INTERVIEW
オイシックス・ラ・大地(東証プライム上場)

雑貨バイヤーから『Oisix』のマーケターに転身。スピード、打席数、裁量…全てが求めているものでした

掲載日:2022/10/07更新日:2022/10/12
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有機・特別栽培野菜など安全性に配慮した食品宅配で知られる「オイシックス・ラ・大地」。さらにはEコマースなどによる関連グッズ販売・サービス提供を手掛け、2022年3月期の売上高は1,134億円と過去最高となった。今回お話を伺ったのは、同社のマーケターとして活躍する稲垣祐司さん(32)。前職は全国展開するライフスタイルブランドの雑貨バイヤー・EC担当。なぜ、次なる舞台が「オイシックス・ラ・大地」だったのか。転職、そして活躍に至るストーリーを追った。

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「オンラインで売る」スキルを磨きたかった

もともとアパレルや生活雑貨の業界で雑貨バイヤー・EC担当といったキャリアを積んできた稲垣さん。そもそも彼はなぜ転職を考えるようになったのか。そこには「売るスキルを磨きたい」「可能性を広げたい」という思いがあったという。

「前職時代、バイヤーから異動してECサイトを担当するようになったのですが、そこで痛感したのが「オンライン上で売るスキルがない」ということ。どうしてもバイヤーだと「商品軸」で売上をつくる発想になってしまい、データを俯瞰で見た上で施策を回す、といったことが出来ていませんでした。もちろん、会社に残ってそこを磨く選択肢はあったのですが、どうしても前職のECサイト運営の業務だとオペレーションが中心。どうすればデータを重視しつつ、勝負ができるか。オンラインでお客様に気持ちよく買い物をしてもらえるのか。マーケターとして成長したいという思いから転職を考えました」

複数の候補企業があるなかでも、なぜ「オイシックス・ラ・大地」への入社を決めたのだろうか。

「一番大きかったのは、コロナ禍におけるEC市場で急速に成長していたこと。そしてオンライン上の売り場づくりにすごく力を入れていると感じたからです。特に実店舗とは違った売り場設計を裁量を持ってできる。ここに魅力を感じました」

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前職時代に扱っていた「雑貨」という商材、そして売り方に対しても一種の「もどかしさ」があったと振り返る。

「前職は、そこそこ規模感の大きなライフスタイルブランドだったので、雑貨のラインナップは早々変わるものではなくて。大きくいえば、春夏秋冬の年4回しか商品が刷新されないんですよね。ほかにもマイナーチェンジやイベントグッズなどの季節商材はありましたが、当然、売り場設計が求められる機会は少ないわけです。自分がアイデアを加える余地もほとんどありませんでした。その点、『Oisix』であればほぼ毎週のようにお客様が訪問し、買っていただける。もちろん新規のユーザー獲得にも力を入れており、常に新しい施策をスピーディーに試していく。これは入社後に感じたことですが、自分が考えてやったことの結果がすぐに数字に現れる。これは実店舗との大きな違いでしたし、柔軟な売り場設計、そして企画のおもしろさを感じられるところですね」

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稲垣 祐司(32)マーケティングチーム マネージャー
前職ではアパレル業界でバイヤー・EC担当者を経験。AMBIを通じて2021年4月にオイシックス・ラ・大地へ入社。80人ほどが在籍するOisix EC事業本部に所属し、入社1年で『Oisix』ECサイトにおける既存会員向けにさらなる購買を促すマーケティングチームのマネージャーに昇格。主にサイト内特集ページの企画運用、自チームメンバーのマネジメントを担当。その他、サブスク「牛乳とか飲み放題」をはじめ、お酒、お花、雑貨など嗜好品カテゴリの売上拡大に取り組む。

「陶器」や「お花」もOisixで売る

現在、稲垣さんは入社1年半にしてマーケティングチームを率い、主に『Oisix』ECサイト運営、サイト内での新たなカテゴリ企画を手掛ける。メインミッションはOisixEC事業の業績達成、そして企業理念の実現だ。

