INTERVIEW
ClaN Entertainment|代表取締役社長 大井基行

日テレ発 VTuber会社「ClaN Entertainment」本格始動へ。28歳の代表が語る野望

掲載日:2022/10/21更新日:2023/04/06
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日本テレビの新規事業からスピンアウトし、2022年4月に誕生したClaN Entertainment。VTuberをはじめとしたインフルエンサーのネットワーク事業、番組・ライブのプロデュース・制作事業を手掛ける。今回お話を伺ったのが、代表取締役の大井 基行さん(28)。日テレ時代、新規事業制度に応募しVTuber事業を立ち上げた人物だ。VTuberのビジネスとしての可能性、今の同社だからこそ得られる仕事のおもしろさについて伺った。

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設立半年で月間売上1億円達成。狙うは「1000億円」

日本テレビの新規事業から分社化し、2022年に設立されたClaN Entertainment。VTuberをはじめとしたインフルエンサーのネットワーク事業を展開し、4月の立ち上げから設立4ヵ月で月間売上1億円以上を達成した。代表取締役の大井 基行さん(28)はその成長性についてこう語る。

「一人のVTuberが何億円というお金を生み出す事例も出てきました。事実、2021年、YouTubeのスーパーチャットの世界ランキングではトップ10のうち9人がVTuber。トップは投げ銭だけで約2億円となっています。広告やタイアップ、グッズ、ライブでの収入を加えると、その何倍にもなり得る」

2021年10月時点で、日本のVTuber数は16,000人。2018年3月時点と比較すると16倍となっている(*1)。

そして、プレイヤーの増加とともに市場も拡大へ。

「私自身2018年からVTuberのビジネスに関わってきて、日々世の中の反応が変わっているのを感じます。最近では取材依頼も多数いただくようになりましたが、こんなことは3年前では考えられませんでした」

厳密には異なる概念だが、いわゆる仮想空間、メタバーズ領域とのシナジーも大きい。メタバース市場でいえば、2028年には世界で100兆円市場になるという予測も(*2)。

「VTuber領域がさらに活発になることで、それらが楽しめるメタバースもさらに普及していくことを確信しています。そのメタバース市場のまずは0.1%、1,000億円を狙います。日本テレビグループの売上高が約4,000億円、その1/4を生み出すこともできると考えています」

VTuber・メタバース領域における事業戦略を一任され、陣頭指揮を取る大井さん。乱立するVTuber関連ビジネスにおいて「ClaN Entertainment」の強みとは。さらなる事業の可能性、そして彼自身の「志」に迫ったーー。

(*1)バーチャルYouTuber、本日1万6千人を突破(ユーザーローカル社)https://www.userlocal.jp/press/20211019vs/
(*2)メタバースとは 仮想空間、28年に100兆円市場迫る(日本経済新聞)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC245F90U2A120C2000000/

ClaN Entertainment 大井さん

大井基行(28)ClaN Entertainment / 代表取締役社長
2017年に日本テレビ放送網株式会社に入社。2018年に社内ベンチャーとしてVTuber事業「V-Clan」を立ち上げ、責任者として事業運営を行う。「プロジェクトV」など多数の番組やイベントのプロデューサーも務めた。2022年4月1日に日本テレビ放送網の新会社としてClaN Entertainment社を設立し、代表取締役社長に就任。

ClaN Entertainmentの強みは世界最大級の「VTuberネットワーク」

2021年には日テレ初のVTuber番組「プロジェクトV」を立ち上げ。翌年7月には放送一周年を記念して、オンライン音楽ライブイベント「Summer Voyage!!」を開催した。

テレビ × VTuber × メタバースを推し進め、独自のオリジナルコンテンツを拡充していくーーそれができる最大の強みについてこう語る。

「約300人のVTuberが在籍する、世界最大級のVTuberネットワークが最大の強みです。これは世界でも他に類を見ないもの。“VTuber事務所”ではなく、オープンなネットワークとして、各VTuber事務所と提携し、VTuber・クリエイターの皆さんの活動をサポートしていきます。たとえば私達は番組やイベントをプロデュースもしているため、キャスティングもできる。日本テレビグループ以外の他局に出演頂くのもまったく問題なくて。独占的ではなく、あくまでクリエイターの皆さんと対等・フラットな立場で、サポートして行きましょうというスタンスのもと、運営しています」

ClaN Entertainment 2

オンライン音楽ライブイベント「Summer Voyage!!」
バーチャル×リアルで新しいエンターテイメントの創造を掲げるClaN Entertainment。2022年7月に開催した「Summer Voyage!!」では、May J.とVTuber「YuNi」による「歌姫コラボ」が実現した。

