1958年、東大阪の町工場から始まり、今なお進化し続けるアイリスオーヤマ。世の中の常識にとらわれないユニークな商品でヒットを連発し、社会に変化を作り出す。2023年4月現在「DX人材」オープンポジションや、人事、財務経理、日用品開発、施工管理をはじめとしたキャリア採用を強化する。実際の求人と共に事業概要・強み、カルチャー等について見ていこう。
家庭用品、家具・家電、食品、ペット用品、業務用ロボットなど「もっとこんなアイテムがあればいいな」を形にし、ヒットを生み出し続けるアイリスオーヤマ。卸売業を経由せず、ダイレクトにチェーンストアを通じて販売する「メーカーベンダー」として事業を展開。在庫量を一元管理する世界最大級の倉庫を自社で持ち、ロボット導入なども積極的に行う「テクノロジー企業」の側面も持ち合わせている。
そして、同社最大の強みが、生活者の発想から生まれる多様でユニークな新商品の数々だ。新商品は毎年1000点以上あり、売上の6割強が「3年以内に開発された商品」というから驚きだ。2021年からは「アイ ラブ アイデア」をコーポレートメッセージに掲げ、さらなる変化を創出している。
特に注目されているのが、同メッセージを体現する独自のアプローチだ。商品開発やマーケティング戦略の基本に「ユーザーイン発想」を据え、生活者のニーズに応えていく。これは、顧客やユーザーの立場で物事を考えていくもの。数々の新製品はもとより、LED照明の価格設定、東日本大震災復興支援事業・お米の販売、ペット用品や園芸用品の展開など、成功を収めたもののほとんどがこの「ユーザーイン発想」を基点に生まれてきた。
いかに「ユーザーイン発想」は全社で醸成されているのか。たとえば、毎週行われる新商品の開発会議では、開発担当メンバー自身が「利用者を便利にするにはどうすればいいか」とストーリーを考え、プレゼンを行う。経営陣はもちろん営業、マーケティング、品質管理など、あらゆる部署のメンバーが参加し、その内容をジャッジしていく。商品のデザイン、ネーミング、パッケージは一目で理解できるか。その商品は、あなたの奥さんや旦那さんは本当に購入するのか。このような徹底した「ユーザーイン」視点で評価され、ここを突破した商品アイデアが世に送り出されていく。
加えて、同社の商品開発を紐解く上でもう一つ重要なキーワードとなるのが「スピード感」だ。同社では、開発は時間がかかる前提のもと、スピーディな開発の実現のため「伴走方式」と呼ばれるプロジェクト進行を取ってきた。たとえばプロジェクトを「やる」と決まると、開発・生産・品質管理など複数部門が一挙に立ち上がり、同時並行的に物事を進めていく。
通常の家電メーカーが取るリレー方式(企画が決定した後、開発・設計部門へバトンを引継ぐ。設計が固まった後、生産・品質管理部門へプロジェクトを渡す)と比べるとスピード面でも大きな差をつけることができる。
もう1つ、アイリスオーヤマならではと言えるのが、企画・開発・販売において「分業制」を取らないこと。同社では開発リーダーが商品企画から構造・外観・意匠などの設計全般、販売にいたるまで一気通貫で関わっていく。
ゆえにメンバー一人ひとりには担当領域への深い知見とともに、広い専門性が求められる。ただ、ここで大きな責任を担う分、実際に自身の企画が形となった際は大きな達成感を得られるだろう。今後入社する方にとっても、非常に魅力的かつ挑戦的なフィールドが広がっていると言えそうだ。
ここからは同社における独自の人事・評価制度、そのもととなっている企業文化について見ていこう。
まず人事・評価制度でいえば「実績」「360度評価」「論文・プレゼン」の3要素から成り立つ。実績だけでなく、周囲の評価、論文・プレゼンの結果も加味し、それらの合計値によって最終的な人事考課となる。さらに「コーチ」が付き、社員の能力向上を指導していく。
また人事関連でいえば、2023年4月からは正社員の月給を平均約3.5%(平均約8,000円)ベースアップすることを発表。4年連続の昇給となった。2019年と比較すると基本給の昇給率は約8.9%にもなる。
これらは働く従業員たちが働きがい、やりがいを感じられ、共感=エンパシーの醸成を重視する企業文化の表れと言える。ただ、なぜ同社はこういった取り組みを行なってきたのか。根底には、創業者の大山健太郎会長の想いがあると言えそうだ。
「社員を幸せにすることが最優先」
同社が好業績を続けながらあえて「非上場会社」であり続けるのも、この考えに基づいてのもの。「株式公開はあくまで資金調達」と本来の目的を考慮に入れ、上場しないことを決断、「社員の幸福」を追求してきた。企業理念にもある「働く社員にとって良い会社を目指し、会社が良くなると社員が良くなり、社員が良くなると会社が良くなる仕組みづくり。」というキーワードが、同社の想いを体現しているとも言えそうだ。
それでは、同社ではどんな人材が活躍しているのだろうか。前提、事業が多岐にわたる同社には多様な人材が在籍している。出身業界も様々。タイプで見ても、エネルギッシュな人材、クレバーな人材など多様に富んでいるという。
そういった中、活躍人材の共通項と言えるのが「変化やアイデアをDNAとするアイリスオーヤマの環境を主体的に楽しむことができる」という点だ。
同社では、挑戦的かつスピード感のある風土が醸成されている。ゆえに、組織の中では未整備の部分があったり、短期の成果を期待されたりということも少なくないという。
ただ、裏を返せば、若手が短いスパンで多くのバッターボックスに立ち、裁量を持ってプロジェクトを推進していけるということでもある。「実力で勝負したい」「自ら学び、専門領域を広げながら成長していきたい」という方にとってはエキサイティングな環境と言えるだろう。
今後、アイリスオーヤマが見据えているのは「生活をより便利に」の「その先」だ。たとえば、LED照明による社会全体の節電推進、食糧自給率を高め、日本の農業を元気にするための米づくり。また、2020年のロボティクス事業参入などはその一例でもある。さらに2022年には、海外で行なっていた約50品目の製造を国内工場に移管、「国内回帰」したことも話題に。「国内における雇用確保」といった目的達成に向けて採用を強化した。
人口減少によって労働力不足がますます深刻になる日本において、どう課題に向き合っていくか。課題先進国と言われる日本における課題の解決策を「ジャパンソリューション」と定義し、世界に先駆けて生み出していく――その上で、優秀な人材の確保は今後も必要不可欠となる。
同社は「採用し続けることが成長力になる」という考えのもと、キャリア採用を強化へ。特にDX人材や、経営を支える人事部門、財務経理部門、日用品開発、施工管理などの技術職に力を入れていく。自らの成長はもちろんのこと、「サステナビリティ」「Well-being」「少子高齢化」「人手不足」…こういった大きな課題とも仕事を通じて向き合っていきたいと考える方にとって、見逃せない募集となるはずだ。