INTERVIEW
日清食品|特別キャリアインタビュー

「尖った企画」で勝負したかった。「日清カレーメシ」マーケティング責任者に聞く転職ストーリー

掲載日:2025/04/23更新日:2025/04/23
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「もっと面白いことやれよ、そう期待をかけてもらえる環境に、入社以来、ずっと奮い立たされます」日清食品でのやりがいをこう語るのは、中村圭佑さん(39)。食品メーカーのマーケターを経て、2017年に日清食品に入社。いわゆるメンバークラスから経験を積み、現在は「日清カレーメシ」をはじめとするカップメシシリーズのブランドマネージャーとして、ブランドのマーケティングに関する全てを統括する。彼はいかにして、日清食品でマーケターとしてキャリアを築いていったのか。入社から8年間の軌跡を追った。

・本編は、日清食品の中村さん個人のキャリアストーリーにフォーカスし、深堀り取材したものです。
・中村さんによる、自身の担当ブランド「日清カレーメシ」にみる「日清食品のマーケティング部の魅力」はこちらから(↓)
“おもしろい”こそ正義。「日清カレーメシ」ブランドマネージャーが語る、ヒット連発の裏側 

「こっちのほうがおもしろくない?」最終面接の衝撃

某食品メーカーのマーケターを経て、2017年に日清食品へ。その入社の動機とは。

マーケターとして、もっとユニークなアプローチをしてみたい、今までに見たことのない新しいことをしていきたいという強い思いがありました。そうしたなか、日清食品は、毎回ユニークなTVCMやキャンペーンをしていたので、新しいことや前例がないことを良しとする企業風土があるのではないかと思ったんです。

もともと、前職の食品メーカーでは、6年間の営業経験を経て、異動して念願だったマーケターとしてのキャリアをスタートさせました。大型新商品の企画も担当させてもらい、データをもとに考えアウトプットしていくスキルを磨くことができました。一方で、当時扱っていた商材やターゲットの特性、そして会社の方針としても、あまり尖ったコミュニケーションは好まれない傾向があって。「こういう表現をしたら人々はどう反応してくれるだろうか」とアイデアを膨らませて、様々なマーケティングにチャレンジしてみたい。そう考えていたとき、たまたま日清食品の募集を知りました。

特に、志望動機が高まったのは、最終面接の日のこと。今は選考フローが変わっていますが、当時は社長が最終面接を担当していました。忘れもしないのですが、自分が前職時代に手がけてきた企画の話を説明した時、「なぜこの商品名/コミュニケーションにしたの?」と質問されたんです。「こうしたほうがより興味を引くのでは?こっちのほうがおもしろくない?」と。

そのパッと出されたアイデアが、少なくとも私個人としては、すごくおもしろくて。目から鱗が落ちる思いで、自分が進むべき道が示されたような、パッと視界が明るくなるような、そんな気持ちでした。同時に、こんな風に商品やコミュニケーション施策を考えられたらどんなに楽しいだろう、と。社長の考え方に触れたことで、より「ここで働きたい」という思いが高まったことを覚えています。

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日清食品に転職してよかったと思う瞬間について、お客様が商品を手に取ってくれるための表現の自由度が高いこと、「おもしろい」ことへの期待・追求が出来る環境について挙げてくれた。「まだ役職などにつく前のメンバー時代、「おもしろいことを思いついた」と思って週1回の社長との定例会議で企画を提案したとき、『つまらない、普通だね。もっとこうしたほうがおもしろくなるのに』とダメ出しをもらいました。採用面接のときは社外の人間としてフィードバックをもらいましたが、入社しても同じように「もっとおもしろいことをやろうぜ」という感じでアドバイスをしてくれる。期待をかけてくれる。そうした環境に身を置けていることは貴重ですし、転職してよかったと思います」

新ブランドを旗揚げ。ブランドマネージャーになる勇気を得た

入社後はどういった仕事を?

まずはメンバーとして、「チキンラーメン」や「出前一丁」などを扱う第3グループで半年ほど働き、その後は第6グループにて、袋麺のロングセラーブランド「日清のラーメン屋さん」のリニューアルを担当。同グループでは、3食入り袋麺の新ブランド「日清これ絶対うまいやつ!(当時の名称)」の立ち上げにも携わりました。2022年3月にブランドマネージャーに昇格し、ブランドマネージャーとしての1年目は、「お椀で食べるシリーズ」に携わり、2023年3月から「日清カレーメシ」をはじめとする「カップメシ」シリーズを担当しています。

入社されてから現在に至るまで、特に印象深かった仕事とは。

どれも印象深いですが、マーケターとして自信がついたという意味では、2020年に発売した新ブランド「日清これ絶対うまいやつ!」を立ち上げたときですね。その後、ブランドマネージャーへの挑戦を考える上でも、間違いなくターニングポイントになった案件だったと思います。

