INTERVIEW
アガサ

16ヵ国で展開、新薬開発コストを約80%削減する医療DXスタートアップへ。彼が抱く使命感

掲載日:2025/01/14更新日:2025/01/14
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世界中の薬の開発スピード向上に寄与するーーこれを掲げる医療DXスタートアップ「アガサ」。特に創薬における「治験」に膨大なコストがかかっている点に着目し、世界16ヵ国で医療機関・製薬企業向けに治験・臨床研究の文書管理クラウドサービスを提供する。今回は、日本本社にてカスタマーサクセス部長として働く甲平 望さん(32)にお話を伺った。大手グローバルIT企業、スタートアップで事業立ち上げを経験した彼は、なぜアガサを選んだのか。そこには「まだ誰もチャレンジャーがいない領域に切り込んでいきたい」という思いがあった。

【アガサについて】
市場規模は670億ドル(約9兆6000億円)とも推定される治験分野(*)。その治験・臨床研究における効率化・省力化、DXに挑む医療系スタートアップが「アガサ」だ。主に、治験・臨床研究のクラウド型文書管理システム『Agatha』を提供。医療機関、製薬企業、医療機器企業、CRO(医薬品開発受託機関)、SMO(治験施設支援機関)、臨床検査会社などに、プロジェクト単位での治験・臨床研究の文書を共有し、管理・保存を可能とする。業界特有の複雑なガイドライン、運用マニュアルの策定等に対応し、法律を遵守したペーパレス運用に切り替えられるのが強み。
(*参照)日経電子版「Googleも参加、治験9兆円市場にテクノロジーの波」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC30B150Q2A830C2000000/

推定9兆円超の市場、先陣をきって切り拓く一員に

2022年9月、医療DXスタートアップ「アガサ」に入社した甲平さん。同社では治験の課題を解決する。なぜ同分野だったのだろうか。

アンビ(AMBI)のスカウトメールで初めてアガサを知ったのですが、私自身も最初は事業説明を読んでも何の会社なのかイメージがつかなかったというのが正直なところでした(笑)。ただ、医療分野のスタートアップであること、SaaSのビジネスモデルであることはわかり、興味を持ちました。

話を聞いてみると、治験分野の市場規模は推定9兆円以上とも言われるなか、そこに挑む会社はほぼ存在していないこと。そうしたなか、先陣をきって未開の領域に切り込んでいこうとしている会社だと知りました。

それを聞いたとき、単純にすごくワクワクしたんです。前職時代にスタートアップで事業立ち上げを通してアーリーステージに関わる面白さを知り、次も「まさにこれから」という環境に身を置きたかった。そんな私にとって、アガサの事業フェーズや独自性は、グッと刺さるものでした。

また、選考のなかでは、代表や人事担当者から「まだ実現できていないことも多くカオスな状態、だからこそ裁量はお渡しします」と言われたことも印象的でした。「まさに自分が求めている環境だ」と思うと同時に、良い面も悪い面も包み隠さずに話してくれた皆さんの人柄にも惹かれて。「ここで働きたい」と思い、入社を決めました。

もともと医療分野への関心は強かったのだろうか。

医療分野のビジネスに関わるのはアガサが初めて。とりわけ強く意識していたわけではないですが、貢献していくことで誰かを不幸にすることは極めて少ない業界であるとは思っていました。

というのも、私自身、学生時代に病気で苦しい思いをした時期があります。ある時、ドクターから「新しい薬が出たから使ってみる?」と紹介され、薬を切り替えたところ、自分としては今までにない使いやすさを感じて。「身体の負担も少ない形で、こんなにも違うのか」と驚いたことを覚えています。

そういった原体験もあり、新薬を世に送り出すための「治験」領域のサービスに対して親和性を感じやすかったかな、と。入社後、他のメンバーを見ていても、自分ではなくても家族など誰かしら身近な人が医療に支えられた経験があったり、そこに貢献したい思いがある人は多いと感じます。

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甲平 望
2017年に日本アイ・ビー・エムに入社。企業向け IT 製品・サービスの提供、購買業務に従事。2021年にユニラボに中途入社。企業向け受発注プラットフォームサービスの新規事業立ち上げに関わる。2022年9月にアガサへ入社。現在、カスタマーサクセス部長を務める。

