世界190ヵ国以上で展開、業界最大級のクラウドサービスを展開するAWS。2022年2月に発表した第四半期の売上高は前年同期比40%増の178億ドル(約2兆円)、営業利益は32%増の52億9000万ドルを記録を記録(*)。Amazonの全部門の中で最も収益性の高い部門でもある。そんな同社では営業職の採用を強化していく。今回は、2020年に日系大手SIerから転職し、アカウントマネージャーとして活躍する尾畑さんにお話を伺った。彼の転職ストーリーと共に、同社で得られる成長機会について見ていこう。
(*)好調続くアマゾンのクラウド「AWS」、四半期2兆円の売上|Forbes
https://forbesjapan.com/articles/detail/45696
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転職する気はなかった。運命を変えたのは、一通のオファーメール
AWS入社のきっかけから教えてください。
前職は日系大手SIerで金融業界向けシステム導入に関わる営業をしていたのですが、じつは仕事にはそこまで大きな不満はありませんでした。ただ、漠然と「営業としてのキャリアはこのままでいいのか」という不安があったのでAMBIに登録していたんです。
そういった時、たまたまAWSからカジュアル面談のオファーメールが届きました。メールを受けとったときは、もちろんAWSの存在は知っていましたが、自分がそこで働くイメージは全くなく、実際働くことになるとは思ってもみませんでした。ただ、話を聞くくらいなら、という気持ちでカジュアル面談を受けてみたところ、次第に志望意欲が高まっていったんです。
具体的には、AWSのどういった部分を魅力に感じたんですか?
1つは、純粋に営業スキルを磨いていけそうだと感じられた部分です。
話を聞いてみると、AWSでは、アポの開拓・リードをつくる、といった業務は専門チームが担当していて、インサイドセールスはあくまで内勤で働きながら商談をし、実際にお客様に活用いただくところまで伴走していける組織だと知りました。さらに、200を超える自社サービスを提供していることから、あらゆるサービスを提案できる点で営業としてもやりがいがありそうだな、と感じました。前職時代は、大規模な案件に携わり、多くの人々の生活に影響を与えるようなサービスが生まれるきっかけづくりは出来ていたと思うのですが、仕事の約6~7割はサーバーなどの手配や納期調整など。提案よりも調整や事務処理などの業務割合がほとんどを占めていました。AWSに身を置くことで、お客様の課題を解決していく営業スキルを磨けそうだと考えました。
もう1つは、AWSが世界で最も広く採用されているクラウドプラットフォームであることです。 前職時代、金融業界のお客様と向き合うなかでは、あらゆる取組みが遅れていると言われる金融業界でさえクラウドを意識し始めているのを見てきました。ただ、私が居た大手SIerでは、当時まだクラウドを積極的に提案する体制がなく、仮に何か新しいものを作ろうとしても、組織が大きすぎるが故に事前の承認やプロセスが必要になります。実際途中でストップしてしまったプロジェクトもありました。その点、AWSはクラウドで他社の先をいっています。これまで経験できなかった本質的な課題解決をしていけると感じました。
他の会社も受けてみようとは思わなかったのでしょうか?
「転職がしたい」というより、「AWSで働きたい」という意識の方が強かったように思います。そのため、他の会社も受けてみようとは考えませんでしたね。幸い、AWSから内定をいただけたので迷わず転職を決めました。
尾畑さん
新卒で日系大手SIerに就職し、金融機関向けのシステム導入提案に従事。2020年にAWSにインサイドセールスとして入社。現在、クラウドソリューション営業本部西日本営業部にて、アカウントマネージャーを務める。
「伴走」と「データ活用」で磨く、営業スキル
営業として、入社後はどんな仕事を?