「日々チームでメインとして行なっているのは、サイト内特集ページの企画運用です。たとえば「秋のパン特集」「定番の人気おかず特集」など毎週の特集企画を行ない、そこからどれだけ買っていただいたか、実数を見ていきます。おもしろいのは、特集と同時に、どの食品を推していくのか、具体的に決めていけること。「野菜とフルーツ特集」であれば、「今週はトウモロコシを推していこう」と。もちろんさまざまなチームとの相談もありますが、売上目標の設定から始まり、どの食品を推すべきか、サイトへの導線をどう設計するか、より多くの方に買ってもらうためにはどのようなキャンペーンを打つかなど、上流から入って設計ができる。ここはマーケターとして働く上ですごくおもしろいですね」

そしてどんどん新たな施策・サービスを手掛ける『Oisix』。稲垣さん自身もユニークなプロジェクトで成果を残す。

「試験的に「食品以外のカテゴリ」のECにも取り組んでいるのですが、まさに前職で扱っていた雑貨、そのなかでも食器に特化した企画を入社6ヶ月ほどで任せてもらいました。「稲垣くんって前職 "雑貨" だよね? 食器もできる?」くらいラフに任せてもらって(笑)『Oisix』の食品をより楽しんでもらえるような食器をどう売っていくか。前職時代にお世話になった仕入れ先にお声がけして商品選定したり、販売・ページの企画・編集したり、ほぼ一人で担当させてもらい、2021年12月にリリースすることができました」

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稲垣さんが企画した「Oisix陶器市」(左)、その後任された「Oisix雑貨市」(右)Oisixの強みを活かしつつ、ライフスタイルがより豊かになるよう、多カテゴリでのサービス展開を試験的に取り組む。

この「Oisix陶器市」「Oisix雑貨市」が好評を得て、さらに企画業務の幅が広がっていく。

「お花のサブスク「フラワーコース」にも企画から携わることができましたね。関係各所にご協力いただき、企画から約1か月でテスト販売、その2か月後には本ローンチとスピード感を持ってプロジェクトを進めることができました。お花は大体1週間ほどで弱ってしまいますが、裏を返せば毎週の食品の購入ルーティンにも合う。さらに『Oisix』は冷蔵便でのお届けなので、夏場も涼しい状態で届けられる。こういった既存のアセットを活用して、スピーディーに新サービスを立ち上げられることも醍醐味です」

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Oisixが手掛けるお花のサブスク「フラワーコース」。Oisix が市場で仕入れた新鮮な季節のお花を定期ボックスにお届けするサービス。

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2022年8月にわずか10日でローンチした新サービス「おたすけOisix」。猛暑や豪雨、台風などの影響で突然発生してしまう規格外品や豊作品など、通常の流通では扱いにくくなった商品を、希望する会員に通知・販売。産地でのフードロス削減に貢献する。

スピード、打席数、裁量…マーケターの“成長条件”が揃った環境

もともとEC経験が浅く、「もちろん大変なところはありました」と笑って話してくれた稲垣さん。なぜこれだけ短期間で成長し、目覚ましい活躍ができているのだろう。キーワードは「スピード」「打席数」「裁量」にあるようだ。

「Oisixでの仕事は、まず何よりスピード感が求められるんですよね。野菜、果物といった生鮮食品はリードタイムが短く、常に廃棄のリスクもある。さらに天候という変数も。最近だと、台風などの影響で特集ページをアップする前日に「商品を出せない」と分かったりも。ある意味、そういったリスクも想定しながら、ディフェンシブに切り替えていくことも大切。必然的に他者を巻き込み、物事を進めていかなければなりません。その対応力、巻き込み力はすごく鍛えられたと思います」