実は、開発をスタートした2019年当時は、まだ袋麺といえば「5食入り」が主流で「3食入り」はなかったタイミングでした。日清食品として「新しい3食パックの袋麺ブランド」で「発売予定日は◎月✕日」ということだけ決まっている状態で私が担当になったんです。その日から、発売日に間に合うように、ターゲット、商品のコンセプト、具体的な中身、ネーミング、パッケージ、全部をイチから考えていくことになりました。文字通り、怒涛の日々でした。

どの工程も思い出深いですが、特に忘れられないのが、商品名を決めたとき。もうこれ以上、思いつかない…無理かもしれない…というくらい案を出し尽くしたとき、ふと、一緒に案出しをしていた当時のブランドマネージャーが書いた「これ絶対うまいやつやん」という案に目が留まったんです。たしかに当時、美味しそうな写真を見て「これ絶対うまいやつやん」と投稿することがSNSでトレンドになっていました。国道沿いのラーメン屋のピカピカ光る看板を見て、「あ、うまそう、ラーメン食べたいな」となるあの感覚を表現するには、「これ絶対うまいやつ!」という表現がマッチする。そういった直感があり、このネーミングでいこうと決めました。

当然、責任を持って世の中に出さなければ…というプレッシャーもありましたが、なんとか無事にゴールまで持っていけました。お陰様で、CM総合研究所のCM好感度調査で全業類1位(*)を獲得するなど大ヒットし、とても自信に繋がりました。あの時の経験があったからこそ、社内公募でブランドマネージャーの募集があったとき迷わず挑戦しようと思えた。今につながる大事な経験だったと思います。

(*)『これ絶対うまいやつ!』が1位、『au』の三太郎シリーズの新作が続く(2021年10月度 新作トップ10)
https://www.cmdb.jp/cmindexweb/cmlikability_202110newcm_20211110/index.html

※現在、中村さんは「日清カレーメシ」のブランドマネージャーを務める。「日清カレーメシ」の事例にみる日清食品のマーケティング部で働く魅力については、 こちらの記事を参照。

日清食品に入社して感じる、自身の変化とは。

そもそも、自分のマーケティングのスタイル自体が、良い意味でガラリと変わりましたね。

前職時代は、データに忠実に打つべき施策を導き出して、アウトプットしていくことが多かったです。一方、日清食品は、データはもちろん見ていますが、同じくらい「感覚」も物凄く大事にしています。

日清食品が大事にしているのは、お客様が商品を手に取ってくれるかどうかです。最近話題となっている手法を取り入れたら、自社の伝えたいことをこんな風に表現できるんじゃないか。そうやって、パズルのようにいろんなことを組み合わせながら考えていく。左脳だけではなく、右脳も使っていくマーケティングは、日清食品でこそ得られたものだと思います。

もう1つ、ビジネススキルの観点で言えば、マーケティング部では社長をはじめとする経営層との接点が非常に多いので、「プレゼン能力」は磨かれました。いわゆる数十秒で端的に要点を伝え合意を得る「エレベータートークスキル」の他、本質を捉える「思考力」、物事を多角的に検証する「仮説思考力」、受け手の反応を想定する「想像力」のスキルがあがったように思います。日清食品は商品数も多く、経営層もすぐに判断しなければならないことが多いので、相手が、どういった前提知識を持っていて、どこに興味があるのか。そもそも企画のポイントは何か。常に意識して話すようにしています。

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中村さんに、転職前後での働きがいの変化を示してもらったグラフ。

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SNSで今何が盛り上がっているか。それはなぜ盛り上がっているのか。自分が担当する商品でその手法を使うならどうなるか。そういったことは常日頃考えているという中村さん。「私の場合、お風呂でシャワーを頭かけている時にひらめくことが多いので、お風呂のなかでも常にメモをとれるようにしています(笑)」

「新たな食文化の創造」に、マーケティングで貢献しつづけたい

最後に、中村さん自身の今後の目標について伺った。

日清食品の企業理念でもある「食創為世」、「世の中のために食を創造する」ということに対し、自分の好きなマーケティングの観点から貢献していきたいです。

現在はブランドマネージャーとして「日清カレーメシ」を担当していますが、いつかは「カップヌードル」も担当してみたいですし、マーケティング部長という立場でマーケティング組織全体を見ていくことにも興味があります。また、転職当初からの思いでもありますが、現在、海外売上の比率も高くなってきていることもあり、チャンスがあれば海外マーケティングにも挑戦してみたいと思っています。もっといえばマーケティングとはっきり定義されてない領域においても、「マーケティングの思考」で仕事をすることは可能で、当社はそのような思考をどの部門でも求められるので、そういう意味では、やってみたいことはまだまだたくさんあります。チャンスがまわってきたときにしっかりとものにできるようにするためにも、これからも打席に立ち続けていきたいと思います。

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