「我々がやらずして、他に誰がやる」

入社後、特に印象的だった出来事について「入って早々、アガサが医療業界へ与えるインパクトの大きさを感じた」と語る。

入社間もない頃、医療業界に激震が走るニュースがありました。冒頭でもお伝えしたとおり、そもそも治験における文書管理のクラウド自体がまだ少ないなか、日本医師会が無料提供していたサービスの終了が決定。同サービスのユーザーは「今までせっかく電子化を進めてきたのに、また紙に戻るのか…?」と騒然となる事態がありました。

こうしたなかアガサでは、その受け皿になっていくためのプロジェクトが動き始めました。

社内には、「各企業の電子化の取り組みを決して無駄にはさせてはならない。アガサへの移行いただくことで、引き続き業界のDXをリードしていかなくては」そういった緊張感と、全社一丸となっていくような雰囲気がありましたね。

私自身はまだ右も左もわからないような状況ではありましたが、プロジェクトリーダーの助けになること、できることはなんでもやろう。そういった意識で対応にあたったことを覚えています。

結果として、クライアントからは「アガサが迅速に動いてくれたことは、医療業界にとって非常に大きな貢献だったと思う」「導入当初は大変だったけれども、アガサがいたから危機を乗り越えられた」といった言葉をいただけたときは非常に嬉しく、今も忘れられません。

カスタマーサクセスとして経験を積み、2023年2月からは部長となった甲平さん。現在のやりがいについてはこう語る。

繰り返しになりますが、アガサは誰もやったことのないサービスをつくろうとしている会社です。そのため、日々の業務が、答えのない課題への挑戦になる。非常に面白く、やりがいにつながっています。

たとえば、お客様のニーズのなかには、既存のアガサの機能ではカバーしきれていないものもまだまだあります。それらをいかに実現していけるか。まだ手付かずの課題をどう解決に導くか。ここは難しくもあり、挑戦しがいのある部分です。

個人的にアガサに入社してよかったなと思うのが、自分たちの頑張りが病院や製薬企業における「治験の負」を和らげること、ひいては医療業界の未来に直結していく、と手触りをもって感じることができること。ここは大きいです。

じつは、1社目では大手グローバル企業で働いていたのですが、規模が大きすぎて自分の仕事の手応えが感じづらくて。「自分たちではなくても他社が解決するのではないか」と、どこか他人事のように捉えている自分もいたように思います。

でも今は「我々がやらずして、他に誰がやる」という気持ちが先に立つ。まさにこれからつくっていく市場ですし、社員数としても自分たちの仕事の影響をリアルに感じ取れる規模感。社会に貢献できている、と胸をはれる仕事ができる。非常に有難い環境だなと感じています。

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入社してから英語力も向上したという甲平さん。「開発チームはフランスにあり、会議などのコミュニケーションは英語です。カスタマーサクセスとしては、“お客様からこんな機能の要望がある”、“これを優先で実装したい”など、日々連携していますね。私自身はもともと決して英語が堪能なほうではなかったですが、着実にスキルアップできているのを感じます」

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甲平さんの入社前後での働きがいの変化を示すグラフ。

アガサをもっと、替えの利かないサービスに

続いて、今後の目標について伺えた。

目先で言えば、組織力の強化ですね。カスタマーサクセス部門としても少しずつ人数も増えてきているので、属人化することなくサービス品質の向上を実現するよう仕組みづくりをしていきたいです。

そして中長期で言えば、もっとアガサのサービス価値を高めていきたい。国内外問わず「アガサがいてよかった」と言ってもらえる、替えの利かない存在感あるサービスにしていきたいです。

たとえば、今は病院・製薬企業向けのみの提供ですが、いずれはその先の患者さんにもメリットを提供できるような機能・サービスがあっても良いかもしれません。じつは最近コーポレートキャラクターをつくり、キャラクターを通じて治験の「難しくてとっつきづらいもの」というイメージを払拭していくこともできるかもしれない。そんな妄想をしています(笑)。

最後に、甲平さんの「キャリア」の考え方について。

もともと以前から「60代・70代になっても、新しいことに挑戦し、探求し続けるような柔軟さをもった人間になりたい」という思いがあります。

これは1社目で尊敬する先輩方と出会ったことが大きくて。年齢を重ねても挑戦を続けて、それでいて謙虚な姿勢を持ち合わせている素敵な先輩に出会い、「自分もこんな社会人になりたい」と憧れたんです。それに、一度きりの人生。なるべく多くの挑戦をしたほうが、楽しいものになるのではないかな、と。

そういった意味で、アガサでは、自分のありたい姿に近づけるような経験を得られています。まだまだやれる余地はありますし、答えを出しきれていないこともたくさんある。これからも挑み続けていきたいです。

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