今回取り上げるのは「電通」「博報堂」「ADK」の大手広告代理店(グループ含む)が行なう求人募集。とくに各社が注力しているのが、デジタルやクリエイティブ、マーケティング支援、インターネット広告といった新たな分野。それぞれのグループの動きと併せて、求人募集について詳細を見ていこう。
「広告業界は転換期を迎えている」といわれて久しい。特に注目されているのが、インターネット広告市場だ。
電通の発表によれば、 2018年のインターネット広告市場は1兆7589億円(前年比116.5% *1)。19年に地上波テレビを初めて逆転する見通しだという(*2)。背景にあるのはモバイル広告費、ビデオ(動画)広告の拡大など。
当然、この動きに対応すべく、大手広告代理店3社も新たな戦略を打ち出している。
たとえば、電通でいえば、米国のデジタルマーケティングとの提携やソフトウェア企業とのAI研究、デジタルマーケティングに特化した子会社設立、大手ECとの連携などが話題になった。
また博報堂も生活者行動インサイト・データ分析領域やクリエイティブの強化、ADK(アサツーディ・ケイ)もコンテンツビジネスの強みをさらに打ち出すなど、各社の動きが活発だ。いずれも欧米やアジアを中心に、海外展開を強化しているのも特徴といえる。
(*1)2018年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析│電通
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0314-009774.html
(*2)電通デジタル、AIで広告作成 「見た目」も判別│日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45372800Y9A520C1X30000/
ではさっそく各社が行なっている求人募集を見ていこう。とくに関連グループ、デジタル領域での募集が目立った。(2019年11月現在/求人情報は変更となる場合があります)
特に、関連会社を立て続けに設立しているのが、電通だ。2017年12月現在、関連会社の求人として、以下の企業が見受けられた。
▼電通テック
2017年1月に設立。企業のプロモーションにおいて、デジタルを起点に課題解決を行なっている同社。以下の職種において募集されている。
・デジタルアカウントプランナー
・デジタルマーケティングプランナー
・コンテンツマーケティング・ディレクター
・データアナリスト・サイエンティスト
・ソーシャルメディアプランナー/ディレクター
・広告運用コンサルタント/SV
・システムコンサルタント/テクニカルディレクター
などデジタル領域において、多くの職種が募集されている。
▼電通デジタル
2016年7月設立。デジタルマーケティングの領域で、コンサルティング・開発・実装・運用・実行を提供している。たとえば、募集のあった事業戦略コンサルタントでは、デジタルを軸に、クライアント企業の新規事業・サービス開発、既存事業の戦略づくりを担っていく。
博報堂はインバウンドや、アウトドアなど、活況となっている領域に特化した新会社を設立している。現在、求人としては以下の企業から公開されている。
▼デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム
デジタルマーケティング領域における、博報堂グループの戦略子会社。たとえば、「アカウントディレクター」などの募集が見受けられた。
▼博報堂コンサルティング
ブランディング、マーケティングを強みとした、コンサルティング企業。募集されていたのは「ブランド戦略コンサルタント」「アソシエイト」「コンサルタント」など。顧客企業へのブランディングを軸とした経営課題解決と実行支援を担っていく。
ADKホールディングスでの募集を行っている。募集されているのは「大手外資系担当アカウントメディアプランナー」「デジタルメディア担当」など。「給与・労務」「法務」「人事戦略立案」といった求人も見受けられた。
広告業界での経験を問わない、むしろ異業界での知見を活かしてほしいといった求人も多い。ぜひチェックしてみてほしい。