、というマインドを持つ方が増えてきています。コロナ禍、「健康」は人々にとってより身近な関心事になっており、体の悩みに向き合う人も増えてきたと感じています」

こう語ってくれたのが、代表取締役CEOの中西裕太郎さん。その志を追った。

テンシャル04

浮き指だと体のバランスが不安定になり、上半身が前傾姿勢になりやすく、肩こりや腰痛、足の痛みの原因に。TENTIALのインソールは、足の指先を正しく使えるようにすることで、足元にかかる負担を軽減できる。人が本来持つ機能をしっかりと使うことで、人のポテンシャルを引き上げていく(社名の由来でもある)。アスリートをはじめ、医師や経営者などのハイエンドのビジネスパーソン、農家、介護士、ドライバー、製造業の現場で働く人まで、ユーザーは幅広い。

コンセプトは、「スポーツと健康を循環させる」

もともと学生時代からスポーツに打ち込んできたなかで身につけた体と向き合うノウハウを、社会に役立てたいと起業した中西さん。

創業当初は、日常のトレーニング方法やケア方法などの知識を一般に伝えていくメディアの運営事業から開始。同メディアは月間150万人が訪れるサイトに成長。その検索流入などから得たデータをもとに実際に解決に導くプロダクトを開発し、販売するD2C事業をスタートさせた。

「スポーツ選手は、周りにトレーナーがついていて、日常的に体をケアしています。こうしたスポーツを通じたノウハウを活用して、日常生活やライフスタイルを豊かにしよう。これが僕らのコンセプトです。ウェルネス関連商品をオンラインで販売する事業者のなかでは、すでに圧倒的なポジションを築くことができているかなと思います」

そして、ウェルネス領域で確固たるポジションを築けた理由の1つとしてあげてくれたのが、「体の構造を熟知した専門集団」である点だ。

「市場と顧客のデータ分析によって、顧客の健康課題を解決に導ける品質を担保することができています。私を含め、アスリート出身のメンバーが多いこともあり、商品開発にはスポーツ選手だからこその観点も大いに活かしています。スポーツ・ウェルネス業界において、体の構造を熟知し、かつテクノロジーにも強い会社がほとんどない中で、先行プレーヤーとなることができていると言えると思います」

テンシャル01

代表取締役CEO 中西裕太郎
高校時代はサッカーに打ち込みインターハイへ出場。心疾患のためにプロを断念。卒業後はプログラミング学習サービス「WEBCAMP」を手掛けるインフラトップにジョインし、創業メンバーとして事業責任者を3年務める。その後退社し、リクルートを経て2018年2月にTENTIALを設立。

「デジタル」を強みに、最速でプロダクトを届ける

TENTIALがつくる商品は、インソールやリカバリーウェアなど、商材だけみれば一見、目新しさはなく、並み居る強豪ひしめく領域といえるだろう。こうしたなか、なぜTENTIALのプロダクトは存在感を高められているのか?

「端的にデジタル領域で物を販売する、ここに多くのリソースを割き、注力している部分は強みだと思います。自社サイトはもちろん、主要EC、Makuakeなど、販売チャネルを網羅し、タッチポイントを作っています」

従来のスポーツメーカーは、店舗販売が主流。いまだに売上の大半を店舗売上が占めている現状もあるという。

「従来のメーカーがリアル店舗の開拓を進める間に、僕らはデジタル上の店舗をおさえにいく。オンライン上での検索のトラフィックで圧倒的にシェアをとり、インソールをはじめ、勝ち切れている領域もあります、このデジタルの強みを活かし、リアル店舗での販売とのハイブリッドで事業を伸ばしていこうと考えています」

また、既存のメーカーにはできない、スピード感も彼らの強みのひとつだ。

「商品開発スピードを徹底して早く回す、ここも私たちの特徴です。あくまで自社調べですが、従来のスポーツメーカーのおよそ1/10程のスピードで新商品を企画し、リリースできています。大手メーカーなどでは2~3年かかるような商品開発を、2ヶ月程で進めるようなイメージです」