私のミッションは、1社でも多くのお客様にAWSを利用して頂き、担当テリトリーの数字を最大化することです。そのために、インサイドセールスとペアで動く外勤営業、技術面のスペシャリスト集団であるソリューションアーキテクトをはじめとした関係者と共に、お客様の開拓から提案営業、さらにAWSについてレクチャーするセミナーの企画・運営を行なっています。
特に、私が担当するのは、関西圏の売上100億~750億円規模の中小企業100社ほど。まだAWSをあまり利用していない、あるいは全く利用していない企業が中心なので、「クラウドのことはよくわからない」「オンプレミスを変えたくない」とおっしゃる方々も多いです。まさに、0→1を作る部分。まずはAWSを小さく使っていただくことが中心になります。
これまで担当されたなかで、「この仕事をしていてよかった」と思う瞬間について教えてください。
お客様に伴走し、ローンチまで見届けられたときです。
たとえば、先日担当した、AWS上でサービスを展開していかれるお客様の案件。お客さまご自身でAWSを利用し、内製開発されていたのですが、その中では思うような形にならない、上手く動かないといった壁にぶつかられていました。そこで、隔週でオンラインでの相談タイムを設け、お客様の開発進捗を確認しながら都度生まれた疑問に答えたり、メールでも2日に1回くらいの頻度でフォローしながら進めていました。
実際にお客様のサービスがリリースできたタイミングには、「尾畑さんに支援してもらったおかげで無事リリースできました」という言葉もいただきました。やはりこういったときは嬉しいですね。
一方、入社されてからつまずいた点があれば伺いたいです。
データを活用しながら効率的に営業活動していくことが求められる点です。担当テリトリー全体の売上目標を最大化するためには、闇雲にアプローチすればいいわけではありません。どういったお客様からアプローチしていくのが適切か、AWSで蓄積しているあらゆる数字をもとに、戦略的に進めていきます。前職ではデータを活用した営業活動はほとんどしたことがなかった私にとって、慣れるまでは少し苦労した部分です。
たとえば、どういった数字を見ていくのでしょう?
行動件数、打ち合わせ回数、AWSが主催するセミナーへの参加回数など。お客様のAWS利用状況、年間のITシステム検討予定など各情報よりお客様を分類した上で、それらの様々な営業データを活用し、アプローチを効率化しています。
最初は、どのデータをどう見て判断していけばいいのかサッパリわからなかったのですが、書籍を読みながら見ていくデータの種類や組み合わせを変えたり、それを周りの方にレビューしてもらってどういった観点が足りてないのかアドバイスをもらいながら、少しずつ勘所を掴んできました。
【AWSにおけるインサイドセールスとは?】
営業スタイルとしては、電話、Web会議システムなどによるリモートでの商談・クロージングがメインで、訪問は最小限必要な時のみ。全国のお客様に対して、よりスピーディーに伴走できる体制となっている。
一般的にIT業界におけるインサイドセールスは、コンタクト開拓・リード作成を行なうチームであることが多い。一方、AWSの場合は、リード作成は専門のチームが担当。インサイドセールスチームは、リードを受け継ぎ、お客様に提案、実際ご利用してもらうところまでを担当するため、ソリューション提案営業の経験とスキルを磨くことができる。
また、実際に提案を行なう際は、外勤営業(フィールドセールス)とペアになりお客様を担当し、同じテリトリーを見ていく。技術面を担当するスペシャリスト集団「ソリューションアーキテクト」など、部署をまたいで協力しながら進めていく。
AWSでは、毎年一回、年末に同僚からレビューをもらうタイミングがある。「部署内外からフィードバックをもらいたい方を約10名選出し、 AmazonグループのOLP = Our Leadership Principles(*) の項目に沿ってフィードバックをもらいます。OLPの項目ごとに「良い」と回答した人の人数、改善したほうがいいと回答をした人の人数がバーで可視化されて自分の元に届きます。それらのデータもふまえた上で、直属マネージャーと評価面談を行ないます。個人的には、営業部門の同僚だけではなく、ソリューションアーキテクトをはじめ他部門の目線でも評価をもらうことで気付きが得られ、自分を見つめなおす良い機会となっています。前職時代は、直属の上司からの一方的な評価であり、かつ上司との関係性、いかに成果をうまくアピールできるかが重要な印象でした。当時と比べるとAWSの評価制度は非常に納得感が高いと感じています」
ハイレベルな同僚の存在が、成長を加速させる
日系企業から外資系企業への転職という意味でも、カルチャーが違う部分も多かったのではないかと想像します。入社後に感じたギャップがあれば教えてください。
外資系というとドライなイメージ、一人で研鑽してスキルをつけていくイメージがありました。ただ、入社してみて驚いたのは、中途入社者にも、周りからの支援が手厚いことです。
入社2ヶ月はランプアップ期間。e-Learningや研修もあります。さらに、入社後すぐにメンターがつき、悩みがあれば逐次相談できる。困ったことがあればチームの人がすぐ情報共有してくれます。ドライどころか、むしろ想像以上にアットホームでした。
サポートしてくれる方が多いのは心強いですね。働かれている方の共通項などはあるのでしょうか?