まさにClaN Entertainmentは「テレビとネットの中間にいる」独自ポジションを確立していると言えるだろう。

「もう“テレビかネットか”という議論は終わると考えています。テレビ、VTuber、メタバースなどを掛け合わせ、掛け算して世の中に打ち出していきたい」

2018年の創世記からVTuberの領域に関わってきた大井さん。VTuberカルチャーへの理解が深く、また地上波番組・イベントなど制作の知見・ノウハウもその強みを補完する。

「VTuberの領域では新しいジャンルだからこそ、VTuberしかり、関係会社なり、信頼関係があってこそ成り立つビジネスだと捉えています。むしろそれこそが大きな成功要因になる。その点、私たちは一つずつ実績を積み重ねることで、一定の信頼を築けてきたと思っています。だからこそ様々な方々にご協力、ご参加をいただける。VTuberは個人で活動することが多いため孤独になりやすいのですが、知見・ノウハウが交換できたり、コラボレーションが生まれるようコミュニティ支援などを行なってきました。また、「日テレグループ」であることが、他の企業様とご一緒する際の信用にもなっている。私自身が日テレグループのなかでVTuberやメタバースの理解者として任せてもらっているというのも、社内外から信頼してもらえている理由になっていると思います」

ClaN Entertainment 3

「VTuberは、新しい生き方の選択肢だと思っています。顔出しのリスクもなく、はじめやすい。その人の能力・才能を最大限開花させるキッカケにもなるはず。事業を通じて、誰もが自分らしく生きられる、そういう世界観を実現していきたいです」

テレビ局、広告代理店、事務所など、新会社「ClaN」に集まる才能

現在、従業員数は約20名となったClaN Entertainment。そのほとんどが中途入社者で、民放キー局、大手広告代理店、VTuber事務所などその前職は多様だ。そこに共通しているのは、VTuberやメタバースなどの成長市場で勝負したいという「志」だ。

「ClaN Entertainmentは設立したばかりで、人数も少ない。自分次第で日本テレビグループの豊富なアセットを使って勝負をしていける環境があります。役割も細かく決まっているわけではありません。そういう意味では打席が多く、バットを振る沢山のチャンスがあることも魅力の一つです」

そして新たな仲間に期待することについても伺えた。

「業界問わず、既存のビジネスモデルをどうVTuber領域に転用できるか。掛け算でシナジーを生み出していける方はきっと活躍の場が広がると思います。また、プロデュース、セールス、ディレクター、演出、いずれにしても「想い」は欠かせません。現在のClaN Entertainmentはプロデュース集団に近く、一人ひとりが熱量を持って企画を進めています。すごく自由にできる雰囲気の中、「熱量」を共にできる方だとフィットするはずです」

勝つまでやる。チームでより大きなインパクトを。

そもそもなぜ彼はテレビ業界を志したのか。そして何を実現したいと考えているのか。

「もともとテレビが大好きな子どもだったんですよね。小学生の頃にはもうテレビ雑誌を買って、番組表に赤丸をつけて、全部録画していた(笑)テレビに救われた身として、次は自分が事業として新しいエンターテイメントをつくりたいとこの業界を志しました」

そして、大井さんが就職活動をしていた2016年は、定額制動画配信時代の幕開けの頃。Netflix、Amazonプライム・ビデオなどが上陸し、時代の変化の潮目でもあった。

「当時、テレビ局には新しいことをやらなければいけない危機感が漂っていて。だからこそ今入ったらおもしろいなと思いました。ワクワクする気持ちのほうが強かったです。特に私のように「新しいビジネスをつくりたい人」はレアだし、チャンス。勝ちやすい。昔から性格的に負けず嫌いで(笑)ただ、2年目で新規事業を任されるなど、周りから見れば華やかだったかもしれませんが、振り返ってみると失敗し続けました。体感としては20連敗くらい。ただ、ビジネスの場合、スポーツと違って1回成功すれば勝ちとして過去の負けも塗り替えられる。それがおもしろさですし、勝つまでやる。そういう想いで取り組んできました」

勝つまでやれば負けない、そんな強い思いを持つ大井さん。さらに、世の中により大きなインパクトを起こすために「チーム」での挑戦にこだわっていくという。

「私はチームや組織が好きなので、個人で動こうとはあまり思っていなくて。大きな船となって、より大きなインパクトを世の中に起こしたい。そう考えたとき、より多くの人たちと一緒に取り組んだ方が、大きなことができるはず。私にとって「仕事」は世の中を変えていける手段。それを同じ志を持ったチームで成し遂げていければと思います」

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