オイシックス稲垣さん

もともとデータを扱うことが好きだったという稲垣さん。「前職だと、売上は「商品力」による部分が大きかったんです。その点、『Oisix』だと仕組みを理解し、データから売上構造を一旦分解した上で施策を考えられるのが楽しい。どこを伸ばしていくべきか、数字を俯瞰して見ていく。ここもやってみたかった仕事で、選考の面談でもそういった話ができたことを覚えています。バチバチに数字を追求していく。ただ、面談そのものはすごく和やかでフランク。その時の空気感にギャップは無く、自分にもフィットしていると思います」

そして打っていく施策の多さ、改善していく回数など、いわゆる「打席数の多さ」も成長に大きくつながったと振り返る。

「それだけのスピードで対応しながら、さらにどんどん施策も打っていく。すると「何をやるべきか」「何をやらないべきか」「どういった優先順位でやるべきか」この判断の機会も増えるんですよね。というよりも、やらざる得ない状況に自ずとなっていくわけです(笑)何と言っても『Oisix』は週1回、年間で52回売り場が毎週変わっていくわけですから、当然PDCAの回数が多くなる。どんどん試して改善しながら成果につなげたい、そう考える人にはすごく良い環境だと思います」

もう一つ、稲垣さんが入社1年ほどで活躍できたウラ側には「任せる文化」がある。わずか入社3ヶ月でプロジェクトの主担当を任されたエピソードを伺うことができた。

「入社1ヶ月くらいで『牛乳とか飲み放題』というサービスの進化プロジェクトを任せてもらうことができて。毎月1,480円*(税抜)で牛乳、卵などの食卓の定番品を毎週3品まで無料で購入できるサービスなのですが、会員さんは初回の1ヵ月を無料で体験いただけます。では2ヶ月目以降、いかに利用を継続してもらえるか。継続するか否かで、お客様のLTVが大きく変わり、業績に大きな影響を与えることになる、『Oisix』にとって非常に重要なサービスです。このサービスを活用したキャンペーンを実行し、対象のお客様の月間の受注率を約3倍にすることができました。もちろん周りのみなさんのアドバイスやサポートあってこそですが、何より『Oisix』をアクティブに利用いただく上で重要なサービスなのに、ほぼ未経験入社の僕に任せてもらえるなんて自分でも驚きました(笑)」

*価格は2022年9月30日時点のものです。

オイシックス稲垣さん

仕事は、誰かの役に立つ「有意義な暇つぶし」

そして伺えたのが、オイシックス・ラ・大地に入ってからの変化について。

「オイシックス・ラ・大地で働くようになって一番大きな変化は、マーケター的な視点、アンテナがより高くなったことかもしれません。たとえば、普段の食事にしても特集に活かすことができないか考えてしまったり、スーパーで食品を見てもその値段の背景を考察したり(笑)そういう意味では買い物、外食が楽しくなりましたし、すごく仕事を楽しめていると思います。ただ、まだまだオイシックス・ラ・大地で大きな事業は作れていません。もしいつか卒業するタイミングが来たとしても、自分がその会社にいたんだと証明できる、大きなサービスを世の中に出してカッコよく去りたいですね(笑)」

そして最後には、稲垣さんご自身の仕事観についても伺うことができた。

「誤解を恐れずにいえば、僕にとって仕事は有意義な暇つぶしなのかもしれません。究極的にいえば、人生は死ぬまでの暇つぶしとも思っていて。せっかく仕事で暇をつぶすなら、誰もやっていないことをやって、より大きな価値を多くの人に届けたい。またそれが社会に貢献できるものだとなおよし、と思っています。そして自分自身も認められ、ちゃんと対価もほしい(笑)。こう考えると「食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する」をミッションに掲げている『オイシックス・ラ・大地』は自分が求めている要素が詰まっていたんだなと思います。そういった意味でも、仕事を人生を楽しくするための有意義な暇つぶしにしていきたいですし、こんなにも楽しい暇つぶしは他に無いなと思っています」

オイシックス稲垣さん
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