周りのために率先して動くマインドをもった、優秀な方が多いと感じています。OLP の中の1つに「Ownership」を掲げているのですが、特にこれを体現している人が非常に多いと感じています。
たとえば、企画やイニシアチブを考える時にも、皆が我先に手を上げます。一般的には、自分の業務に手一杯で、別の業務まで手をあげようとはしないといったことも往々にしてあるのではないかと思うのですが、AWSではそういったことは全くないんです。
さらに、ナレッジシェアの文化が当たり前に根付いています。自分の担当案件で得た気づき、うまくいった商談の進め方などのナレッジを、皆が誰に言われなくともチーム内で共有しています。仕事に対して前向きで、結果にもコミットしていく人ばかりです。
正直、入社当時は周りのレベルが高すぎて焦りました。ただ、周りの雰囲気で自分も成長できる。「自分もおちおちしてられない、もっと頑張らなければ」と感化されるんです。成長環境を求める人にとっては、またとない会社だと思います。
広い視野で考え、お客様の新ビジネスを支援したい
入社から2年がたった今、実際どのような点が成長できたと感じていますか?
OLPの1つでもある、「Think Big = 広い目線で物事を考える」(*)。ここは入社してから伸ばせたスキルだと感じています。
今になって思えば、前職の大手SIerで働いていた頃は、目の前の案件で、いかに自分たちのサーバーを購入してもらいリプレイスできるか、しか頭にありませんでした。一方、AWSに入ってからは、目の前のシステムのリプレース、クラウドにシステム移行するだけではなくて、移行したその先にあるお客様にとっての新しい取り組みやビジネスまでを、合わせてご提案する機会が増えました。
「お客様にとっての新しい取組みやビジネス」とは、たとえばどういった部分まで見据えて提案されるのでしょう?
例えば、製造業のお客様がシステムの環境としてクラウド移行した場合。お客様が保有する工場設備のデータを、工場設備の劣化・故障等の予兆検知に活用できるかもしれない。あるいは、工場で発生しているデータをAIやマシンラーニングで分析し、新しい 製品開発などの取り組みに活用できるかもしれない。どういったデータ活用ができるかまで見据え、お客様にとってわかりやすいメリットを示唆していくイメージです。最近感じるのは、お客様にとっての未来までお伝えしなければ響かない、ということ。少しずつ、こういった提案ができるようになり、手応えを感じています。結果を出すことで会社の同僚、お客様に認めてもらえることはもちろん、自分自身を認めることができ、自信にも繋がっています。
最後に、今後の目標について教えてください。
私が担当するお客様は、クラウド導入のちょうど過渡期にあります。今後ますますクラウドの利用が進んでいくはずです。とはいえ、日々働くなかでは、まだまだクラウドに踏み切れないお客様も多いと感じています。そういうお客様に対して単にクラウドの価値をお伝えするだけではなく、お客様のクラウドを使うことで広がる新しい取り組みやビジネスを一緒につくっていきたい。クラウドを利用したお客様のチャレンジを支援していきたいと考えています。お客様のためになれば、その先には社会、日本経済もよくなる。そう信じてこれからも頑張っていきたいです。
(*)AWS カルチャー
https://aws.amazon.com/jp/careers/culture/