INTERVIEW
株式会社 東北新社

僕は「東北新社」で映画プロデューサーを目指す。20代最後の転職、職種未経験からの挑戦

掲載日:2023/07/13更新日:2023/07/13
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映画、CM、TV番組…あらゆる映像の総合プロダクション「東北新社」。今回お話を伺ったのは、同社にてアシスタントプロデューサーとして働く嶋村 宗人さん(29)だ。大手映画会社にて進行管理、CG制作などを経験後、2022年6月に「東北新社」に入社した。そこには「映画が企画できるプロデューサーとしてのキャリアを歩みたい」という志があった――。

映画プロデューサーを目指して

まずは「東北新社」への入社理由から伺ってもよろしいでしょう。

シンプルに、自分で映画を企画していきたい、それが東北新社への入社の理由です。それまで大手映画会社で予算編成、PM、進行管理、CG制作など手掛けてきたのですが、チャンスがあればプロデューサーに挑戦したいと考えていました。もうすぐ30代に差し掛かるタイミングで、東北新社のプロデューサー募集の求人を見つけ、迷わず応募をしました。

さまざまある映像関連会社があるなか、なぜ「東北新社」だったのでしょうか。

そもそもプロデューサー職の求人が珍しかったのですが、「自分の手でこれが東北新社の代表作だと言える映画を撮ってみたい」という思いがあったからですね。

今思うとかなり生意気だったと思うのですが、「東北新社ってCM制作は有名だけど、映画作品では存在感を出せていない。それなら自分で作ってやろう」と思って(笑)映画という領域でいえば挑戦者のポジション。社内におけるポストも今後狙っていける、挑戦させてもらえる機会も多いはず。そう考え、入社を決めました。

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東北新社 映像制作事業部 アシスタントプロデューサー 嶋村 宗人(29)
大手映画会社2社にて予算編成、PM、進行管理、CG制作などを経験。その後、2022年6月に「東北新社」に入社。2022年9月にドラマ「僕らの食卓」助監督、2023年3月「妻の充電切れ」SSFF短編作品助監督を担当。現在、特撮作品「牙狼」シリーズにおけるアシスタントプロデューサーとして新企画の製作、パチンコ撮影案件、ドラマ・CM助監督などで作品演出を担当。 その他、自主制作も手掛けており、初監督作品『単衣あわせ』は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2021」の「ゆうばりホープ」に選出された。

難易度が高いからこそ、おもしろい

続いて、現在の仕事内容とやりがいについて伺ってもよろしいでしょうか。

現在は、主に特撮作品「牙狼〈GARO〉」のアシスタントプロデューサーを担当しています。プロデューサーの補佐役として、新シリーズの企画立案、撮影のスケジュール管理、キャスティング、調整などを全般的に手掛けています。

やりがいでいうと、多くの方に楽しんでもらえる作品のために、アイデアを振り絞って戦っていけること。当然、予算などの「制約」もありますが、そのなかで理想を追求していく。最高にエキサイティングでおもしろいですね。

特に「牙狼〈GARO〉」は20年近く続くシリーズでもあります。古くからのファンも多い作品です。過去の作品イメージは踏襲しつつ、時代に合った「新しさ」をどう加えていくか。飽きずに楽しめるような工夫ができるか。難易度は高いですが、チャレンジングですし、やりがいも大きいです。

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入社3ヶ月で、映画作品の助監督に抜擢されたという嶋村さん。「正直そこまで早く任せてもらえると思っていなかったですね。いきなり現場に入って、右も左もわからず、めちゃくちゃ失敗もしました。ただ、現場の最前線でしか学べないことを数多く吸収でき、知見を広げることができた。自分を成長させるために不安でもまずは飛び込んでみる。やってみることが改めて大切だと学びました」

映画、CM、TV番組…各分野のプロたちと働ける環境がある

過去、大手映画会社でも働いてきた嶋村さんですが、「東北新社」ならではだと感じる雰囲気、風土があれば教えてください。

そうですね。特に感じるのは、経験の浅い自分のような若手のアイデアであっても、おもしろがって受け入れてもらえることですね。とにかく懐が深い。ここは、東北新社らしさだと思います。

もちろん、単にアイデアを出すだけではなく、自分でやり切る覚悟は求められますが、頭ごなしに否定されることがない。正直、映画業界全体でいえばまだまだ古い体質が残っていて「若手に発言権はない」とされるところもありますが、東北新社にはそういった空気はほとんど感じないですね。わかりやすく言えば「人」がいい。助け合いの精神があり、困っていると声をかけてくれる。面倒見がいい人たちばかりだと思います。

加えて、例えば映画、CM、テレビ番組、Web用コンテンツなど、各領域のプロフェッショナルが在籍していて。幅広くアドバイスをもらえるのも良い環境だと思っています。新しい企画をカタチにしやすい環境があり、自分次第で仕事を広げていける。領域を超えた作品づくりに携われるのも、総合映像プロダクションならではのおもしろさです。ユニークなところでいうと、社内にクリエイティブユニット「OND°」があり、各領域のプロが活発に連携できる体制もあります。

会社全体としても「変化し続ける世界に先駆け、新たな時代を果敢に切り開くチャレンジングスピリット」*を共有しています。異業種の出身者であっても、自分次第でいくらでもチャレンジの機会が得られるはずです。

*東北新社では自社の“精神”として「Passion/ほとばしる情熱」「Creativity/豊かな創造力」「Technology/最新技術の追求」「Speed/変化への迅速な対応」の頭文字を取って「PCTS ~挑戦しつづけるために」を掲げる。

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活躍していくために大切だと思うことについて「自分もまだまだこれから」と前置きをしつつ、「謙虚さや素直さが大事だと思っています」と答えてくれた嶋村さん。「私たちが関わるのは、社内外のプロフェッショナル。わからないことはわからないと素直に伝えていく。当然、厳しい言葉をもらうこともありますが、真摯に受け止め、吸収していく。少なくとも「良い作品をつくりたい」というのが全員に共通する思い。謙虚に、そして素直に教わる姿勢で臨めば、自分を大きく成長させられると思います」

「東北新社」の歴史に残るような映画をつくりたい

今後の目標についても教えてください。

これは入社動機と重なる部分ですが、やはり「東北新社といえばこれ」と言われるような作品を製作していきたい。これが当面の目標です。

特に今はYouTubeやTikTokをはじめ、映像を届けられるメディアが多様化し、新たな表現もどんどん生まれ、広まっていく時代。根っからの「映画好き」がつくる作品もあれば、全く映画に触れてこなかった若い世代がつくる作品もある。それらが横並びで見られる時代。そういったなかでも、世の中に評価されるものを自分の手で生み出していければと思っています。

最後に「仕事観」についても伺わせてください。嶋村さんにとっての「仕事」とはどういったものでしょうか。

一言でいえば「生きがい」だと思っています。仕事はあくまでも仕事ですが、もともと映画が好きで、この業界を選んでいて。ただただ映画を作りたい。誰かに届けたい。そこは変わらないですし、自分の存在意義だと思っています。

もちろん大変なことのほうが圧倒的に多いですが(笑)無事に作品が公開され、「これに関わったんだ」と感じられる瞬間は、何にも代えがたい喜びがあります。だからこそ、壁にぶつかっても一つひとつ乗り越えていける。そして、最終的には、自分の人生、映画を通じて少しでも「何か」を残すことができたら幸せなのだと思います。

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