なぜこのようなスピード感で実現できるのか。

「自社でECをフルスクラッチで開発しているため、従来の店舗販売の場合に発生する各サプライチェーンにおける手間を省けるんです。例えば、商品企画においては、自社にデータが蓄積されているため消費者のニーズを迅速かつ明確に捉えることができます。作る人と売る人が異なる従来の店舗型モデルでは、情報収集にも時間がかかってしまう。僕らは、ここをより効率的に進められます。販売に関してもオンライン中心の販売であるため、店舗販売であれば発生するプロセス、たとえば他社商品との兼ね合い、展開エリア、押さえる棚の数などの業務の手間を省けます。結果的に、無駄を最小限に押さえてリリースまで持っていくことが可能になります」

D2C事業の開始当初は、たまたま「足の課題」が多かったことから、インソールからプロダクトを開発していったTENTIALだが、これはあくまで一例にすぎないという。

「「腰が痛い」「肩こりがひどい」という悩みについて応えていくとなれば、つくる商品も変わってきます。コロナ禍でマスク不足が起きたように、社会情勢によっても求められる商品は変わってくる。こうした多様な悩みを迅速にとらえて、質を担保した商品を最速で世に出していく。ここが僕らの介在価値でもあると考えています」

テンシャル03

2020年6月、大手アパレルメーカーよりも早く「TENTIAL MASK」をリリース。楽天ランキングでは8冠を獲得するほどのヒットとなっている。スポーツウェア素材を使用し呼吸ストレスのない運動ができること、抗菌・制菌・消臭機能を搭載していることが特長。

NIKEを超えたい。社会に誇れるものを残したい。

「僕が挑戦したいのは、どこまでいっても人々の健康課題を解決していくことです」こう語る中西さん。その上では、単に自社で商品を販売する以外のアプローチも模索を始めている。

「1つ考えているのは、自社商品だけではなく、最適な他社の商品などを提案していけるプラットフォームの構築です。たとえば、40代男性で肩こりに悩む人でも、仕事で重い荷物を持つ人と、デスクワークをする人とでは、痛みの種類は異なるはず。自社製品だけでなく他社の優れた製品も提案できれば、より個人の悩みに最適化することができます。さらに僕らとしても、より多くのデータを集約し、健康課題のニーズをより細分化できるようになる。自社でECサイトを開発しているのは、こうした膨大なデータの集約基盤をつくっていくためでもあります」

もう1つ、蓄積した膨大なデータを外部に提供するなどのデータビジネスやコンサルティングについても視野に入れているという。

「他社メーカーにも僕らのデータを活用いただくことで、メーカー全体の生産性が上がり、より高品質な商品が増えていく状態を実現できる。そうなれば、人々が日常からケアをできるようになり、多くの人の病気を未然に防ぐことにもつながる。ひいては、高齢者の医療費ひっ迫などの社会問題の解決にも寄与していけるのではないかと考えています」

さらに、その先に見据えるのは「世界」だ。

「日本発の、世界的なウェルネスカンパニーとなることを目指しています。そのために、「カラダの構造理解を追求し、「カラダ」というものを解明していく」ここを愚直にやり抜いていきます。現状、スポーツ・ウェルネスの領域では、NIKEやニューバランスなどの存在感が強いですが、日本企業でここまで強い存在感を示せている企業はあまりないと思っています。だからこそ、僕らが先駆けて世界に打って出ていく存在となりたい。日本からでも世界のブランドと肩を並べられることを証明していきたいんです」

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最後に伺えたのは、中西さんにとっての仕事の原動力について。

「どうせいつか死ぬなら、何か社会に残せること、社会に誇れることをしたい。この想いが原動力になっています。

もともと僕は高校時代はプロを目指してサッカーに打ち込んでいました。ただ、高校3年の夏に心疾患を患ったんです。当時あまりのショックから生きる気力も失い、遺書を書いたことがあり、その時、気付いたんです。家族やお世話になった人達に対して、自分はまだ何も返せていない、と。以来、社会に誇れることをしたい想いは常に頭の片隅にあって、そこに向けて常に走り続けているという感じです。

目指している目標は高いですが、まずは日本で勝ちきっていかなければなりません。まだまだ創業期なので、これから仕組みをつくっていく部分も多い。想いに共感いただき、一緒に基盤からつくっていける方と働けると嬉しいです」

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